シティ・オブ・サウスゴータ。
空に浮く大陸国家『アルビオン』の大きな要所のひとつである。
そこから少し離れた場所に敷かれた警戒網を、一騎の竜騎士が巡回していた。
「ん?」
竜騎士はふと強い風を感じ、そちらを見た。
相変わらず憎らしいほど青く広い空。
しかしその先にあるロサイスからは確かに祖国に害を為そうと軍勢が迫りつつあるのだ。
竜騎士は憂鬱なため息を吐き、竜首を返した、瞬間。
再び強い風。
それは間違いなく、何か巨大な存在が羽ばたいたことによる風だ。
「―――――ッ!?」
あわててそちらを見れば、空気から滲み出るように竜の首が、こちらに煌々と光る大口を開けた竜の首が現れて―――――熱した鉄棒を水に放り込んだような音と共に、雷撃が竜騎士を飲み込んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
敵襲の知らせに、配備されていたアルビオン竜騎士団一個中隊八匹(本来は九匹だが哨戒の一匹が墜ちたので八匹)が飛び立ち迎撃に向かう。
襲撃地点に急行すれば、見たこともない姿の蒼い竜が一匹、悠々とこちらに向かって飛んでくる。
その姿はとても敵地を飛んでいるものとは思えない。
蒼い竜の背には、朱い服を着た竜騎士。
それを認識した彼らは、一斉に青ざめた。
「あれは……あの蒼い竜は!あの朱い竜騎士は!!」
「『クリムゾン』だ!!『クリムゾン』が出た!!」
『クリムゾン』、それは先の会戦で、アルビオン竜騎士隊の防空線を散々に食い荒らし、蹴散らし、ついには壊滅させた怪物につけられた名だ。
百騎以上からなる風竜の大編隊を蹴散らし、次いでとばかりにフネも数隻焼いた強力な竜。
その背に乗る竜騎士も並のメイジではなく、強力かつ未知なる魔法で竜の力を最大限以上引き出していた。
「た、隊長!!」
部下たちに動揺が走る中、隊長はギシリと歯を噛み締めた。
天下のアルビオン竜騎士団が、空の防人が、たった一騎の怪物にこうも浮き足立っている。
それは三十年に渡って竜とともに空を飛び続けた彼にとって、到底許すことのできないことだった。
ゆえに、彼は断固とした態度で迎撃を決定する。
「各騎散開!!ここでヤツを討つ!!」
一度命令が下されれば否やはない。
竜騎士八匹はそれぞれが距離を取り、三次元的な軌道を描いて『クリムゾン』に迫る。
「『マジックアロー』!」
竜の背から次々に魔法の矢を連発し、その怪物を撃墜せんとする。
壁のように放たれた一斉射はしかし、背に乗る朱い竜騎士の手が一瞬強烈な光を発すると、竜と竜騎士は銀色の膜につつまれ、魔法の矢を全て弾いた。
そして竜がお返しとばかりに口腔から雷撃のブレスを吐きかけてくる。
だが彼らも一筋縄ではいかない。
彼らは散開しながら放射線状に広がる雷撃を潜り抜ける。
あっという間にすれ違った。
すれ違った竜騎士たちは、素早く騎手を巡らせ反転し、相手を探す。
見れば『クリムゾン』も反転し、こちらに向かってくる。
と、そこで彼は相手に違和感を感じた。
よく目を凝らすが、何がおかしいのかわからない。
だが確かな違和感を感じる。
見る。
蒼い見たこともないその竜は、ワイバーンに近い姿をしているが、その威風堂々とした姿に何も感じないならば竜騎士失格だろう。
ハルケギニアの竜の倍はある巨体、それに似合わぬスピードと、あの恐ろしい雷のブレスで瞬く間に黒焦げにされる。
見る。
背中にはピンクの髪をした少女。そいつはどうも竜騎士ではないようだが、使ってくる魔法は全くの未知。
中空が突如爆裂し、どれだけのフネや味方が殺されたか。
見る。
そしてもう一人、蒼い竜を操る朱い竜騎士が――――――
「いない?!」
「俺を探してんのか?」
自分のすぐ後ろから声。
振り向こうとしても身体が強ばって動けない。
ついでに目も霞んで音が分厚い壁越しのように聞こえる。
それでも手綱を引こうとした竜騎士が最期に見たのは、自分の腹から生えた剣がまた腹の中に引っ込み、次いで噴水のように血が吹き出す様だった。
