皇国の守護銃   作:キノコ飼育委員

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朱の竜騎士と行く空の旅

さて、現在サイトとルイズはゼロセンに乗り空の上にいた。

 

サイトは胡坐でほけーっと太陽を浴びており、ルイズは背中合わせになるように三角座りして本を読んでいた。本のタイトルは……『イチャイチャタクティクス』。

 

ゼロセンも暖かな風と日差しを受け、のんびりと飛んでいる。

非常に平和で、少しばかり退屈な道中。

 

ふと、サイトが思いついたようにルイズに尋ねた。

 

「なんでシエスタも連れてきたんだ?」

 

ルイズは顔を上げ、シャフ度でサイトの方を向いて答える。

その際彼女のポニーテールがサイトの頬をくすぐった。

 

「貴婦人ってのはね、どんなときでも最低一人は使用人を連れ歩くもの……まぁそういった見栄があるらしい。だからさ」

 

「らしいって……誰が言ったんだよ」

 

「下にいるエレオノール姉様さ。いつだかそう言ってた」

 

「ふーん……可哀想だな、シエスタ」

 

そっと、足元、ドラゴンに並走して走る二頭立ての立派な馬車、ブルームスタイルと呼ばれる豪華なソレを見た。ここからでは掌よりも小さく見える。

 

その中には、学院のメイドであり、サイトの友人でもあるシエスタが乗っている。

……ルイズの姉とともに。

 

「ソダネ。あのヒステリックなエレオノール姉様と一緒の馬車だなんて、どwうwwじょwうwするよwww」

 

途中から超邪悪な嗤いを抑えようともしなくなったルイズ。

 

いきなりどうしたんだと若干引き気味なサイト。

(振り落としてぇ……)とゼロセン。

空気のデルフは(この嬢ちゃん怖ぇ…)とガチャついている。

 

彼らがこんなところでのんびり飛んでいるのは、ひとえにルイズが「姉様ウザい!乗せろ!!」と言ったからに他ならない。

身代わりにシエスタを置いて、だ。

 

最初こそそれに淑女らしからぬ怒鳴り声をあげていた、ルイズの姉ことエレオノールだったが、途中からは諦めたのか何も言わなくなった。

 

 

そして、シエスタが地獄を見た。

 

 

二日後、彼らは小さな村についた。

 

「だいたいこの村からヴァリエール領だよ」

 

「ほー、のどかなとこだな。で、お前ん家はどこだ?」

 

「ここからさらに馬車で一日行ったところの城だ」

 

「うっは、この村じゃないのかよ。しかも城って」

 

「決まってるだろ、私は公爵の娘だよ?しかも言ってしまえば辺境伯の地位だ。広大な土地も城塞住まいも当然さ」

 

やはりのんびりと会話をする二人を尻目に、シエスタはゲッソリとやつれていた。

 

一日目は同じ馬車の中で修羅のようなオーラを醸し出していたエレオノールに怯え、かと思えば「学院でのあの子のこと、知ってることすべて話しなさい。使い魔のこともね」と尋問まがいの一日を過ごし。

二日目は朝からずっとルイズに関する愚痴や、自分の胸を睨みつけながら男に関することをぐちぐちぐちぐちぐちぐちぐちぐちぐちと言われ。

 

なんというか、生気のようなものをゴッソリ持っていかれた気がする。

 

と、見ればエレオノールが血相変えてこちらに来るではないか。

今度は一体何の用だろう、もう勘弁してほしいなぁ……と心の中でシエスタは泣いた。

 

「そこのメイドッ!逃げ……」

 

風切り音がした、と思えば、シエスタは身体が動かなくなった。

 

「ふへっ?」

 

シエスタは自分の体に巻きついた鞭を見て、鞭の先にいる、左手の輝いているサイトを見て、最後にもう一度エレオノールを見た。

 

その瞬間エレオノールが斜め下向きに吹っ飛んだ。

正確にはシエスタが鞭によって空高く巻き取られていった。

 

