私と死神   作:駿駕

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あらすじ
魔女の結界内で出会ったれんとキリカ。
キリカの本性を知ったれんと梨花は本屋からの帰り道、キリカの魔法攻撃に襲われる。
しかし、れんと梨花はコンビネーションによってなんとかキリカから逃げることができた。


八雲 みたま

「いらっしゃい。今日は一人なの?」

 

学校が少し早く終わって時間があるから私はとある場所に来ていた。

「えっと、・・・その・・・あの」

八雲 みたまさんがやっているソウルジェムの調整屋さん。みたまさんならキリカさんのことも知ってるはず・・・。

「?・・・えっと、五十鈴さん?」

「聞きたい、ことがぁ・・・あって・・・その」

久しぶりに会ったのもあってか、言葉が出ない。

「何々?調整?それとも、魔法少女のこと?」

「キリカさんの・・・こと、なんです・・・けど、はい」

「うーん、黒い魔法少女のことね・・・。私もあまり情報は聞かないわ。キュウべぇもたまに会うらしいけど、目的とかは教えてくれないみたいだし・・・」

「そう・・・ですか・・・ごめんなさい」

「えぇ・・・別に謝らなくていいのよ、むしろなんで」

「えっと、その、あ、ありがとう・・・ございます。」

私はその場にいられなくなってここから出ていった。

梨花さんがいたらもう少しみたまさんと、コミュニケーションが取れたのかな・・・。

 

 

「五十鈴さん、大丈夫かな?」

私は五十鈴さんの帰りを見送った(といっても出ていったに近いけど)後、私は椅子に座って色々と考えた。

確かにここ最近、見滝原の魔法少女がここに来る度に、黒い魔法少女のことを話しているけど、まさかこっちにその魔法少女が来ているのかしら。

私が悩んでいると、扉につけたペットが中に入れる扉を開けてキュウべぇが入ってきた。

「キュウべぇ、キリカさんのこと、何か知ってる?」

「一つだけ気になることがあるけど、とても現実味のない話だね」

「現実味がなくても知りたい・・・って言ったら?」

「呉 キリカ。彼女はこれまで一人でいたんだ。他の魔法少女の行動せず、一人で魔女を狩っていた。でも、ここ最近、彼女を動かす何者かがいると噂されているんだ。彼女の性格的に、誰かの命令を受けるようなことはないと思う」

「キュウべぇ・・・それは本当の話?」

「あくまでも噂だからね。根拠はないし、彼女自身が話しているわけじゃないから、噂というよりは嘘という方が近いと思うよ」

 

「嘘じゃないよ、本当の話」

 

そう言い、扉を開けて誰かが入ってきた。

黒い髪と黒い眼帯。黒い制服と赤黒い大きな爪はまさしく黒い魔法少女だった。

「呉、キリカ・・・あなたからここに来るとはね」

「今さっきまで、死神ちゃんが来てたよね?織莉子に言われて死神ちゃんを追ってたんだ」

「織莉子!?彼女は確か、ここ最近行方不明の魔法少女じゃないか!」

「知ってるの!?キュウべぇ」

「見滝原の魔法少女の一人だよ。確か話によると、すでに死んでいると・・・か・・・」

キュウべぇが言い終わる前に、キリカはその大きな爪でキュウべぇの背中を掻っ切った。

「それ以上話すな、白いの」

「ッ!」

 

「さぁ、次はお前の番だ・・・」

 

 

私は調整屋さんから帰る途中にいつも通らない公園に来ていた。

魔女の反応があったからだ。

「こっちかな・・・?」

公園の石畳の道を歩き、噴水のある広い空間に出たとき、そこがすでに結界だということを私は理解した。

中心にある噴水から噴き出す水はシャボン玉のような球体になり、私の方に飛んで来る。

私はすぐに魔法少女になって、飛んで来たシャボン玉を魔法で破裂させるが、その奥から飛んで来たシャボン玉が私を包み込んだ。

「きゃぁっ!・・・(息ができない!)」

シャボン玉は私を包み込むと、少しずつ上に上がっていく。

「ばべば(誰か・・・)・・・!」

息が続かなくなり、諦めた・・・そのときだった。

 

「ドーーーンッ!」

 