「た、隊長ォー!!」
一緒に飛んでいた隊員たちは、突然現れた敵に隊長を殺され隙を曝した。
「『サンダガァ』!」
深紅の布地と血の赤で染まった朱い竜騎士が掌からあの蒼いドラゴンのブレスもかくやな雷撃を放った。
さらにいつの間に持ち変えたのか、槍を握っていたハズの手には拳銃があり、反対側に向けてあろうことか『連射』した。
瞬く間に隊長騎を中心に右翼も左翼も壊滅的な打撃を受け、何とか生き残ったのは僅か二騎。
その時になってようやく隊長の竜は、己の相棒が絶命したことに気づき、悲しみに鳴いた。
それほどまでに一瞬の出来事だった。
残りの二騎は反撃のために杖を向けるが、既にその時には朱の竜騎士はいなかった。
嘆く竜に振り落とされる前に、槍を片手に空高く跳ね上がったのだ。
「馬鹿めェ!『フライ』で風竜から逃げられるものか!」
残った彼らは上空の朱の竜騎士に追撃をかけようとして、はたと思い出した。
「奴の竜は――――――?」
視線を下げた二騎それぞれに、特大の火球が直撃した。
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ちょうど落ちてきたサイトをゼロセンは難なく背で受け止める。
「―――っと。ふぅ、お疲れ相棒!」
ゼロセンは噛み殺した隊長の竜を放すと、高らかに勝利の咆哮を上げる。
『ギャアアス!(あたぼうよ!この数倍がいても余裕だぜ!)』
「ははは!頼もしいよまったく!」
「……盛り上がってるとこ悪いんだがね。回復魔法をかけてくれないかね?」
ゼロセンの背にしがみついたまま、ルイズは半目でサイトを見た。
「どした?」
「彼の丁寧な飛び方は、私にはキツくてね。正直に言うが吐きそうだ」
「あー……、残念だけど、酔いには効かないんだよ。あれはあくまで外傷治癒だからな」
「……『くそトカゲが、いつか絶対に剥製にしてやるからな』」
「え?」
突然ルイズが、聞いたことのない言葉で話した。
首を傾げるサイトに、ルイズはニヤリと嗤い、
「東方の言葉で彼にお礼を言ったのさ」
「なんで東方?」
「気分だよ。ともかく、偵察を始めよう」
「下はずいぶん騒がしいね……」
「まぁ言っちまえば威力偵察だからなぁ」
現在、サウスゴータ上空。
先ほどからバリスタの矢や魔法が散発的に飛んできているものの、高空にいる彼らにはまず届かないか当たらないし、たまたま当たりそうなものは全て『ウォール』を真下に張って弾き返しており、彼らは我が物顔で偵察を行っていた。
ちなみに、既に『威力偵察』などという軽いレベルではない。
敵地に真っ向から襲来し、防衛隊を蹴散らし、情報を奪い取る。
もはや『強盗偵察』といっていい。
もちろん、そんなことを気にする二人ではないのだが。
と、ルイズは街の規模を確認しながら疑問を口にする。
「というか、ここの防空戦力が少なすぎる……一個中隊規模の風竜しかいないのか?街の規模からしてもっと戦力があっていいはず。それに人間の兵士の数もずいぶん少ない……」
それは戦力を首都へ結集させているだけで、かつこの街は既に半ば見捨てられていると言うことが原因だ。
と、ふとサイトは感心したようにルイズに向けて言った。
「しかし幻影の魔法で地図作りねぇ……こんなのよく思いついたな?」
「我ながらよく思いついたと思っているよ。でも能力の応用は昔から私の課題だからね、僅かな手札で戦うのは慣れているよ」
「まぁ、お前の力って言ってしまえば『爆弾錬金』だけだったもんな」
「でも、それだけで十二分に戦える。頭を使えばね。そういう意味では、私としては君の戦い方は危なっかしいよ。強力な魔法任せに薙ぎ払うなんてのは」
「つってもなー……それが一番楽なんだよなぁ。ほら、俺って積極的に戦いたがる人間じゃねぇじゃん?」
「よくいう……」
白々しい、と嗤い、ルイズはサイトの顔に視線を合わせる。
逸らした。
