こっちは甘い内容と次回に続くシリアスっぽいお話です。
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恵奈は、夢を見ていた……
炎に包まれる、名古屋港水族館。
逃げ惑う人々……
「お姉ちゃん!!大丈夫!?」
左手を吹き飛ばされ、右手で押さえている女性に、少女が駆け寄る。
「逃げて……エナ……!」
バキッ……目の前の床が大きく陥没して……
「きゃああああああ!!!!」
「エナぁぁぁぁぁぁ!!!!」
少女が落ちていく……大量の瓦礫と共に……
「おねえちゃああああああああああん!!!」
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「!?」
恵奈は、ばっと起き上がった。
「恵奈!気がついた!?」
声の先に、顔を向けると、心配そうにしている、暁の顔があった。
暁の話によると、あの後すぐに、陸戦隊が駆けつけ、恵奈と結有は、一番近くの医療施設――
中部警備府医療部に搬送された。
結有のケガは、切り傷と擦り傷、肋骨の骨折だけで、済んだとのことだ。
額は、縫う事になったが、まだ若いから、縫い痕は、大きくは残らないだろう、とは、軍医の話だ。
病室には、既に意識が戻って、ベッドを起こしている、頭に包帯を巻いた結有と、その隣で座っている湊。
そして、もう一つのベッドには、黒髪の少女が眠っている……夢で見た少女に似た……
「恵奈ちゃん、良かった」
結有は、少し痛みに顔を歪めながら、声をかける。
「お姉ちゃん……大丈夫?」
心配そうな顔の恵奈が、声をかけると、結有は、苦笑いを浮かべる。
「ううん、だいじょばない。数日間、入院だって」
「ごめんなさい……」
しょんぼりする恵奈に、結有は、首を横に振る。
「ううん、ボクこそ、守りきれなくてごめんね」
「お姉ちゃん、とってもかっこよかった」
「あはは、負けちゃったけどね……」
結有が、笑いながらそう言うと、湊が、恵奈に声をかける。
「恵奈ちゃん、左手、出してくれる?」
「ほぇ?」
左手を、布団から出すと、指輪が、薬指に填まっている。湊が付けているリングと同じものが。
「……あれ?なにこれ」
キョトンとしながら眺めている恵奈に、湊が、静かに語る。
「ケッコンカッコカリの指輪は、元々、司令官と艦娘との、強い絆が結晶となって作られた、と言われています。私の、父と母は、そのようにして、指輪が出来た、と聞いています。私の指輪……軍で作られた指輪は、それを元に作られた指輪です。第二世代の指輪、というべきでしょうか?」
その説明に、恵奈は、キョトンとしたまま聞いている。あまり解っていない。
「わかりやすく言うと、恵奈ちゃんの、『暁お姉ちゃん、頑張って!負けないで!』という気持ちと、暁の、『恵奈には、絶対手を出させない!』という気持ちが響き合って、指輪を作った。そして、暁は、恵奈を護る、強い艦娘になった。と、いえば分かりますか?」
苦笑いをしながら、説明すると、恵奈は元気に「うんっ!」
と応える。
「要するに、恵奈ちゃんと暁は、ケッコンしたってこと」
そう、結有が続ける。
「ケッコン……」
恵奈が、指輪をみて、呟くように言う。
「恵奈?」
その様子を、心配そうに覗き込む暁。
「暁お姉ちゃん!チューしよ!」
「うぇえええっ!?」
にぱっと笑顔を浮かべて、元気よく言う恵奈に、暁は狼狽して、声を上げる。
「ケッコンすると、チューするんでしょ?湊お姉ちゃんと電お姉ちゃんが、お祝いの時に、いっぱいしてたよ!」
「おおう……」
頭を抱える暁に、今度は逆に、恵奈が、心配そうな顔になる。少し涙目で。
「それとも、恵奈とじゃ、やだ?」
「そうじゃないけど……」
照れながら、顔を赤らめる暁に、恵奈は、無邪気な笑顔にもどると、元気良く言う。
「じゃ、チュー、しよ?」
「わ、わかったわ」
そっと目を閉じる恵奈に、暁は、軽くキスを……しようとしたら、恵奈に、思いっきり抱きつかれた。
「んぅ……」
「んっ……」
深い、深い、そして長いキス……
「わぁ、大胆」
「こういうところは、お母さんに似てるみたいですね」
にまにま笑顔を浮かべながら、その様子を眺めている二人だった。
「ぷはぁっ、初めてのちゅー、あげちゃった」
「……ありがとう」
にぱっと笑顔を浮かべる恵奈に、顔を真っ赤にして、恵奈の頭を撫でる暁。
その左手には、銀色のリングが、輝いていた。
