須賀京太郎と彼女(仮)   作:みっくん

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原村和の場合
原村和の場合①


原村和は自分で認めるレベルの人見知りである。

そんな彼女だが、目の前で如何にも何かありましたって顔をしている人を見かけ素通りする程冷酷な人間ではない。

珍しく、本当に珍しく彼女から知り合いでもない人に声を掛けたのだ。

例えそれが苦手とする男性だとしても。

 

「あの、なにかありましたか?良ければ聞きますが……」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

授業終了を知らせる鐘が校内に鳴り響く。それを教室で聞いた俺は授業で使用した教科書やノートを仕舞い弁当箱を持って教室を飛び出す。

今日は彼女と一緒に飯を食べる約束をしていた。気持ちが行動にも表れてしまったのか少し早足になりながら屋上を目指す。

 

俺が通う清澄高校は昼休みの時のみ屋上が生徒たちに開放されている。屋上へと続く扉を開けると風に吹かれる。

 

「気持ちいい風だな」

 

思わず声に出してしまうほどに心地が良い風だった。季節はそろそろ夏になる。最近少しずつ温度が上がってきており授業中に下敷きなどを使って仰いでいる人を見る回数が増えてきた。

 

丁度いい日陰を見つけるとそこにブルーシートを敷く。俺一人なら直に座るのでも構わないが彼女 和もいるので必需品だ。

 

「京太郎君。お待たせしました」

 

ブルーシートに腰を下ろして少しすると和がやってきた。

 

「俺も来たところだよ。それよりも飯にしようぜ」

 

「はい」

 

俺の隣に和が腰を下ろす。二人とも弁当を開くと食前の挨拶をする。高校に入ってからは何か特別なことがない限りは彼女と一緒にお昼と食べている。

 

今日の弁当は唐揚げをメインとしたものだ。唐揚げは昨日の夕食で多めに作られた残りだったりする。他にはポテトサラダに大根と油揚げの煮物。基本的に俺の弁当は昨晩のおかずで構成されている。何もない場合は朝早く起きて作ることにしている。

 

和は食事中に喋る人間ではないので二人して黙々と食事を済ませる。

空になった弁当を風呂敷に包むと一息を吐く。

 

「今日は紅茶を入れてきました。まだ少し熱いので冷まして飲んでください」

 

「おっ、紅茶か。ありがとう」

 

魔法瓶から出てきた紅茶はまだ湯気が出るほどには温かい。最近熱くなってきたが紅茶は温かいほうが好みなので有難く頂戴する。

 

息を吹きかけ熱を冷ましていく。そんな俺の姿が面白かったのか和がクスクスと小さく笑っていた。

 

「何で笑うんだよ」

 

「いえ、京太郎君の見た目からすると可愛らしく見えたので」

 

「俺の見た目?……あー、何処から見ても不良っぽいもんなぁ」

 

「その金色の髪の毛、地毛ですもんね」

 

「そうだよ。なのに先生ときたらその髪染めてだろ、直してこいとか入学式の日に言いやがってさぁ」

 

金髪な上に筋トレなどの成果である筋肉、そこそこの身長のせいでよく不良と間違われる。勿論そこら辺のチンピラに腕っぷしで負けるような軟な鍛え方はしていないが。

 

楽しい時間というものは直ぐに終わってしまう。

屋上の壁に設置されている時計に目をやるとあと5分程で昼休みが終わるという頃だった。

 

「おっと、そろそろ終わりだな。教室に戻りますか」

 

「そうですね」

 

二人して荷物をまとめ屋上を後にする。

彼女とはクラスが違うので途中で分かれる。まぁ、放課後にはまた会えるのだが。

 

放課後となり掃除当番の仕事を早めに切り上げて部室へと向かう。

今日は部長が会議で出席できないから5人での活動となる。俺の入っている部活は麻雀部だ。

1年半ほど前から始めて、最近になって勝率が上がってきた。

 

「こんちわー」

 

挨拶をして部室へと入る。どうやら既に俺以外は揃っていたらしく全員が雀卓に座っていた。

 

「こんにちわ。京太郎君」

 

「おそいじぇー犬」

 

「掃除当番だったんだから仕方ないよ優希ちゃん」

 

「先に人数揃ったから始めとったわ」

 

手を止めずに挨拶を返してくれた。今は対局中なので俺は部室に設置されているPCを起動する。ネット麻雀をすることにした。

 

麻雀をする人間は大きく2種類に分けることが出来る。デジタル型かオカルト型の2種類だ。

デジタル型は場を見る能力や相手の上り牌をきっちり見き分けていく。オカルト型は感覚で動く。

オカルトとは簡単に言えば超能力だ。特定の牌を自分に集めたり未来を見たりとありえないことが出来る。

かくいう彼もオカルトに近い能力を持っている。彼のそれは直感とも呼ぶべきものが並の人間よりも鋭い。彼が麻雀をスポーツと同じように見ているからなのかもしれないが、彼は時々思い切った行動や完全に的外れの行動をとる。局地的に見れば不自然だが、結果的にみるとその動きが後々活かされるのだ。

しかし彼は師のせいかデジタル型を基本としている。彼のそのスタイルは同年代の者には少なくプロに近い。プロの事は別の機会に話そう。

 

ネット麻雀を1局終えると皆も終わっていたようで休憩をしているようだ。

 

「結果はどうじゃった京太郎?」 

 

副部長の染谷まこさんが声を掛けてきた。まこさんとは入学よりも前からの縁である。

彼女の実家は雀荘を営んでおり、そこにたまたま訪れた時からの縁なのだ。

 

「なんとか1位を守り切りましたよ」

 

「おお、流石じゃの」

 

彼女と喋りながら席の空いた雀卓の椅子に座る。どうやら優希が飲み物を買いに出て行ったようだ。

 

「和、一局しないか?」

 

「ええ構いませんよ。咲さんとまこさんは?」

 

「うん、私も大丈夫だよ」

 

「わしもじゃ」

 

彼女たちの了承を得ると意識を切り替える。

 

 

 

対局が終わった頃には日が暮れていた。流石に今日はもう終わりだと皆で片付けをする。

最期にカギをまこさんが閉めるとそこで解散だ。

 

「あっ、京太郎君。少しいいですか?」

 

「別に構わないが……どうした?」

 

「いえ、今日の対局を振り返って反省会をうちでしようかと思ったのですが。お時間大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だな。じゃあ、帰りは和の家寄っていくか」

 

「はい」

 

彼女の家にはすでに何回も訪れている。理由は全て麻雀関係だったりする。いや、休日遊びに行く時もあったから全てではないか。そう考えながら彼女と共に帰路に付く

 

 





実写じゃあ、京ちゃんの意思を紙が継いだようですね。

影が薄いってレベルじゃねえな京ちゃん。なのにCV福山という。
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