「(あ、これ、本当にそう思ってる顔だ)」
と気づいたからだ。
さて、だいたい街の偵察が済み、下からの抵抗もなくなった頃、ルイズはなんとなく新しい話題を口にした。
「どうやって百騎もの竜騎士を撃滅できたんだ?いや、私自身よくわかってないんだが……?」
そう、彼らがここにやってくる前に、大規模な艦隊決戦と上陸作戦があり、その際、サイトとゼロセンはアルビオン空軍竜騎士相手に無双したのだ。
ちなみに、その瞬間ルイズはずっと悲鳴をこらえてゼロセンの背にしがみついていた。
辛うじてわかったのは、世界が一瞬たりとも安定しなかったことと、時々サイトがいなくなっていたこと。あとは何度か自分が落ちたような気がするということだけだ。
そして気が付くとダータルネスに着いており、サイトがとてもすっきりした顔でいたことが妙に印象に残っている。
サイトはその問いに、しばらく唸ってから答えた。
「んー、簡単に言うとだ。竜を『操ってる』か、『共に戦ってる』かの差だ」
「共に……?」
「多分連中も、竜と心を交わして乗ってるんだろうが、手綱で操ってる時点でまだまだだ」
「じゃどうやって……ってああ、君達は話ができるんだったね。あまりにも自然にやってくれるから失念していたよ。どうやって喋ってるんだ?君の言葉は私には普通に聞こえるんだが」
「それは……たぶん俺とルイズがこうして話せてることが原因なんじゃね?俺たち別の言葉喋ってるのに意味が通じあってるだろ?」
「たしかに。だから最初は使い魔に言葉を与えるルーンかと思ったのだし」
ルイズはサイトの手の甲のルーン『ガンダールヴ』を見る。
「『つまり、意味のある言葉は全て通じるってことじゃね?ちなみにこれ竜の言葉で話してるからな』」
確かに、彼は大きく口を開けた状態で明瞭な言葉を話している。
これはどう考えても翻訳の結果とわかる。
「ふむ、なら私には彼の言葉は喧しい咆哮なのだが、何故君は意思疏通が出来るのかな?まさか両親がドラゴンだったとかかな?」
ルイズが冗談交じりに聞くと、サイトも笑って、
「まさか!竜は卵生だから乳が出ないんだぜ?母親は山猫だよ」
一瞬、間が空いた。
「……へ?」
ルイズがポカンとした様相で漏らす。
「……ん?言ってなかったか?俺帝国に焼かれた村から拾われた赤ん坊だって」
「……初耳だよ。ちょ、ちょっとそれ詳しく」
思わず身を乗り出すルイズ。
「え、偵察はどうすんだよ」
「もう終わったよ!ほら、さっさと戻りながらその話をするんだ!」
「じゃ、じゃあ戻りながらその話をしてやるよ。でも全然大した話じゃないぜ?」
そう言って、サイトはゼロセンの騎首をめぐらせた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ええとだな、俺の故郷は『龍神の聖域』っつーとこでな。
生まれはそのすぐ傍にあった防人の村のひとつなんだ。
『龍神の聖域』ってのは、世界で一番竜たちが集まる場所で、空を埋め尽くすほどの竜が住んでるトコで、そりゃあ綺麗で幻想的で、とにかく最高なトコなんだよ。
あと、防人ってのは読んで字のごとく聖域の守り手で、子竜の世話の手伝いや聖域に邪な人間が入らないかを代々見張ってるんだよ。村同士持ち回りでな。
……まぁこれもかつての大戦でごっそり数を減らしたそうだけどよ。
それをやったってのが、クラスゼロなんだから複雑な気分だぜ。
っと、話がそれた。
で、竜が住んでるってことは、つまり竜が卵を産んでるってことだろ?
それに目をつけやがった『帝国』が、卵を奪うために精鋭『ノア・コマンド』を送り込んできてな。
聖域侵入のための陽動に、そん時防人担当だった村を攻め森を焼きやがった。
防人たちは……戻らなかった。聖域守護を優先したんだそうだ。
連中よっぽどよく調べてたらしくてな。
行商のフリから一気に戦える人間を片づけたそうだ。
薬師だったらしい父も、元候補生だったらしい母も真っ先に。
誰から聞いたって?
