今回は妖精回です。
※:妖精さんは基本女性的な無性です(翼除く)
翼妖精さんの朝は早い。
朝
ミニチュアで済むから、恵奈ちゃんと夕張の
ミニチュアなので、
「ふぁぁ……今日の予定は……?」
部屋にある、超小型モニターとキーボードで、予定を確認する。
流石に小型端末は、そこまで小型化出来ずに断念することになった為、部屋と執務室でしかデータが見られない。
キーボードとモニターの小型化も、夕張驚異の超技術である。
「今日は特になし。格納庫で愛機のペイントすっかぁ」
漸く、Pー1隊長機への塗装許可が降りた。
真っ赤に塗装するつもりだ。
パーソナルマークである、Wを意匠化した『Wingロゴ』も、許可が下りている。
そんなことを言いながら、階下の執務室で私服から迷彩服に着替えると、基地格納庫にやってくる。
格納庫を見ると、なんか機体が少ない。Ju87G改が見当たらない。
「……えっとだ。Ju87G改(ルーデル隊)、何処行った?」
Pー1を整備していた僚機妖精さんに声をかけると、びしっと敬礼する。
「はいっ!隊長さん以下、全機出撃されました!」
「……またか?」
Ju87G(ルーデル隊)は兎に角、出撃したがる。
「まあ、いっか?困るのは
肩を竦めると、僚機妖精さんもふふっと笑う。
隊長機の横には、赤い塗料が積んである。
「さぁ、真っ赤にするか!」
愛機であるPー1を赤に塗り始めてると、他の隊の隊長さんも見に来る。
「おっす。とうとう真っ赤に出来んのか!」
「真っ赤にすると、三倍速度出るって」
恵奈ちゃんのお部屋から出勤のFー2妖精さんと、F-35A妖精さんだ。
Fー2妖精さんは、恵奈ちゃんの髪型を真似た、ツインテールの俺っ娘さんだ。
F-35Aさんは、ほっぽちゃんをちっちゃくした、ちょっと天然さん。
「うん。真っ赤になったら、かっこいいじゃん?」
頬を赤いペンキで汚しながら、ぺたぺたと愛機を塗っている。
「俺達の方は、今、黒い塗装申請上げてもらってんだ。今日許可出たら、恵奈ちゃんと一緒に塗るんだぜ?」
F-2妖精さんは、恵奈ちゃんと一番仲のいい妖精さんだ。
基地航空隊の副隊長妖精さんでもあり、航空機部隊の古株さんである。
今出撃中のルーデル妖精さんも、恵海の艦載機からの転属で古株さんだ。
いつも勝手に出撃をして、誰が撃破したかわからない戦果をつくっては、浜松・志摩泊地に、
そのおかげで、両泊地の司令官や艦娘には、顕著な戦果で夏のボーナスが
JDAM弾を取り付けたら、余計に出撃するようになって、結衣の頭を悩ませている。
出撃禁止命令を出すと、きちんと従っているが、翼も
艦娘本部の方針、『深海棲艦を一体でも多く減らす』にも合致しているからだ。
出撃に気づいた段階で、翼は遡って出撃許可を出している。
「恵奈ちゃん、今日も元気?」
「昨日は、久々に暁と
つまりは、恵奈と暁は、めでたくそういう仲に
「へー。いいなあ、あたしも彼氏欲しいなあ。でも
ぺたぺた塗料を塗りながら溜め息を吐く翼に、Fー2妖精さんが腰に手を当てて、怒ったポーズを取る。
「そう言って諦めるのはどうよ?可能性に蓋をしない限り、大丈夫じゃね?40代でプロ将棋棋士になった棋士が、そう言ってたぜ。『可能性に蓋をしない限り、年齢は関係ない』って。お前さんも、
「それ、なんか変態っぽいけど?」
そう言いながら、大きな溜め息を吐く。
「ま、戻るのを期待すんのもありだし、彼女妖精さんを見つけるのも、ありじゃね?」
「乙女心は複雑なの」
気楽に言うFー2妖精さんは、文句をいう翼にちょっと拗ねる。
「へいへい。どうせ俺は、がさつな俺っ娘ですよだ」
両手を頭に組んで、不貞腐れる姿を、F-35A妖精さんが軽く笑う。
そんなこんなしてると、ガレージのシャッターが開く。
ルーデル妖精さん達が帰還したのだ。また、誰がつくったかわからない戦果が、どちらかの泊地に
「諸君、只今」
特殊隊長妖精さんならではの、風格を持ちながら妖精さんの可愛さも持つ、ルーデル妖精さんと、僚機妖精さんが降りてくる。
それぞれは、整備を始める。妖精さんは整備士も兼ねているのだ。
「おかえり。
「助かる」
翼の言葉に、軽く謝意を告げると、ルーデル妖精さんも整備に入る。
警備府も賑やかなら、基地航空隊も、妖精さんで賑やかになる。