ぴょーんと跳んで行ったシエスタは、ゼロセンに乗ったままのサイトに抱き留められ気絶した。

 

その隣に座っていたルイズがエレオノールに大きく手を振る。

 

「では姉様(あねさま)、我々は先に行っておりますので」

 

「ちょ、待ちなさいルイズ!」

 

古今待てと言われて待つ人間はいない。

ルイズ一行はあっという間に空を飛び去っていった。

 

「置いてきてよかったのかよ?ありゃボムみたいに吹っ飛ぶぜ?」

 

「いい加減彼女の選民思想の詰まったセリフは飽き飽きでね。君も立ち振る舞いとか観察されてて苛立ってたろう?」

 

「なんか見てきてたのは気付いてたけど……なんでそんなことしてたんだ?」

 

「君は魔法が使えるからね、貴族なのか、それとも傭兵に身をやつした無頼漢かを見極めたかったんだろ」

 

「へぇ……で、俺はどっちかな?」

 

「無頼漢に決まってるだろ」

 

「そりゃそうだ」

 

まるでイタズラを成功させてひっそりと喜ぶ子供のように、二人は笑いあった。

 

「さてゼロセンくん、できる限り揺らさないように頼むよ」

 

『ギャ?(あんだって?)』

 

「『飛ばせとさ』」

 

『ギャ!(任せろぉ!!)』

 

「え、うわちょキャアアアアアア!!!?」

 

ゼロセンが広げていた翼を鋭角に折りたたみ、鋭く羽ばたいた。

瞬間、ルイズの身体にGが掛かり、後ろに吹っ飛びかける。

咄嗟に、いやむしろ必死にサイトにしがみつき、振り落とされないようにする。

 

「はっはー!いい風だなゼロセェン!!」

 

『ギャオォン!!(あぁ最高だ!飛ばすぜぇ!!)』

 

「っっっっっっっ!!」

 

テンション馬鹿上げで飛ばしまくる二人(ひとりと一匹?)と、ある程度叫び終えて後はもう口を閉じてしがみつくしかできなくなったルイズ。

未だぐるぐる巻きのシエスタは気絶して非常にリラックスした状態なので、うまいことゼロセンの背中に乗っかっている。

 

こうして、調子に乗ったゼロセンの活躍により、ルイズ一行は、日が沈み始めたあたりにヴァリエール公爵家の邸宅に到着――――したわけではない。

 

 

三十分ほど全力飛行し、ゼロセンが『そういや、どっちに行くんだ?』と聞いたことで、はたとサイトはどこへ行けばいいのかわからないことに気づいた。

 

そしてサイトは、涙目で「フーッ!フーッ!シバッ!!シババッ!!」と殴りかかってくるルイズを慰めるのに、思いのほか時間を使うことになる。

 

その後なんとか落ち着いたルイズは、

 

「……あっち」

 

としか喋らず、言われるがままに飛んだ先に大きな街を見つけたのは二時間後であった。

 

「んー、城は?」

 

「私の家はここからさらに遠いよ。ここは別の場所だ。まずここで用を済ませる」

 

若干ふてくされたまま、ルイズはぶっきらぼうに言ってのけた。




ふむ……(プロット確認)この章、意外と長くなるな…

まぁ先行投資と割り切ろう。

しかしあれですね。こうやって伏線を練って紡いで張ってしてると、自分が蜘蛛になった気がします。
気付かれないように透明な、しかし確実に影響する作者の糸。
これだから物書きはやめられない。

ちなみに空k……デルフは柄の部分を改造された状態で普通に鞘に納められてます。
で、戦闘時に柄の部分が伸びます。蒼龍兵の槍みたいに。

……今回ここに書くことないので世間話でも。

ピクシブのうごイラ、すごいですね!ピクシブの新たな時代ですよ!!私ももうテンション上がっちゃって!
ところで、零式の絵で皇国少なすぎぃ!あと腐り過ぎぃ!!

あとは……MAD議員とかの話でもします?興味ない?私もです。


いかんな、徹夜でテンションがおかしい。寝よう!
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