山猫母さんからだよ。あと聖域にいた防人たちに。
山猫母さんは、まぁ、山猫だからな。
人間が争ってどんだけ死のうが知らんそうだ。
でも俺を燃える家から助けて育てたのも、山猫母さんだったからなぁ……。
結局そいつらは、森から出る前に、焼け出されてぷっつんした獣と竜に喰われて死んだそうだ。
で、なんか、山猫母さん、聖域で隠居してた偉い山猫らしくって……
「なぁ、やっぱ止めねえ?この話。自分語りって恥ずか……」
「いいからキリキリ話せ」
「アイアイサー」
……だから!尾が九つに分かれるくらい長生きしてる母さんと、家族焼かれて聖域から出なくなった防人と、周りにいる子竜親竜に囲まれて育ちました!以上!!
……え?言葉?それも母さんからだよ。母さん山猫どころか竜も人間も魔法言語も使えるから日替わりで言葉を変えてきてみっちり仕込まれた。
いや仕込むってか、日によって言葉を変えるってのが普通なんだと思ってたから、街に出てからは変な気分だったよ。
武芸は、周りの防人からだし。
魔法は、これも母さんから。母さんなんでか魔法使えるんだよなー。
たぶんチートかバグってのは母さんのことをいう……え?どうでもいい?続き?
いやもう、後はフッツーに、候補生になった。
何でって……山猫母さんが『社交性を育むの忘れてたな』って、魔導院に放り込まれたんだよ。
まぁ同い年の人間がたくさんいる場所ってのは新鮮な体験だったな。
試験自体は簡単だったな……実技は。
筆記は、まぁいいじゃん、別によ。
あれだよ、特待生枠で受かったんだよ。戦乱の時代だし。
いやホントに受かってよかった。受からなかったら母さんにどんな目に……
んであとはお前も知る通り。
二年目あたりから戦争が激化して、ゼロセンが合流して……いくらかしたあとお前に召喚された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ロサイスの陣中に戻ったルイズ一行。
地面に降り立ち、ルイズに手を貸しながらサイトは何でもない様子で言った。
「な?大したことでもないだろ?」
「大したことだよ……」
若干疲れた様子でルイズはため息をつく。
そんな生い立ちの彼だったからこそ、常軌を逸して強いのかもしれない。
しかし、何にせよ情報は手に入った。
敵陣の情報も、サイトの情報もだ。
機嫌良く笑って、ルイズはサイトを振り返る。
「まぁとにもかくにも、君と君の竜の圧倒的戦闘力で悠々と情報を集めることが……」
しかし。
上機嫌に話していたルイズ、その言葉が途中から尻すぼみになっていく。
「どうした?」
サイトがルイズの方を向くと、彼女は難しい顔で唸っていた。
まるで遠くの記憶を探るように。
「……これでよかったんだっけ?」
怪訝な面持ちで、しかし真面目に聞いてくるルイズに、サイトとしては首を傾げる他ない。
「なにが?」
「……いや、なんでもないよ。なんでもない……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シティ・オブ・サウスゴータ攻略戦は、トリステイン・ゲルマニア連合司令部の決定した予定時刻通りに開始された。
戦列艦が外壁に穴を空け、土メイジによるゴーレム群がその穴から壁を崩壊させる。
サウスゴータを囲んだ軍勢がその崩壊口へと押し寄せる。
これがシティ・オブ・サウスゴータ攻略戦の序章であった。
オーク鬼の集団が、幾重にも重なる銃撃で倒れていく。
すぐに倒れたオーク鬼を踏み越えて新たな集団が大通りを走ってくるが、地面から大量に生えた青銅の腕がそれを妨害し、ひっかけては転がす。
そうかと思えばやはり青銅のナイフが地面から突き出して、ちょうど踏み出したオグル鬼の足を貫いた。
散々進軍を邪魔され、固まってしまったところ目がけてまたも銃撃が撃ち込まれた。
それも一発二発ではなく、驚くほど短い間に何発も飛んでくる。
それでも無理矢理突貫してきた集団には銃弾の代わりに近距離からぶどう弾が撃ち込まれ、バラバラの肉塊に変えてしまった。
