プロ勢の中で一番咏ちゃんが好きです。
でも、シノハユ時代のはやりんも好きです
三尋木咏の場合①
三尋木咏は年下の少年に恋をしている。
それも一つや二つ下の男性ではなく、高校生の少年にだ。
少年、須賀京太郎との出会いは簡単だ。彼の母は三尋木家の人間なのだ。彼との関係は叔母と甥であり、師匠と弟子である。
三尋木咏はプロの麻雀師である。それは日本代表を務めるほどの実力者である。
故に彼とは師弟関係だったりする。最も京太郎はそのことを知っている人間以外には彼女の弟子であることを一切明かさないが。
今日は京太郎と会う日だ。名目上は麻雀の練習に付き合うとなっている。彼と会うのは1か月ぶりだ。ここ最近、試合が忙しく中々連絡を取ることが出来なかった。
「にゅふふふ。久々に京に会えるねー。知らんけど」
嬉しさのあまり口癖が出てしまう。それほどまでに彼女は喜んでいた。
ウキウキしながら車で彼の家へと向かう。彼は現在、東京に一人暮らしをしている。たしか、白糸台高校に入学したはずだ。前に1年だけスタメン入りだと喜んだ声で報告された覚えがある。
彼の事を考えていると彼の住んでいるアパート近くに付いた。近くの駐車場に車を停めて徒歩で向かう。来客のベルを鳴らすと彼が出てきた。
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今日は咏姉が来る日だ。部屋が散らかっているわけではないが、掃除機をかけておく。あとあの人は紅茶やコーヒーいった飲み物よりも緑茶やほうじ茶などの方を好むので茶葉を急須に入れ何時でも蒸せる準備をしておく。
一人暮らしする際に持ってきた、手積み雀卓を用意して待つ準備の完成だ。この雀卓は中学校入学祝に咏姉がプレゼントしてくれたものだ。それ以来咏姉との練習の際、この雀卓で行っている。結構な頻度で使用しているからか、所々色が剥げている部分があるが、味があるというものだろう。
自分の在籍する白糸台高校は男女ともに麻雀で有名だ。どちらも毎年全国出場するレベルの実力を誇っているうえに今は女子の方に個人2連覇という偉業をなしている宮永照が所属していることも有名な理由の一つだ。
ピンポーンピンポーンとベルが2度鳴る。この2度鳴らしのベルは咏姉が来たという合図だ。
玄関へ向かい、ドアを開ける。開けた瞬間、着物を着た小柄な女性に抱き着かれた。
「久しぶりだなー、京」
「うん、久しぶり咏姉」
この小柄な女性こそ咏姉である。正直咏姉は年齢詐称しているのではないかと思ってしまうほどに若く見えてしまう。具体的には警察に子ども扱いされるぐらいには。
「おっ、準備できてるじゃん。やるか?」
「お願いします」
部屋の中を準備された卓を発見し、俺に言ってくる。彼女との練習は学校での練習よりも密度が濃い。勿論、腕の差があるのだから当たり前なのだが、言葉では言い表せない何かの違いがある。
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咏姉が持ってきたお茶菓子をお茶うけにお茶をすする。
我ながら美味く入れれたな。
「京、また腕を上げたな」
「そりゃあ勿論。咏姉に喜んでもらうためさ」
「っ……相変わらず恥ずかしげもなく言えるねぇ」
俺の言葉に顔を少し赤くしながらわき腹を肘で小突いてくる。こうして見ると、確かに俺より年上の女性だと改めて思う。
「あっ、京」
「うん?どうした?」
「今日泊っても良い?」
「え……あ、いや大丈夫だけど」
「んー?その反応は何だい?恥ずかしい?」
「そ、そんなことないし」
俺をからかうような声で弄ってくる。いや、確かに俺らは姉と弟のような関係だが、一応女性と男性なのだ。一応思春期な男の子なんだがなぁ……
「大丈夫なら泊まらせてもらおうかねぇ。よかったよかった。一応泊り道具車に積んできたんだよねぇ」
「用意周到じゃねえか。俺が許可しなくても勝手に泊ってただろ」
じゃあ一度車に戻って取ってくると言って彼女は部屋を出かけた。