神様転生…○○主!?   作:七級フラグ建築士

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出会い、ありました。

「ドラゴン波!」

「UGAAAAAAAAA!!!」

 

 

どうも、イッセーです。

あれから毎日、はぐれ悪魔相手に戦闘訓練をして、今ではすっかり慣れてきました。

 

……いや、はぐれ悪魔多すぎだろぉぉぉぉ!

 

毎日って一日や二日の話じゃないぜ!

なんで毎日毎日新しいはぐれ悪魔が湧いてくるんだよ!?

俺の町どうなってんの!?

むしろ今までよく悪魔の存在に気付かなかったな俺!

 

でも、戦闘自体は問題ないぜ!

マキナさんから貰った力があるし、ドライグさんも『神器(セイクリッド・ギア)』とか言うやつらしくて、その中でも『神滅具(ロンギヌス)』の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』というレア物らしい。

説明が複雑過ぎて半分以上分かんなかったけどな!

なんでも、ドライグさんには一定時間毎に俺の力を倍にしていく能力があるらしい。強いな!

そういうわけで、順調にはぐれ悪魔退治はできてるんだけど……たまにはゆっくり寝たいぜ!

 

今までの俺は夜更かしはする方だったが、深夜の一時まで起きていたら奇跡といえるくらいだったんだ。

それが、深夜の二時三時に起こされて悪魔と戦う毎日だ。嫌にもなってくるだろう。

どういうわけか疲れが溜まったり眠気が出たりしないのが救いだけど、やっぱりぐっすり寝たい気持ちは抑えられない。

 

休めばいいじゃんって思うかもしれないが、それは無理だ。

はぐれ悪魔はほっといたら絶対に人を襲う。

それは今まで戦ってきて身に染みてる。

俺がサボって誰かが襲われたなんてなったら洒落にならない。

だから、はぐれ悪魔をドライグさんが見つける度に退治しに行くしかないんだ。辛い!

 

 

「はわう!」

 

 

ん?突然の声。

後方から聞こえる鈍い音と一緒に路面を何かが転げる音がする。

振り向くと、そこにはシスターさんが転がっていた。

手を広げて顔面から地面に突っ込んでる転び方は、ギャグマンガみたいでなんとも間抜けだ。

 

 

「……だ、だいじょうぶですか?」

「あうぅ。Why have a bad debt……」

 

 

げっ、英語……。

ロクに話せないんだけどどうしようか。

差し出した手を引っ込めるわけにもいかないし……。

 

 

「Oh,sorry……thank you so much.」

 

 

今のはちょっと分かったけど、待ってくれ!

 

 

『依り代よ、困っておるのか?』

 

 

バッ!ドライグさん、人前でしゃべったら不審がられるよ!?

 

 

『案ずるな、念話だ。「こいつ直接脳内に……!」というやつであるな。それよりも、依り代よ、英語が分からなくて困っておるのではないか?ん?ん?』

 

 

なんでちょっと期待してる風なんですか……。

ええ、困ってますよ。困りまくってますよ!

 

 

『ならば余が助けてやろう!万能過ぎて余は自分の才能がこわい。やはり時代は赤であるな!』

 

 

マジっすか!?なんとかなっちゃうんですか!?

ドライグさんさすがッス!

 

 

『そうであろう!そうであろう!それでは我が叡智を授けよう。なに、難しいことはない。ただ信じれば良い』

 

 

信じる……?

 

 

『貴様は余の依り代、つまりは半身である。ならば不可能など無い。心よりできると信じ、主張すれば実現できぬことなどない!余を信じよ!』

 

 

よく分かんねーけど、ドライグさんができるって言ってるんだからできるんだろう!やるぞ!

 

 

「俺は英語がペラペラだぁぁぁぁ!」

『えんぺらーぷりびれっじ!』

「ほわっ!急に叫んでどうされたのですか?」

 

 

うおー!シスターさんの言葉が分かるようになってる!

ドライグさんスゲー!

 

 

『ふふふ。存分に褒めるが良い!』

 

 

ドライグさんサイコーッス!

 

 

「あ、あの……どうしたんですか……?」

 

 

訝しげな表情でシスターさんが俺の顔を覗き込んでくる。

 

 

「あっ。ゴ、ゴメン。えっと……旅行?」

 

 

やっべ。結構な時間固まってたみたいだ。

ドライグさんと話してると楽しいからついつい話し込んじゃっていけないな。

なんとか絞り出した質問はわりと無難な着地だったのではないだろうか?

 

 

「いえ、違うんです。実はこの町の教会に今日赴任することになりまして……あなたもこの町の方なのですね。これからよろしくお願いします」

 

 

ペコリと頭を下げる彼女。

この町に赴任って、シスターさんにも人事異動とかあるのね。宗教も大変だね。

……あれ?でも、この町の教会ってずいぶん前に閉鎖されてなかったっけか?俺の記憶違いか?

 

 

「この町に来てから困っていたんです。その……私って、日本語うまくしゃべれないので……道に迷ったんですけど、言葉が通じなくて……」

 

 

英語をちゃんとしゃべれる人ってあんまいないからね。

俺だってドライグさんがいなけりゃどうしようもなかったし。

まあ、これも何かの縁だろうし、いっちょ人助けしますか!

 

 

「教会なら知ってるけど、案内しようか?」

「ほ、本当ですか!あ、ありがとうございますぅぅ!これも主のお導きのおかげですね!」

 

 

涙をためて俺に微笑むシスターさん。かわいいね!