それを行うはド・ヴィヌイーユ大隊所属第二中隊、つまりギーシュの指揮する独立銃歩兵隊である。
彼らは一番槍でこの町に突入し、突入口から一番近い大通りの一つを抑えていた。
「まったく、この新式銃は便利だな。それにこの大砲。小型で強力、歩兵の直接支援も可能だなんて、時代は変わるねぇ」
「ええ、しかしこんな最新兵器よく回してもらえましたね」
「持つべきものは友だよ。でも、寄りかかるばかりでは友を名乗れなくなってしまう。そろそろ僕も活躍したいんだが」
「任せてくださいよ坊ちゃん。そろそろ後続が追いつきます。それが見えたらまず中隊長どのの
「はっはっは!世辞はいいよ、そっちの指揮は君に任せっきりだしね。ま、亜人が相手ならそこそこ手馴れているってのもあるのだよ僕は!」
そういうギーシュの前には、青銅の軍団が展開されていた。
まずギーシュが指揮する(実際はほとんど中隊付補佐のニコラという傭兵が行っている)銃兵100名、その前に護衛の短槍兵50名。
そのさらに前にギーシュ操る青銅の
弩を背負い、
今は後方の銃兵の射線を通すために全員しゃがんだ状態だが、一たびギーシュの号令が飛べばただ突っ込んでくるだけの亜人の群れなど簡単に跳ね返して見せるほどのものだ。
さらに彼女たちが戦っているところへ銃弾を浴びせても、倒れるのは相手のみで青銅の戦乙女たちは無事という、非常に嫌らしいハメ技もかましていた。
ちなみに、ギーシュ本人も知らないことだが、12代目ワルキューレたちは完全な青銅製ではない。
強力な筋力を有する亜人や、狡猾な盗賊と戦っているうちに、ギーシュは幾度となくワルキューレを破壊され続けた。
人形とはいえ女性の形をしたワルキューレたちが破壊されるのを見続け深い悲しみに包まれた彼は、鍛冶屋に頼み込み、強い鎧の作り方を訪ねた。
『あー、とりあえず、何でワルキューレなんだ?コマンドーならモリモリしてすっきりするのに。あと装飾が邪魔』
『硬けりゃいいってもんじゃないんだ。高性能な防具には意外なことに柔らかさも必要になってくる。あと装飾が無駄』
『単一の素材だけだとなぁ……粘りがねえと。貴族様のゴーレムはすげぇけど、攻城弓とか大砲で粉々になるのはそれがないからなんだよな。火の通り具合っつーかさ。そこはもう感覚としか言えねぇ。あと装飾は外せ』
彼らの言っていることのほとんどを理解できなかったギーシュだが、とりあえず『硬くしようとする』だけでは駄目なのだということと、『柔らかさ?』『粘り?』『単一素材だと残念』ということだけだった。
その後『柔らかくなれ~』だの『粘れ~』だののイメージを持って毎日のように精神力の果てるまで何十種類も作り続けた結果、本物の戦乙女が彼のワルキューレへの愛情に微笑んだのか、その妄執に苦笑したのか、彼のランクが土のトライアングルまで上がり、12代目として記録されることになる新生ワルキューレは青銅を用いた合金製と化した。
結局最後までワルキューレ一体一体にきちんと女性らしい装飾が施されているのは、彼らしいというべきか死んでも治らないというべきか。まぁある意味その細かさも組成レベルでワルキューレに影響を及ぼした効果に繋がったのかもしれないが。
とかく、彼らはよく戦っていた。
と、ニコラはふと思いついたことをギーシュに尋ねた。
「そういやぁ、中隊長どのがキングだとして、クイーンはどこにいるんです?」
「もちろんクイーンは故郷で僕の凱旋を待っているよ」
「へへ、なるほど……何人いるんで?」
「…………もちろん一人さ」
明後日の方を見るギーシュに、ニコラはヘラヘラと笑った。
と、一瞬彼らを影がつつんだ。
見上げれば、蒼いドラゴンが地上に小さな何かをばらまきながら町の中心部に向かって飛んでいるところだった。
「おっと、ニコラくん。耳を塞いだ方がいい」
「え?こうですかい?」
そう言ってニコラがギーシュのように耳を塞いだ瞬間――――――火薬樽が何十個も爆裂したかのような連鎖爆発が生じた。