たまに、他の艦娘の妖精さんもやってくる。
よくやってくるのは、加賀改二甲のSHー60K妖精さんだ。
服装は、翼同様の青色迷彩服である。これは、加賀の青のカラーもあっての服装だ。
「皆、加賀さんから、お菓子をもらってきたわ」
人間用のお菓子を、台車に載せて持ってくる。妖精さんも、甘いものが大好きなのだ。
今日は羊羹を持ってきた。
「羊羹かぁ……あともうちょいで塗り終わるから、お茶用意してて!」
翼は、最後の尾翼を赤く塗り終わると、足場から駆け下りてやってくる。
「あの赤色、赤城さんの赤みたいで、素敵です」
ロクマル妖精さんも親(?)に似て、赤城さん大好きっ娘である。
皆にお茶が行き渡ると、後からやってきたSHー60K僚機妖精さんも交えて、航空隊の大お茶会が始まる。
わいきゃいと話をしているが、話の主題は先日の大侵攻事件である。
「智紀は良い司令官になるね」
「先読みが上手く、適切な場所に艦娘を配置している。我等はフリーハンドで遊撃させる。いい戦術家だ」
翼が、羊羹とお茶を楽しみながら言うと、ルーデル妖精さんも同意する。
「しかし、あの継ぎ接ぎみたいな深海棲艦、何だったんだろうな?」
「結衣大佐が何か、隠してる気がする」
Fー2妖精さんが、ばくばくと羊羹を食べながら喋ると、隣のF-35A妖精さんが静かに語る。
その言葉を聞いて、SHー60K妖精さんが、
「一応、加賀さんのお耳に入れておきます」
そう言うのを見ると、翼も頷いて口を開く。
「まあ、結衣大佐が隠してるとしたら、知らなくても
優しい人だからね、と付け加える。
「我々は、やるべきことをやるだけだ」
ルーデル妖精さんも静かに頷いた。
塗装が、乾き終わる頃に、恵奈ちゃんがやってくる。
翼以外の隊長妖精さんは、恵奈ちゃんの元に向かっていく。
「Fー2妖精さんの塗装申請、許可下りたよ!」
「おー!一緒にやるか!?」
そう言うと、ガレージを開けて、Fー2を夕張の工廠に移動させる。
恵奈を見送ると、翼は愛機に搭乗する。
「それじゃあ、あたし達は定期哨戒飛行に行こう」
『はいっ!』
Pー1(翼隊)は、格納庫から滑走路へと、機体を移動させて順次発進していく。
再建が始まっている、
「各機散開。異常を発見次第報告せよ」
『はいっ!』
各機四方に飛翔していき、翼は南方の哨戒を担当する。
先日の大騒ぎに反して、今日の海は静かだ。
「今日は特に異常なしっ!各機帰還するよ!」
『はいっ!』
翼はUターンすると、夕暮れの陽に照らされる、名古屋の街を一望する。
大きなビルもこの二年で立ち並び、名古屋復興の象徴である、『
話に聞くと、名古屋大学も漸く再建し、名古屋大学医学部附属病院がこの度、
広島から、
「名古屋も、漸く再建が進んできたなぁ……」
そう呟いてると、僚機が集まって来た。
そのままタッチダウンを行い、機体を格納庫に移動させると整備に入る。
格納庫のFー2は、真っ黒に塗装されている。『ブラックゼロ』という愛称を、恵奈から付けられて大喜びのFー2隊長妖精さんとFー2僚機妖精さんズ。
自分の整備を終えると、他の妖精さん達が、お茶会を開いているのを尻目に、
自身は、お屋敷の執務室で報告書を作成する。
結衣に、何をどれだけ消費したから補給して欲しい、その他の要望事項等をメールで送ったり、
司令官宛の哨戒報告を、メールで送ってから、お茶会に混ざる。
そして夜には、恵奈ちゃんと仲の良い隊長妖精さん達は、恵奈のところに行き、
他の妖精さん達は、官舎にぞろぞろと引き上げて眠るのだ。
翼も、執務室で私服に着替えてから、お風呂に入って、寝室で眠りにつく。
恵奈ちゃんコレクションの、可愛いものに囲まれながら、きっといい夢を見るだろう。
そして次の朝も、同じように皆で楽しくお仕事だ。
妖精達は死なないけど、
艦娘と、人間の想いが詰まった、この
そのおかげで、きっと明日もいい艦娘日和だろう。
Tips《翼の大豪邸》
3階建てのアメリカドールハウスベースの大豪邸。
普通に数万円します。
それを「実際使えるように」夕張が改造しました。
3LDKで執務室と書斎とベッドルームがあります。
お風呂は広い檜風呂、書斎は和室、それ以外は純洋風豪邸です。
恵奈ちゃんが覗けるように開閉式になっています。
(中からロックもかけれるので翼のプライバシーも配慮されてます)