こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 色々あって如月を送っていくことになった。



 それではどうぞ!


第58話 従兄妹

side優也

 

 俺は携帯を見ながら如月が出てくるのを待っていた。

 

 多分今俺は他人から見たらパーカーでフードを被ってる変質者だろう。

 

 だが俺は如月を待っているだけだから別に気にしない。

 

「お待たせー」

 やっと如月が出てきた。

 

 着替えに何分かけてんだよ。

 

「待ったー?」

 

「ああ、待った」

 

「そこは待ってないって言うところだよ?」

 

 え?何今の俺が悪いの?

 と言うか如月とはそんな関係じゃないし

 

「何彼女みたいな事言ってんだ?俺はお前に告ったり告られたりした記憶はねーぞ」

 呆れながら言う。

 

「え!?私とは遊びの関係だったの?ショック~…シクシク」

 シクシクって言う人初めて見た。

 

 と言うか遊びの関係ってなんだよ。俺はお前とそういう事をした記憶はないぞ。

 

「じゃあ歩きながらでいいから何があったか教えてくれる?」

 

「ああ」

 

 俺は話し始めた。

 

 そして父さんが事故で亡くなった事も伝えた。

 

「そうかー。ゆーや君は辛かったんだね。よしよし」

 と頭を撫でてくる。

 

 なんかこいつに頭を撫でられんのは屈辱的なんだが!?

 

「それでゆーや君はどうしたいの?」

 

「どうって」

 

「このままじゃ…ダメだって分かってるんじゃー無いかな?」

 ああ、分かっている。

 このまま自分の殻に引きこもっていたらダメだって

 

 でも、怖いんだ。また他の誰かが事故で死ぬのは

 

「なぁ、俺は弱虫だ」

 

「知ってる」

 

「俺は世話してくれる人が居ないと自堕落な生活を送るロクでなしだ」

 

「知ってる」

 

「そんな俺でも未来を見て歩んでも良いのかな?」

 

「良いんじゃないかな〜?」

 いつもの調子でニカっと笑う如月

 

 こいつのお陰で元気が着いてきたかもな。

 

「ありがとな如gグボワッ」

 急な後ろからの衝撃により俺の体は地面に沈んで顔面を強打する。

 

「痛い…」

 そして漸く俺は抱きつかれていることに気がついた。

 

 何?通り抱きつき魔?

 

「お兄ちゃんだ!」

 うん。間違いない。俺が最も危惧(きぐ)している状況になったわけだ。

 

 その時前方からパシャっとシャッター音が聞こえてきた。

 

「何取ってるんだ如月」

 

「ん〜?幼い女の子にお兄ちゃんと呼ばせて興奮してる性犯罪者の姿を収めておこうかと思って」

 

「何言ってんだよ。さっき会った子だろうが」

 

 そんな簡単に性犯罪者に仕立てあげられてちゃたまったもんではない。

 

「よく見てみれば…そうか従妹さんか〜」

 よろしくねと握手を求める如月だったが拒否されたのか、ガーンと言う効果音が似合いそうな顔になっていた。

 

「お兄ちゃんはボクだけのお兄ちゃんです。誰にも渡しません。お兄ちゃんと結婚するのもボクです」

 可愛いやつなんだが、独占欲が強すぎんのが偶に傷だよな。

 そのせいでよく七海と喧嘩してたっけ?

 

「と言うか萌未、そろそろ離れてくれ。重い」

 

「ボクの重みは全部お兄ちゃんへの思いなんです」

 

「どっちでもいいから早く離れろ」

 そう言うと渋々背中の人物は俺の上から離れてくれた。

 

「お兄ちゃんお久しぶりです!」

 と俺の前で見事な敬礼を見せてくれる。

 

 しかし当たりが真っ暗であるからしてよく見えないのが事実である。

 

「如月。紹介するよ。こいつが俺の従妹、萌未(めぐみ)だ。俗に言うボクっ娘って奴だ」

 

「ボクはお兄ちゃん以外に女として、性的対象者として見られないようにボクって言ってるんです」

 