軽い擦り傷しかない、恵奈と暁が、仲良く帰っていったあと、残されたのは、湊と結有と謎の少女。
「心配かけて、すみません」
「全くです。いくら軍属だからって、深海棲艦に、正面切って殴り合いを挑む
腰に手をあてて、少し怒った顔をする湊に、しょんぼりする結有。
「でも……二人で逃げていたら、二人共、危なかったかもしれません。ありがとうございます。
優しく頭を撫でる湊に、今度は、結有が慌てる。
「いや、僕のほうこそ、あのレ級の姿を見たら、なんか、ハイになっちゃって……
「………」
湊は、休暇の時に、安藤龍から言われた言葉を、思い出していた。
結有には、ハワイで散った、時雨の霊子が引き寄せられているかもしれない、と。
「ところで、その女の人は?」
「ええと。レ級が、沈んでいたところに浮いていた、と加賀が、救助して搬送したんです。生体的には、
「そうですか……」
湊は、指揮命令プロトコルという物を、
「取り敢えず、結論は先送りです」
大きな溜め息と共に、立ち上がると、結有に、
「あなたは、とりあえず、休んでください。 恵奈ちゃんは、暁に預かってもらいます」
優しく頭を撫でると、湊も部屋をあとにした。彼女にも、すべきことは、沢山残っている。
残された結有は、天井を見上げる……
「ねえ、時雨……僕は、一体……」
髪飾りに触れながら、そう呟くと、静かに目を閉じて、結有も眠りについた……
そのまま湊は、医療部オフィスに向かっていた。
オフィスには、夕張と、医療部長である、山本八重軍医少佐―――あの山本元帥の孫である――が座っている。
「検査結果はどうですか?」
「まず、暁と恵奈ちゃんの共鳴現象ですが、元々、高い霊子を持つ子だったので、恐らくは、母親の左腕……深海棲艦の血が混じってることが、原因だと思いますが、子供の純粋な気持ちと、暁の、恵奈ちゃんを護るという心が共鳴して、指輪を結晶化させたものと考えられます。第二世代の指輪より、強い絆です。あの段階で
と、夕張が説明すると、山本少佐が続ける。
「もう一つ、気になることが。各務原一等兵が受けた負傷が、思いの外軽かったので、検査を行いました。人体組成的には、艦娘の組成が混じってます。おそらく
「………各務原少佐の奥さんは、結有の出産時に、夭折している、と聞きましたが……」
その湊の言葉に、夕張は深刻な顔をする。
「一つは、本当に艦娘――おそらく、時雨が出産時に死亡して、生まれ変わって現出した時雨が、
「いいえ、この件に、私達が介入する権利はありません。―――知らなかったことにしましょう」
湊の言葉に、一同が頷く。
「次に、加賀が救助した少女の方ですが、人体組成はちょっと複雑で、左腕の上腕部までは艦娘、そこから手首までが人間、その先が義手です。義手には、海兵旅団東海連隊の部隊章が刻まれていました。大村奈緒大佐に協力を頂いて、DNAサンプリング検査をしましたが、彼女の左腕で間違いないです。戦艦レ級が、
山本少佐は、カルテを見ながら告げると、
「いずれにせよ、今は、できることが少ないですね」
湊は、大きな溜め息を吐いた。
その晩。
「暁おねえちゃあん、しょや、しよ?」
と、耳元で、甘ったるく囁く小悪魔恵奈に、顔を真赤にする暁。
「そ、そういうのはね、恵奈が、もうちょっとおとなになってから、するのよ」
「うんっ!」
と、その様子を見ていた、暁型の次女三女はにまにまと、
「宜しく、恵奈『お義姉』さん」
「恵奈ちゃんが、義理のお姉さんになっても、恵奈ちゃんは恵奈ちゃんよ!」
と、からかうのに、暁は顔を真赤にしている。
「もー、暁おねえちゃんをいじめちゃや―!」
むーっという顔をした恵奈が、ばっと、暁の目の前にでて、両手を広げてから、ふと思い出したように、
「ところで、『しょや』ってなに?」
首を傾げる恵奈に、一同がずっこける。
「説明しよう、初夜とは初めてのせ……」
「「やめろー!!」」
起き上がって解説しようとする響に、二人が飛びかかって、止めようとする。
「あははー、楽しそうー」
一人、ベッドに腰掛けて眺めながら、笑ってる恵奈。
「うるさい!寮の中でドタバタしない!大人しくしてる恵奈ちゃんを見習いなさい!」
と、雷を落としに来た、寮長加賀が入ってくるまで、そのドタバタは続いていた。
ロリ×ロリのおねロリっていいですよね。(エロい意味じゃなくてよ)
可愛い×可愛いは最強ってことです。