憧ちゃんは標準語なうえに同級生なので敬語も使わせずに書けるのでスラスラ書けます。
「ねーねー、穏ちゃん」
「ん?どうかしました玄さん」
阿知賀女子学院2年生の松実玄が同じく阿知賀女子学院の高鴨穏乃に話しかける。穏乃は今年入ったばかりの新入生だ。
「なんかさ、憧ちゃん。雰囲気変わったよね」
「???そうですか?憧は元気だと思いますけど」
「あ……うん。穏ちゃんはそういう子だもんね」
穏乃にこういう話は無理だ、と玄は肩を落とした。
玄から見て暫くぶりに会った新子憧という女子は恋をしている女子に見えたのだ。もっとも玄自身も恋をした事がないので確信には至らないが。
こうなったら本人に聞くのが一番だと玄は考えると憧に突撃した。
「ねーねー、憧ちゃん」
「どうしたの玄」
「憧ちゃん最近、何か良いことでもあった?」
「え?……あー、特にないですよ」
言葉を出すのに少し間があった。これはやはり何かあったなと黒の目が妖しく光る。
問い詰めようとした時、阿知賀麻雀部の顧問である赤土晴絵が部室に入ってきた。
どうやら今回は此処までだなと引き下がることにした。
「よーし、みんな揃ってるなー。今日も元気に麻雀するぞ」
その言葉を合図に部活動が始まった。
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どうやら清澄高校にも麻雀部はあるという事が分かった。そのことに喜んだ京太郎だが、詳しく調べると男子は入部していないようだ。入部しても良いが、流石に女子の集団に混ざることにこの前まで男だけの部活をしていた京太郎には勇気がいる事だった。
なので、今日も今日とて雀荘を巡ることに。
幸いなことに長野には雀荘がたくさんあるのであちこち回っている。
何処か一つの場所にとどまっても良いのだが、やはり経験が積みたいので毎回訪れる雀荘は変えている。
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雀荘で今日のノルマを終えると本屋へ足を向ける。
ふた月ほど前に憧に勧められた教本を読み終えたので、新しいの買いたいのだ。
馴染みの本屋に顔を出すと麻雀コーナーへ。そのまま新刊などを見渡しながら自分に合った本を探す。
「おっ、これは元プロの本か……しかも男性プロ」
今の男性プロはパッとしない人たちばかりだ。しかし、それでもシニアと呼ばれる世代のプロは違う。戦後にその腕を磨いた者たちばかりで強者ぞろいだ。
この本を書いた人物、南浦聡も確かその一人だった筈。
ネットで目にしたのだが、彼も同じ長野に住んでいるらしい。それだけなのに何処か親近感が湧き、本を手に取る。
レジで本を購入し帰路に付く。
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夕飯を食べ風呂から上がり部屋に戻ったところ、携帯が光っているのが見えた。
「こんな時間だし……憧か?」
そう思い携帯を開く。
どうやら合っていたようだ。5分ほど前に憧から着信があったと履歴に残っている。
5分程ならかけなおしても大丈夫だろう。そう思いアドレスからかけなおす。
「もしもし憧?」
「あっ、京太郎」
「すまんな風呂に入ってた」
「ううん。大丈夫」
「それでどうした?」
「今から麻雀しない?いつもの部屋で」
「ああ、それならオッケーだ」
パソコンを立ち上げ、普段やるネトマを起動する。
憧が立ち上げた部屋へ入ると人が揃うのを待ちながら会話する。
「憧から勧められた教本あったじゃん?あれ今日読み終えたよ」
「どうだった?」
「結構ためになったわ。ネトマばかりやってたからさ、実際に相手の顔を見ながらやるのなんて初めてで、本に書いてあることが随分分かったわ」
「なら良かった。あれ結構わかりやすくて良いのよね」
「それで読み終わったからさ、南浦元プロって人の本買ってみたわ」
「南浦ってあの南浦聡?」
「誰か知らんけど、長野に住んでいるらしい南浦さん」
憧から聞くと南浦プロは攻めよりも守ることの方が得意なプロだったらしい。
堅実な守りで相手に点を取らせず、自分は合間を縫って点を稼ぐそんなプロのようだ。自分も守り主体であるので自分に合ったプロの本を買うことが出来たようだ。
そんな風に話していると部屋に人が揃ったようだ。
「今日こそ点差つけて勝ってやる」
「まだまだ京太郎には負けられないわ」
お気に入りがもうすぐで50を迎えそうです。
皆さんのおかげです。正直これだけの人に見られるとは思ってませんでした。
次書くの誰にしようかな。