ハイスクールD×D 駒王町の三ノ輪銀   作:玄武の使者

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第8話 「戦闘終了後」

~廃教会 礼拝堂~

 

「そっか……完全にアタシの失態だったな。」

 

『すみません。私も高天原に居たので気づくことができませんでした。』

 

「それで、その堕天使はどうなったんだ?」

 

『後から駆け付けたリアス・グレモリーによって消滅しました。』

 

戦闘の後処理を終えた銀に告げられたのは、街中で起きた出来事。

 

当初、レイナーレの密告では駒王町に居る堕天使は2人だった。

しかし、銀が拠点潰しをしている間に増援の中級堕天使――ドーナシークが駒王町に侵入し、アーシアたちに襲い掛かった。

レイナーレは無茶なレベルアップの反動で昏睡状態だったため、対処することができず、結局は土壇場で神滅具(ロンギヌス)を覚醒させた兵藤 一誠が彼を撃退した。

 

「アーシアはどうなった?」

 

アーシアはドーナシークの攻撃から一誠を庇い、命を落とした。

彼女の死が引き金となって、一誠の神滅具(ロンギヌス)が覚醒したのだ。

 

『彼女は悪魔に転生しました。レイナーレさんもこのまま町に留まるそうです。』

 

「そっか。はぁ、まさか悪魔の駒(イーヴィル・ピース)に尻拭いされることになるなんてな。」

 

ひなたの報告に銀は微妙な表情を浮かべる。

 

上級悪魔に支給されるアイテム、『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』。

チェスの駒を模したソレは悪魔以外の種族を悪魔に転生させることができる。また、死後間もない者も転生させることができるので、疑似的な死者蘇生が可能だ。

しかし、銀やひなたにとっては空狐族の悲劇を生みだした原因なので、それに尻拭いされた事実は素直に喜びずらい。

 

「どうする? レイナーレやアーシアを通じて、アタシたちの拠点がバレる可能性もあるぞ?」

 

『その点は大丈夫です。彼女たちには呪いを掛けておきましたから。』

 

「おいおい、物騒なことするなよ。」

 

『危険な呪いは掛けてませんよ。私たちに繋がる情報を口にすることができないだけの呪いです。』

 

「まあ、その程度なら……」

 

ひなたは親しい者が危険に晒される要因は容赦なく排除する。

彼女は前世において1つの組織の上役を務めていた経験からか、今回のように口封じとして呪いを行使することも躊躇わない。そのため、銀と意見が対立することもあった。

ちなみに、ひなたは呪いの類を使えないので実際に呪いを掛けているのは神社に住む空狐族の1人である。

 

閑話休題

 

 

 

『あっ、もう1つ報告することがありました。今代の〈赤龍帝〉は兵藤 一誠で間違いないみたいです。紋章も確認しました。』

 

「―――ってことは、今代の〈赤龍帝〉は悪魔側か。いつの間にか、悪魔に転生してたし。」

 

『そうですね。その辺りも報告しておきます。銀ちゃんは先に戻っててください。』

 

「オッケー。報告の方は任せた。」

 

『任されました。』

 

「話は終わったのか?」

 

「はい、お待たせしました。すみません、お2人に手伝ってもらって。」

 

「気にしないで。それに、ほとんど銀ちゃんが倒しちゃったから、手伝った感覚がないよ。」

 

「あっ、そうだ!! 銀が使ってたあの不思議な術はなんだ? あれも新しい勇者システムの力なのか!?」

 

「あれは【霊術】っていう空狐族に伝わる秘術ッス。」

 

聞きなれない単語に首を傾げる珠子と杏。

すると、3人の頭の中に若い女性のような声が響き渡る。

 

『私が説明してあげましょう!!』

 

「うおっ!? 誰だ!?」「これって思念通話……?」

 

『私は〈海龍帝〉リヴァイアサン。銀の相棒よ。』

 

話しかけて来たのは、銀の肉体に宿るリヴァイアサンだった

 

通常、リヴァイアサンの声は肉体を共有している銀にしか聞こえない。

しかし、思念通話という術を使えば、他の人にも話しかけることができる。

 

