やはり俺が殺し屋になるのはまちがっている。 作:(ひなあられ)
どうも初めましての方は初めまして。pixivでssを書いているひなあられです。このシリーズをハーメルンにも投稿しようと思い、転載という形で投稿しました。まだ全然書けていないのでめっちゃ不定期更新になりますがよろしくお願い致します。
────『殺し屋』────
それは、依頼を受け対象人物を殺すことで報酬を得る。
殺しを生業とすることから、非合法の職業である。
殺し屋というものは大抵一人で行うことが多い。
所謂、孤独…ぼっちで行う仕事である。つまり、いつも独りぼっちで生きてきている俺にピッタリな職業であると言える。
そんな職業、殺し屋を育てる学校が存在する。
武州高等学校。殺し屋、暗殺者を目指す者が入学するところだ。
これから始まるのは武州高等学校に通う、そんな俺らの物語である……。
「お、八幡と同じクラスだ」
「マジか。出来れば一緒になりたくなかったな…一生」
「酷くない?わしの扱い」
「気のせいだ」
今、話しているこの天パ野郎は、1年の頃から同じクラスで多少の交流はある田野畑悠太という男。一人称がわし、この時点で何かが痛いやつと分かるだろう。って、誰に話してんだ俺は。すると、俺と田野畑と同じようにクラス替え表を見ていた女子生徒らが何やら喋っているのが耳に入ってきた。
「始業式終わったんだしもう帰らせてもいいのにねぇ~」
「本当それな!てかてかHRが終わったらさ帰り道に新しく出来たカフェがあるんだけど行かない?」
「うん!行く行く!」
うわぁ…アレか?アレがリア充というものか。暇があれば友達を遊びに誘い、何か辛いことがあったら友達に相談し、嬉しいことがあったら友達に自慢するかのように報告する。こんな生活をしてて疲れないのだろうか。リア充を見ていると毎回のようにそう思ってしまう。
「八幡?凄い腐った目してるけどどうかした?」
「何でもねぇよ。それと腐った目なのはいつも通りだから気にすんな。それよりお前はその極度の天パを気にしろ」
「あ!いま天パを馬鹿にしただろ!謝れ!この世界にいる天パ全員に謝れ!」
「声でけぇよ。うるさいし、後うるさい」
もう周りの目が怖い…。変な目でこっちに見てる。もう慣れてはいるが落ち着けはしない。え?変な目してるのはお前だろって?うるさい。それにこの目はデフォルトだ、デフォルト。
そしてこの後すぐに、新しいクラスの教室に行き、HRが始まるチャイムが鳴り先ほどまでワイワイガヤガヤと騒いでいた生徒も椅子に座っていった。
そして扉が開く音が聞こえ入ってきたのは1人の女性。
「これからHRを始める。みんな知ってると思うが改めて自己紹介する」
すると、その女性は黒板に自分の名前を書き始めた。教師ってそこら辺憧れとかあるのかな…特に熱血教師って。と、思っていると書き終えたらしい。
「私の名前は、松島凜。武術などを主に教えている。1年の頃、担当したから全員知っていると思うがな。このクラス、F組の担任になった。よろしく」
簡潔にまとめての自己紹介。そう、この人は松島先生。俺が1年の頃、初めての武術の授業でベタ褒めしてきた先生である。あん時は本当にびっくりした。
「あ、君らにも自己紹介をしてもらおう。見慣れた奴らは数人いるが正直、名前は全部覚えられていない。今日は時間がないからここまでにするが明日してもらう。明日までに考えておけ。それが宿題だ」
何その宿題。この世で最も苦手な宿題なんですけど。絶対無理だ。名前を言うだけで終わる。下手すりゃ名前も言えずに終わってしまうかもしれん。なんてことをしてくれたんだあの先生…。
「それでは帰りのHRを終わりにする。今日は…日直がいないんだったな。んじゃあ比企谷、お前やれ」
「…ふぇ?」
つい気のない返事が出てしまった。いや何でだよ。と、拒否の目を先生に送ったとたん、先生がまるで獲物を捕らえる蛇のような威圧的な目で返された…はい。やります。やらせていただきます。
その後、俺の号令とともに全員が起立し礼を終え、HRが終わった。というか、これでクラスの皆俺の名前覚えたんじゃないか?もう自己紹介やんなくていいんじゃないだろうか…駄目ですかね。駄目ですよね。知ってた。
「八幡じゃあなー、また明日」
「おう。また明日な」
田野畑と別れを告げ、寮に帰ろうとした瞬間。
松島先生に呼び出された。
「比企谷。ちょっと仕事を手伝って欲しいんだが来てくれ」
「…はい。」
くっそ。早く寮に戻って寝たかったのに…。あ、言っていなかったがここの学校には寮があり遠くからこの学校に来ている人などのために長期間の休み以外で寮に住むことができる。ま、理由があって長期間の休みでも寮に住んでいる奴はいるが。ってまた俺は誰に話してるんだ。
「比企谷。これを職員室まで運んでくれ」
「あ、はい。よい…しょっと…」
手伝いというのはいつも通りの荷物運び。正直、武術を教えている先生は力がないとおかしいし一人で出来るんじゃないかと思ってしまうが男手が必要らしい。
「で、どうだ?クラス替えしてみて」
「どうって言われても…特に何も。」
「そうか。あ、そういえば田野畑もF組だったな」
「確かにそうですけど、どうでもいいですよあんな奴」
「お、どうでもいい奴と言ってる割にはよく一緒にいるじゃないか。特に武術の授業の時なんか」
「好きなやつと2人組作れって言った先生がいけないんですよ。」
好きなやつと組めってそんな悪しき風習、ぼっちからしたら相当辛いことである。そんな時に声を掛けてきたのが田野畑。その後も俺が毎回のように一人になっていたため2人組作れと言われた時は田野畑と組んで今までやり過ごしてきた。
「ま、話す相手が居てよかったな」
「そうですかね…」
「あぁそうだ。よし、その荷物はそこの机の上に置いといてくれればいい。」
「分かりました…では僕はこれで失礼します」
「おう。気をつけて帰るように」
「……はい。」
そして俺は職員室を出て、スマホをいじろうと思いポケットの中から取り出したところ、ポトッと生徒手帳を落っことしてしまった。しかし、この生徒手帳は俺のではない。その生徒手帳は武州高等学校。3年と書かれて名前と顔写真はまるでそこだけハサミで切ったかのようになくなっている。それを俺は拾い上げ寮へと戻ろうとした。
「気をつけて帰る…か。帰る場所なんてないのにな…」