とある計画を開始していた。
その黒幕はやっぱり恵奈と結衣だった
そして、この物語の初の主要キャラの戦死者か!?
※:この話はシリアスさはさほどありません
※
これも徐々に進行していく1話完結の話です
「というわけで、『第1回F-2さんが自由に飛び回れる計画』を始めます!」
恵奈ちゃんが、工廠の中で高らかに宣言する。
参加しているのは、Ju87C改二とF-2のミニチュアを持っている恵奈ちゃんと、
無理矢理参加させられた夕張に、面白そうだから顔を出している結衣。
そして、恵奈ちゃんの両肩には、それぞれの隊長妖精さんが乗っかっている。
どうやら、恵奈には『
現在、恵海には彗星(江草隊)が搭載されている。
忘れがちだが、恵海改二航は
他の子には見えないが、恵海曰く、隊長妖精はかっこいい娘、
『うむ。腕が鳴るな』
そう、恵奈の右肩で腕を組んでいるのが、Ju87C改二(ルーデル隊)の
『俺も、もっと出撃したいしな』
左肩で、恵奈ちゃんのツインテールの先をいじってるのが、Fー2妖精さんだ。
二人共、他には見えていない。見えるのは恵奈だけである。
この妖精さん、恵奈ちゃんと仲良く
結果、恵奈ちゃん以外に誰も運用できなくなり、
『ユウバリ、私はJu87Gに変更してもらいたい』
「……と言ってるよ」
隊長妖精さんの言葉を、いちいち翻訳している恵奈に、夕張はげっそりしている。
「いやね。それは可能なんですけど、航空基地が要りますよ?」
「それなんだけどね?」
顔を出していて、さっきからずっと黙っていた結衣が割り込んだ。
「F-2出撃データから算定して、必要滑走路距離はわかったから、結衣、「海軍
その言葉に、嫌な予感がする夕張。
「ほら。金城埠頭って現状、中部警備府しかないじゃん?あとは国際展示場くらいか?滑走路と基地建設申請、通っちゃったよ」
その、けろっという結衣に、夕張は更に嫌な予感がする。
「もしかして……このプラン?」
「いや。言っておくけど、
結衣が少々ムスッとして言うが、実際問題、私的な
「という訳で、その
恵奈ちゃんの言葉に、夕張はがっくり項垂れる。
「また、余計な仕事が増えるのかぁ……」
その言葉に、がちゃりと扉が開かれる。
「あのぉ。先輩、今
中部警備府の司令官である、湊が顔を出す。
「うん。陸上からの航空支援も必要かな?って申請出してたの。戦中は海兵旅団の戦果が凄く強かったのと、とにかく海上装備に傾注し過ぎてて、発想が無かったのね。余裕がなかったから。陸からの航空支援って、空軍の哨戒支援があったくらいで。ほいで、空軍には艦娘の運用経験もないから。そんで、中部警備府に、お鉢が回ってきたの」
結衣の説明に、
「いずれ来るであろう、艦娘本部の第五軍化の為のテスト運用、って感じかな?」
「それじゃあ、F-2さんも自由に飛べるの!?」
その言葉に、結衣が苦笑いを浮かべる。
「資材の余裕があればね……できれば、
「……だってさ」
『了解だ』
恵奈ちゃんの言葉には従う、F-2妖精さん。
「ルーデル隊のJu87G陸攻には、
「……だってさ」
『うむ』
夕張の言葉に、肯定の意を返す隊長妖精さんを見て、恵奈も頷く。
「問題は、航空基地司令と残りの航空機の編成です。恵奈ちゃんは学校があるし、そもそも民間人だから、無理として」
湊の言葉に、ウンウンと頷く結衣。
F-2妖精さんも、
『恵奈ちゃんが、いいって言った奴の命令には従うぜ』
と、態度を軟化させる。
「現状、そこまで出来る余裕のある、主要士官が居ません」