『【霊術】は昔、私が発明した術でね。霊力で悪魔が使う魔力を再現した術よ。身体の何処かに刻み込んだ紋章と言霊、イメージを使って様々な現象を起こすことができるわ。』

 

「ちなみに、アタシは背中に紋章を刻んでる。ひなたは太ももだな。」

 

なお、刻まれた紋章は霊術を行使する時にのみ現れるだけで普段は見えない。

紋章は開発者であるリヴァイアサンだけが刻む方法を知っており、紋章は本人の特性によって形が変化する特徴が存在する。

 

『魔法使いが使う魔法と違って、霊術は知識とか必要ないの。必要なのは、霊力と紋章、想像力だけ。まあ、個人の特性も関わってくるけど』

 

この世界には、悪魔が使う力(魔力)と神がもたらす奇跡を解析して、人間に扱えるようにした技術として“魔法”が存在する。

しかし、魔法の使用には術式を扱う知識、頭の回転と計算力が要求される上に未解明な現象を再現することはできない欠点がある。その点、リヴァイアサンが作り上げた【霊術】は必要な要素を整えれば簡単に使うことができる。

 

但し、霊術は使う人によって起こしやすい現象の差があり、リヴァイアサンはこの個人差を“霊術特性”と呼称している。

例えば、銀の霊術特性は【放射】であり、霊力を電気に変えて放出したり、炎に変えて放出することを得意とするなど確認されている霊力特性の中で一番汎用性が高い。

 

閑話休題

 

 

『以上、説明終わり!! 何か質問はある?』

 

「あの……銀ちゃんの左目って、神器(セイクリッド・ギア)なんですか?」

 

『ハズレ。一般的には、〈海龍帝〉リヴァイアサンは聖書の神に討伐されたことになってるけど、事実はちょっと違う。』

 

「違う?」

 

『聖書の神が討伐したのは私の抜け殻。討伐される前に私は魂を自分の左目に移して、当時の空狐族の族長に託したの。だから、厳密には討伐されてないのよ。』

 

「その目が今のアタシの左目です。」

 

そう言って、銀は自分の左目を指さす。

 

普段は両目とも同じだが、リヴァイアサンの力を使うと左目は金色になり、瞳孔も縦長になる。さらには、〈海龍帝〉の紋様も浮かび上がる。

リヴァイアサンの瞳は代々空狐族の族長が引き継いでいく形になっており、彼女が【霊術】を開発したのも何代目かの族長の要望に応えた結果だったりする。

 

「ただ、討伐されてないって言ってもリヴァイアサンは全盛期の力は出せないそうです。」

 

『能力は持って来たけど、力の源までは持って来れなかったからね。全盛期の半分以下も出せないわ。』

 

「アタシからすれば、今のままでも十分だけどな。」

 

『私は不満だわ。まあ、銀のおかげで全盛期の力を振るう目途が立ったけど。』

 

「ああ、冗談半分で提案したアレか。確か、術自体は完成してるんだったか?」

 

『ええ。あとはエネルギーだけね。それも目途が立ったから、あとは時間だけね。』

 

「な、何かとんでもないことを聞いちゃってる気がする……」

 

「なぁ~、難しい話はそれくらいにして神社に戻らないか? タマお腹が減ったぞ」

 

『オヤツにはちょうど良い時間ね』

 

「あっ、それならこの近くに美味しいうどん屋さんがあるんです。一緒に行きませんか?

 手伝ってくれたお礼にごちそうします!!」

 

「それは良いことを聞いた。杏、行くぞ。」

 

「うん。それじゃあ、銀ちゃん、案内してくれる?」

 

「はい!! こっちです」

 

元勇者の肩書を持つ3人は、最年少勇者の案内の下、好物のうどんを食べに向かうのだった。

 

 




今回はちょっと短めです。

これでも増量した方なんですが、良い展開が思い浮かばなかったので妥協。本来だったら、1章最終話と番外編の2つに分けるつもりだったのですが、片方だけだとあまりにも文章が短いので合併した経緯があります。

ゆゆゆは新日常系アニメだから、もう少し日常風景とかも入れて行きたいけど、そのネタが思い浮かばない……
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