「その言い方だとゆーや君には性的対象者として見られても良いように聞こえるんだけど?」

 

 すると堂々と胸を貼ってこう言い放ちやがった。

 

「ボクの体は全てお兄ちゃんに捧げる覚悟です!つまりはそういう事です。さぁお兄ちゃん。今すぐボクの部屋に行って人前では言えないことを!アウっ」

 俺は萌未の頭をチョップして言葉を言い切る前に止めさせた。

 

 こいつしばらく見ない間に変態度がアップしてる気がする。

 

 それで俺が本当にケダモノになったらどうするつもりなんだか…こいつの事だから喜びそうだから言わないが

 

「お兄ちゃんは冷たいです!もっと妹には優しくしてもいいと思うんです!」

 

「誰が妹だ。お前は従妹だ」

 

 そしてまたチョップするとまた「アウっ」と言った。

 

「そんで萌未。こいつが俺のば」

「お兄ちゃんの彼女さんですか」

 食い気味に言ってきやがった。

 

 ちょっと萌未さん?なんでそんなゴミを見るような表情でこちらを見てきてるんですかね?

 

「違う!この人はば」

「そうなんだよ萌未ちゃん。私とゆーや君は付き合ってるのだよ。よく気がついたね」

 

「はい。すぐ分かります。それにしてもお兄ちゃんは酷いです。ボクと言う女が居ながら」

 ダメだこいつら…ツッコミが追いつかない。

 

 このままじゃ父さんに逢いに行く事になってしまう。

 

「とりあえず、酒田さんはどうした?今日は一緒じゃないのか?」

 

否定はしないんですね。ボクが走ってきただけなのでお父さんはもうすぐで来ると思いますよ」

 

 そうか…とりあえずあと数分耐えればこの地獄から逃れられるのか。

 

「もうすぐで来るのか…そうかそうか」

 

「やけに嬉しそうですねお兄ちゃん。もしかしてボクと一緒に居たくないんですか?」

 全くその通りと言いたかったが言ったらまた面倒くさいことになるのは目に見えているため答えに困っていた。

 

 如月の奴…面白がってやがるな。

 

「お兄ちゃん!答えてください!」

 声を張り上げてきた。

 

 その姿はまるで浮気を問い詰める奥さんみたいだった。

 

「そんなわけないじゃないか。俺は萌未の事が…従妹として好きだぞ?」

 あのままただただ好きだと言ったら面倒くさくなるような気がして直前で踏みとどまって従妹としてを付け加えた。

 

「そうですか!それなら今から式場探しに行きましょう!晴れて私達は相思相愛になれたのですから!」

 

「いや、相思相愛ではなく従兄妹愛なんだが?」

 

「…図りましたねお兄ちゃん!今日こそボクは怒りましたよ!「あ、ボクに戻った」お兄ちゃんをお持ち帰りする事に決めました!」

 と言うかなんでこんなに俺にこいつは固執してしてるんだ?

 

「止めなさい」

 と俺の手を握ろうとした萌未の手が第三者によって離される。

 

「すまない。いつもうちの萌未が…」

 その人物は酒田さんだった。

 

 酒田さんのフルネームは絆成 酒田(さかた)。この萌未の父であり、父さんの兄である。

 

「いえいえ」

 

「今度うちに来てくれ。お詫びを兼ねて今度何かご馳走するよ」

 

「ははは、考えておきます」

 俺の考えておきますは大抵NOの返事になる。

 

 まぁ行けたら行くみたいな感じだ。

 

 何故断るかと言うと萌未にまた絡まれるからである。

 

「それじゃあね。優也君」

 

「さようなら!お兄ちゃん」

 そして嵐の様な家族は帰って行った。

 

「ありがとねゆーや君。私もここで良いよ」

 

「ああ、わかった。じゃーな」

 そして返事を聞かずに俺は帰った。




 はい!第58話終了

 今回は萌未とその父、酒田が出てきました。

 それでは!

 さようなら

優也のヒロインで一番好きなヒロインは?

  • 柴野結羽
  • 星野光
  • 如月咲桜
  • 神乃露木
  • 絆成萌未

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