思わず俺も笑顔になってしまう。

それにしても主って神様のことだっけ?

つまり、マキナさんの導き。うん。頼りないな!

まあ、こうして、俺は美少女シスターさんを引き連れて教会へって……。

 

 

「どうした?いかないのか?」

「ほえ……ひゃっ!い、いま行きましゅ……きゃあ!」

 

 

足をもつれさせてドシンと転ぶシスターさん。

また顔から行ってる……。

 

 

「だいじょうか?」

「うぅ、申し訳ありません。大丈夫ですぅ……」

 

 

よっぽど恥ずかしかったのか顔がリンゴみたいに真っ赤になっちゃってるし……。

武士の情けだ。気付いてない振りしてあげよう。

それと……

 

 

「……?」

「また転ぶと危ないから、手」

「はい!ありがとうございます!」

 

 

ふっ。夕麻ちゃんとのデートを経験し、マキナさんからメンタルの強さをもらい、ドライグさんと毎日顔を会わせている俺にとって手繋ぎくらいはどうということはない。ここは、年上の余裕を見せ――。

 

 

『くふふふふ~っ!顔が真っ赤ではないか依り代よ!照れておるのか?照れてるのであろう?本当に余の依り代は、ウブであるなあ。くふふふ!』

 

 

赤うぜぇ。

ドライグさんがここぞとばかりに煽ってくる。

悪気なく無邪気に楽しんでるのは分かるんだけど、それとこれとは別の話。

おかげでシスターさんと手を繋ぐ気恥ずかしさは紛れたけど、絶対に狙ってやったわけじゃないって確信できる。

 

 

「アーシア・アルジェント……名前です」

「俺は兵藤一誠。イッセーって呼んでくれ」

 

 

自然に返せたんじゃないだろうか!

これもドライグさんのおかげ……いや、今回ばかりは感謝したくないな。わりとマジで。

 

 

「うわぁぁぁぁん」

 

 

突然、子供の泣き声が聞こえてきた。

だけど、近くにお母さんっぽい人がいるし大丈夫だろう。大きなケガはないっぽいし。

しかし、俺の隣のアーシアが繋いでいた手を離してその子供のところへ近づいていった。

俺もその後を追う。

 

 

「大丈夫?男の子ならこのぐらいのケガで泣いてはダメですよ」

 

 

言葉は通じてないだろうけど、シスターさんの優しさに満ち溢れた表情を見て、泣いていた子供は泣き止んでいた。

アーシアがおもむろに自身の手のひらを子供が擦りむいた膝に当てる。

すると、淡い緑色の光が出てきて、子供の傷を治していった。

 

 

神器(セイクリッド・ギア)……?」

『ふむ……』

 

 

これも神器なのか。多種多様なんだな。

子供もお母さんもきょとんとしている。理解を越えた現象が目の前で起きたら誰でもそうなるよな。

 

 

「はい、傷はなくなりましたよ。もう大丈夫」

 

 

アーシアは子供の頭を一撫でしてから俺の方を向いた。

 

 

「すみません。つい」

 

 

そう言って、舌を出して小さく笑ったアーシアはとっても自然な表情をしていた。

 

 

「ありがとう!お姉ちゃん!」

 

 

後ろから子供の感謝の言葉が聞こえた。

 

 

「ありがとう、お姉ちゃん。だって」

 

 

俺が通訳するとアーシアはうれしそうに微笑んだ。

 

 

「……それ……」

「はい。治癒の力です。神様からいただいた素敵なものなんですよ」

 

 

微笑むアーシア。だけど、その笑顔は今までの笑顔と違って、どこか寂しげだった。

なんていうか、影のようなものが少し見えた気がする。

深く追及しちゃダメだな。

少なくても、「俺も神器(セイクリッド・ギア)もっててさー!」なんて告白して神器(セイクリッド・ギア)トークするような空気じゃない。

異質な力だし、アーシアも苦労してるんだろう。

俺も毎日深夜に駆り出されてるし。

会話はそこで一旦途切れ、手を再び繋ぎ直して教会の方へ足を向けた。

そこから数分進むと古ぼけた教会に到着した。

やっぱここ閉鎖されてない?

俺、違う場所に案内しちゃったか?

 

 

「あ、ここです!良かったぁ」

 

 

地図付きのメモと見比べてアーシアが安堵の息を吐く。

ここで正解だったのね。良かった良かった。

でも、ここの教会が営業してるってこと知ってる人はいるのだろうか?

俺が心配するようなことじゃないだろうけど、補修か掃除くらいはした方がいい気がする。

 

 

「じゃあ、行くか」

「はい!」

 

 

教会の中へ向かう俺たち。

地味に中の様子が気になってたんだ。

営業してるんだから、中はビックリするくらい綺麗なんだろうか?それとも、外の雰囲気と相応に古ぼけてるんだろうか?

 

 

「お邪魔しま――」

 

 

俺の言葉は途中で途切れた。

中にいた人に心底驚いたからだ。

俺の目は見開かれ、口は半開きのままうまく閉じる事ができない。

なかば無意識で口が動く。

 

 

「……夕麻、ちゃん……?」

「……イッセーくん……?」

 

 

確かに存在したはずの、だけど俺以外の記憶からも記録からも消えていた俺の彼女の天野夕麻がそこにいた。

彼女は俺と同じように顔に驚愕を張り付けながらも、確かに俺の名前を口にした。

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