言外に、これ以上私の仕事を増やさないで、という湊の言葉に、「だよなあ……」と言いつつ、
腕を組んで、思案を巡らせる結衣。
ワクワクしている恵奈と妖精さん達と、嫌な予感しかしない夕張。
「……あ。一人、適任者が居る」
思い出したように呟いた結衣は、この後信じられない言葉を吐く。
「空軍で唯一、『深海棲艦撃墜スコア』を持つパイロット」
「「……えっ?」」
絶句する二人。
「……どうゆうこと?」
『さぁ?』
『私にも理解できん』
F-2妖精さんも隊長妖精さんも、恵奈の問いには首を傾げる。
「戦時中に、イエローファイターと呼ばれたパイロットみたいなことをやったヤツが居てね、あの敵機の垂直尾翼を、自機の主翼をぶつけてもぎ取って、撃墜した無茶なやり方なの。
「……あぁ、そういうことですか?」
その言葉に、湊は察した。
「何で、各務原中佐と時雨の時に、すんなり極秘出産が可能だったか?って前例が居たんですね?」
「そう。大鳳は元々特殊任務系で、秘密任務で居なくなることも多かったし。扱いとしては、大垣幕僚長の『養子』として、育てられてね」
湊の言葉に、結衣が説明して一息吐く。
「で、戦中の、金の一番要る時に、一機80億円くらいの戦闘機を、『故意に』
結衣の言葉に、湊は少し考える。
「分かりました。彼女には、少佐として来てもらいましょう。『
「よかよか。山本のジジ様に根回ししておくよ」
湊の答えに、満足そうな笑みを浮かべて頷くと、早速メール端末を操作する結衣。
「まず、Ju87G改は陸攻(爆撃機)扱いでしょ?F-2は噴式陸戦攻でしょ?残りをどう編成しようか?って思うけど、それは大垣少佐に任せるとして、基地の建設は村上建設に委託できるし、ここと隣接予定だから、色々問題なさげだね?」
結衣の言葉に、ふっと気づいた湊は、苦笑いに変わる。
「結局、中部警備府に、『個性的な』人物を集結させたい、んじゃないですか?
湊のツッコミに、結衣はお腹を抱えて爆笑して、
「
そんな会話をしている中、恵奈ちゃんは、基地設計図を夕張と作っている。
「滑走路は、このくらいで、駐機格納庫がこのくらい欲しい、って言ってる」
「建物の設計は、専門外なんですけどねぇ。大まかな要求図でいいですね?」
二人で、仲良く座りながらCADで、大まかな図を作っている。
恵奈ちゃんは、とうとうプラモデルにまで、手を出している。
大村家の恵奈ちゃんの部屋は、ベッドまで撤去されて、プラモギャラリーになる日も、遠くない。
なぜなら、暁型のお部屋に定住しているからで、あっちは実家である。
響の話によると、時折一緒のベッドで夜中、『もそもそ』何かをやっているらしく、おませさんである。
その時ばかりは、F-2妖精さん達は、恵奈のベッドを独占して寝ているらしい。
「予算とかは、まあ結衣さんの仕事として……」
「うん」
夕張の言葉に頷く恵奈ちゃん。
「恵奈ちゃんは、『
「んー……」
いつの間にか、名誉隊長になっている恵奈ちゃんは、世界の航空機図鑑をペラペラめくっている。
「P-1とか、カッコいい!」
「P-1ですかー。確かに日本製だから、図面は手に入りやすいんで、一応予定に入れておきますね。もしかしたら、明石さんが試作してるかもしれませんね。あとは、大垣少佐と相談して、決めますね」
「はーい!」
その日は、それで解散となった。
その翌週のある日だった。ちょうど、結衣と湊は司令官執務室で雑談しながら、大垣少佐の着任を待っていた。
既に、村上建設の突貫工事で、滑走路と中部基地航空隊格納庫が出来ていた。
