皇国の守護銃   作:キノコ飼育委員

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次はロマリア戦だと言ったな。



あれは嘘だ。

 う
 わ
 あ
 あ
 あ
 あ
 あ
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('ω')
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 あ
 あ
 あ
 あ
 あ
 あ
 あ
!!!


間章・竜騎士は考える
朱の竜騎士と相棒たち


天に浮かぶ国家『白の国(アルビオン)』。

 

シティオブサウスゴータから南西へ百五十リーグにある街道の傍らに、そこを見渡せる小高い丘がある。

 

そこには今、槍を担いだ一人の少年と、一匹の竜が佇んでいた。

 

視線の先は、朝靄の中、街道を緩やかに突き進む黒い波を捉えている。

 

見渡す限りの敵敵敵、その数なんと七万人。

 

騎兵弓兵竜騎兵。

銃兵槍兵魔導兵。

オークにトロールに……とにかくいろいろいっぱいだ。

耳には彼奴らの足音が、胸の奥にはその地響きが振動となって伝わってくる。

 

それらを見渡し、少年……サイトはぽつり。

 

「やれやれ、嫌になるな」

 

「はぁーあ」と溜め息しつつ、これからそれに戦争を仕掛けに突っ込むことを考える。

 

『ギャア?(じゃあずらかるか?コイツらの面倒は俺が見といてやろう)』

 

傍らの蒼い竜が吠えれば、槍の穂先に取り付けられた剣の柄がカチャカチャと鳴り、それが言葉となって語りかけてきた。

 

『相棒よぉ、腹くくれや。それか逃げろ。うだうだ言いながら戦うやつは死ぬぜ?』

 

「そうだなぁー。そういうもんだよなー……でもアレだろ?ガンダールヴってのは千人の軍隊を壊滅させたんだろ?ならそのほんの70倍切り倒せばいいだけだ。それに俺はクラスゼロだぜ?この程度の戦況、ひっくり返してやんよ」

 

どことなくぼんやりとしながら、サイトはデルフリンガーに応える。

 

だがそのデルフはというと、()切れが悪そうにカチャカチャ言った。

 

『あー、それなぁ。悪いんだが、デマなんだわ』

 

「マジかよ……言うなよ。じゃあクラスゼロの方も」

 

ちらっと傍らのドラゴン、ゼロセンを見れば、彼はニヤリと牙を剥いた。

 

『ギャ(喜べサイト、そっちは本当だ。俺はその時代の生き証人だからな)』

 

「ん、そうだったな。クラスゼロにも会ったのか?」

 

『ギャァオオン……(あぁ、俺がガキの頃、まだオリエンスが四つに分かれ、今より遥かに強大な力で争っていた時代だ……クラスゼロの奴らは、他国では『朱の魔神』と呼ばれ恐れられていた。その力はまさしく一騎当千、ひとりひとりが尋常でなく強かった。奴らこそが、誇張でなく戦況を傾けていた……まぁもうひとつ、白虎にもいたがな)』

 

「あぁ、あれだろ?帝国の魔導アーマーに匹敵する強さの……」

 

もはや用済みとなった歴史の授業、そこで習った内容を脳内で反芻してみれば、ゼロセンは一瞬キョトンと目を見開き、次いで低い唸りで笑い出した。

 

『グル?グ、グググルルルル……ギャオン(は?く、くくくはははは……馬鹿な、あんなもの、かつての白虎どもの猿真似以下だぞ?ようやく最近空を飛び始めた玩具に過ぎん)』

 

「マジで?ははっ、それ聞いてちょっと自信が持てたよ」

 

『あん?相棒、常日頃から「俺はクラスゼロだー」って自信満々だったじゃねえか』

 

「だってよぉ……魔導アーマーってすっげぇ脆いんだよ。雷撃一発即撃沈、ティナのワンオフを見習えってんだ。でそんな玩具と戦ってもてはやされてたってことは、イコールクラスゼロもプロパガンダってことだろ?」

 

彼らとどうでもいいことを喋るかたわら、その実まったくと言っていいほどサイトは迷いも恐れも感じていなかった。

 

むしろこれからの戦略を考えていた。

 

敵を『知り』、己を『知り』、地に足つけた理性で以て未来を描くとはピンクのご主人サマの言だ。

 

自分もそれに倣い、どのような手で、どこから攻め、どいつを殺し、どれだけ削れば、この波は止まるのかを思考する

 

敵の編成、部隊の特徴、指揮官の兜飾りから敵の行動予測を。

手持ちの武器、道具、使える魔法から最適な行動を。

剣を、槍を、弓を、銃を、魔法を、鎧を、数を、暴力を、時間を、全てを乗り越えるための工夫を。

 

七万対二、周囲一切は敵だ、ならば大威力の魔法をバラまくか?

攻めるなら正面か?側面か?それとも背後か?

敵の指揮官だけを狙って混乱を誘発するか?いや同士討ちを狙い駆け回るか?

どこまで削る?百か?千か?いっそ皆殺しか?

 

 

 

それを考える傍ら、さらに同時にもう一つのこともやっぱり考える。

 

「つーかそもそも、何でこんなことになったんだっけ?」

 

ゲルマニアのクソッタレどもが裏切ったから?

 

アルビオンの死にぞこないどもがこんな軍勢をまだ持ってたから?

 

いやいや、もっと前に原因がある気がする。

 

そもそもの原因は、あのご主人サマが虚無とかいうめんどくさいものに目覚めたことからだ。

 

サイトは記憶を遡る。

 

いかに効率よく敵を殺すかの算段を立てながら。

 

最期になるかもしれない、仲間との会話を楽しみながら。




つーわけで、しばらく原作組の話が入ります。
後のことも考えると今のうちに改変された原作組に愛着持ってもらわんと困るということで。
つまり、カルロは人知れず殺られます。

あ、宣伝を一つ。

零式オンリー二次創作、始めました。この作品のスピンオフ的なものになります。

あと修正、サイトくんのドラゴンであるゼロセンを「ヒリュウ」から「ダイクウリュウ」になります。
拳銃は正確には「カスタムティファニア」ではなく「カスタムティナ」です。間違ってました。
ティナはFF6のあの子ですね。たぶん帝国にはケフカがいるでしょう。
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