上から飛んで来た何か、「大きなもの」に叩きつけられ、私は助かった。

それはその大きさもあってか痛かったけど、息ができずに死ぬよりはマシだった。

「魔女じゃないのか!」

大きなハンマーを持つ魔法少女。

それは紫色の頭巾をした金髪の女の子だった。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・あなたは?」

「オレ?オレは深月 フェリシア。お前は?」

「五十鈴、れんです・・・えっと、助けてくれて、・・・ありがとう、ございます」

「れん!れん!よし、れん!あの魔女倒そう!」

「え?、え!・・・」

フェリシアは私の腕を引っ張って、無理矢理立たせる。

「いくよー、それ!」

その小柄な体から出た力とは思えない怪力で、私は噴水に向けて投げられる。

「えーーーーーッ!フェ、フェリシア、さん!?」

「いっけー!れん!」

私はこの勢いに身を任せて、杖を鎌へと変化させ噴水に攻撃した。

鎌の刃が硬いコンクリートで作られた噴水に通るわけないと思っていたが、噴水はまるで豆腐でも切るかのように切れてしまった。

「この、噴水が魔女?」

「やったーーー!やるな、れん!」

私は着地に失敗して背中から噴水の中に落ちる。

結界は崩れ、噴水は元あったであろう姿に戻っていた。

「えっと・・・ありがとう、ございました。フェリシアさんがい、いなかったら私・・・」

「オレは魔女だと勘違いしてれんを殴っただけなんだけど、まぁいいや!」

フェリシアさんは手を出す。

私は一度は驚いたが、フェリシアさんの手を握った。

「握手!よろしくな!」

「こちらこそ・・・よろしく、お願い・・・します!」

ぎゅっと絞められた私の手は、フェリシアさんの力で砕かれそうになる。

「痛い、です・・・」

「お、ごめん・・・で、れん~お腹減った~~」

「えっと、何か食べに・・・いきます?」

「飯ちょーだい、飯!」

「えっと・・・じゃあ、私の家、来ますか?」

「おお!行く!行く!」

「じゃあ、ちょっと待ってください、」

私は家に電話をかけ、友達が来ると伝えた。

ママはすぐに、「いいよ」と言ってくれた。

「おー!飯!飯!」

「いこ、フェリシアさん・・・。」

「さんはいいよ!フェリシアでさー」

「じゃあ、ふぇ、フェリシア・・・」

「うん!」

「・・・・・・さん」

「やっぱダメかー。」

フェリシアさんは道も知らないのに、まるで案内でもするかのように私の手を引っ張った。

 

「ただいま・・・。」

家に着くと、四人分のごはんが並んでいた。

「おかえりー、今日も遅かったけど・・・また友達?」

「うん。あ、あと友達の」

「深月 フェリシア!よろしく」

フェリシアさんは元気よく手をあげる。

「あら!元気なかわいい子。お人形さんみたい~」

「えへへ~。」

ママはフェリシアさんを見ると、フェリシアさんの髪がくしゃくしゃになるまで頭を撫でた。

「フェリシアさん、何か嫌いなものとかある?」

「オレ?オレはないよー」

「ふふふ、かわいい子。さぁ席に座って・・・の前に手は洗ってきた?」

私たちは手を見ると、すぐに洗面所に行って手を洗う。

フェリシアさんは水で手を流しただけですぐにリビングへと走っていく。

「ちゃんと洗ってきた?お手てにはたくさんバイ菌がいるのよ?」

「へへへ、洗ってきたぞー!」

「まぁ、偉いね~」

フェリシアさんが来て、静かだった食卓は一気に活気のある明るい食卓になった。

たくさん食べるフェリシアさんを見て笑顔になるママを見て、私も少し笑顔になった。

 

 

「いったい、何があったの・・・?」

黒い魔法少女に襲われたという噂が流れ、私は見滝原からここにやってきた。

元は八雲 みたまという一人の魔法少女がやっていたソウルジェムの調整屋だったが、今となっては廃墟当然の建物だった。

壁には深く抉られた傷と、血の跡があり、床には回収しきれていないキュウべぇの死体があった。

「黒い魔法少女。あなたは何を企んでいるの?」

呉 キリカ。彼女とは違う時間軸で既にあっているはずなのに、彼女の記憶が一つもない。

 

「おい、お前か?私のことを探し回ってる魔法少女ってのは」

 

聞いたことのある声に私は振り向いた。

そこに立っていたのは紛れもなく、呉 キリカ本人だった。

 

 

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