艦娘サイズの航空機の格納庫なので、一週間で完成したのだ。
隊長執務室は、こっちの庁舎の空き部屋を使う予定だ。
その時、沖合で爆発音がした。
「……ん?」
「なんだろ……?」
その数分後、高天原智子が、血相を変えてやって来た。
「大変よ!セントレア跡地に着陸予定の、大垣少佐の小型輸送機が、DSキラーの攻撃で墜落したわ!」
「えっ!?」
「それで乗員は!?」
立ち上がる、結衣と湊。
「それが……大垣少佐が自分で操縦したいと。あと如月と、呉から持ってきた試作型P-1が積んであって……乗員2名で…」
「……如月さんと、大垣少佐が亡くなられたんですか?」
沈痛な面持ちの湊と、冷静な顔をして、目を伏せる結衣。
「……いや、如月とP-1は無事だったのよ。………大垣少佐も、
要領を得ない智子に、結衣は首を傾げる。
事実を、ありのままに言うタイプの、智子にしては珍しいと。
「智ちゃん。ありのままに、言えばいいよ?」
結衣の言葉に、困惑気味の智子は、口を開く。
「……あのね。先輩、湊。私も、理解が追いついてないから、笑わないでちょうだいね?『
そう言うと、天龍から送られてきた画像を見せる。
確かに煤だらけの如月と、手に持ってる試作型P-1、その肩の上に乗っかっている、ポニーテイルの妖精さん、ちょっと大鳳に似ている。着任書類の特徴にそっくりの、青い海上迷彩服の妖精さん。
「「………どうしてこうなった?」」
あまりにも非現実的な光景に、二人は頭を抱えた。
こうして、基地航空隊の隊長は、
一応、両親に連絡を入れたが、両方共唖然としていた。
大鳳が、急遽大湊からやって来て、
差し当り、
いい加減
「申告します。小官はこの度、中部警備府航空隊長兼試製P-1哨戒隊長パイロットとして着任しました、
とってもボーイッシュで元気のある声で、敬礼している。
「よ……よろしくお願いします」
「さ、移動するのです」
電に、ひょいっと頭の上に乗せられると、電と共に執務室を出ていった。
余談だが、出頭直前に登校前の恵奈ちゃんに出会い、既に仲良くなった後である。
つくづく、妖精さんに囲まれている恵奈ちゃんであるが、
それを見送った、結衣と湊。
「結衣ね、この軍に入って、奇妙奇天烈・怪奇な出来事に慣れた、と思ったけど、まだまだだったみたい」
「DSキラーが関わってるってことは、なんか有りそうですね?」
その言葉に、結衣は大きな溜め息を吐いた。
「本人に聞かないと、わからないんじゃないかな?」
「まあとりあえず、全員の書類仕事は増えるわけですね?」
その湊に、結衣は、にいっと笑った。
「今夕張に、妖精さん用のモニタとキーボードとマウスを制作させてる。叔父さんの
「
「いやあ、
そう言うと、ちらっと湊に見せる、司令官印の捺された夕張宛の、『
この二人の、
夕張は、今日も徹夜である。
「夕張お姉ちゃん!明日学校終わったら、工作のお手伝いしてね!?」
ああ、世の中は非情である。
空をとぶことを熱望していた翼が再び翼を手に入れたのだ。
翼 「ヒャッハー!これで飛べるぞ―!」
結衣「頼むからP-1をあまり壊さないでください」
おまけ《妖精さん達》
無性でメンタリティは女性が基本です
F-2妖精さんは俺っ娘
ルーデル妖精さんもそれっぽい女子と思ってください。
P-1妖精さんこと大垣翼少佐はポニテの大鳳が外見イメージです。
但し、元気っ子です。暴走族時代のスピード狂の守さんを過激にした感じです。
モデルはあの漫画の『バカヤロウコノヤロウ』の人です。