その爆発は蒼い竜を追いかけるように起きており、さらにその竜は街の中心で亜人どもの指揮をとっていた少数のメイジたちの指令所に、人間など軽々と飲み込めるほどの巨大な火球を幾つも放ち、壊滅させた。
「なななっなんですかいありゃあ?!!」
歴戦の傭兵であるニコラも泡を食って慌てている。
それに対しギーシュは、頬をポリポリと掻きながら苦笑してこう言った。
「んー、僕の、友人たち……かな?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あはははははは!!素晴らしい!実に素晴らしいぞこれは!」
ゼロセンの背中で魔王か何かのように大笑いするルイズ。
黙っていればただの美少女だが、今この瞬間はまさしく魔女だった。
「はいはい」
傍らにいるサイトは相変わらず興味なさげだ。
そんなことは気にしないとばかりにルイズは己の考えを述べる。
「どうして思い付かなかったのだろう私は!?空を飛べる生き物に直接爆弾を持たせ敵地に投下させれば、例え攻撃力に劣る幻獣でも十二分に役に立つ!そう、幻獣はメイジをただ運ぶだけの役割から爆弾配達人としての戦略的役割も担える!これならろくに機動戦もできない新兵も戦線に投入できる!」
「あー、俺だったらまず真っ先にそいつを落とすぜ。腹に爆弾抱いてちゃ反撃もできないだろうしな」
「ん、なるほど。ならそれを護衛する竜も必要か。爆弾に気を取られれば護衛に殺られ、護衛に手こずれば地上を焼かれる。素晴らしい!」
「けどそんなもん普通に竜を揃えて戦えばいいだろ?何でそんなことする必要があるんだ?」
怪訝な様子で訪ねてくるサイトに、ルイズはやれやれと肩をすくめて言った。
「簡単に『竜を揃える』だなんて言ってくれるがね。そんなこと弱小国家のトリステインに出来るわけがないだろう?風竜が繁殖するのに適した気候と地形、歴史に積み重なったノウハウを豊富に持つアルビオンだからこそ、あんな馬鹿げた規模の竜騎士団を作り上げることができたんだ。他の国では難しいよ」
と言っても、もはや今は昔だがねとルイズは嗤う。
環境や地形だけでそれほど変わるだろうかと不思議に思ったサイトは、自分を乗せて飛ぶゼロセンにも聞いてみた。
『ギャアアス!!?(はぁ!?変わるに決まってんだろ!!俺たち竜はそれで一時絶滅の危機に瀕したこともあるんだぜ!?)』
「は?マジで!?」
『ギャァアアアス!!(マジもマジだ!今でこそ聖域にたくさんの竜がいるがな、朱雀に焼き討ち食らって卵は全滅、それが終われば今度は世界に満ちていたクリスタルの力が消えて、もう散々だった。ショックで卵を産めなくなった竜も大勢いたし、クリスタルからの力で強く命を補ってた竜なんかは環境の変化に適応できなくてバタバタ死んでった。ま、それが聖域に緑をもたらしたわけだが)』
「へー……」
大戦からの生き証人に語られ、サイトは感心しきりだった。
もちろん、何か仲良さげに話し始めた二人に対し、ルイズは急速に気分を損ねつつあったのだが。
「ともかく!ともかくだ!トリステインは弱兵なんだよ極一部を除いて!ゆえにこれからは常に最新の兵器と戦術を駆使していかねばならないのだよ!」
そう取り繕うように力一杯言ってのけるルイズ。
あまりにもはっきりしっかり言うものだから、サイトも少し心配になったほどだ。
「そんなに弱いのか?よくそんなので六千年ももったな?」
ルイズはサイトに心配そうな顔までさせてしまい、自分の気分屋な所は治すべきだと改めて自覚する。
「い、いや、まぁ、それだけ始祖の血というのはブランドだと言うのもあるんだが……」
「が?」
こほん、ひとつ咳払いして気分を戻し。
「今でこそ腐り切って傾いているが、昔は国を守れるだけの、別の力があったんだ」
「……別の力?」
ルイズは声を潜め、公爵家のように大きな家にだけ伝わるトリステインの秘密のひとつを打ち明けた。
「『謀略のトリステイン』。えげつない権謀術数、自然死として処理されるほどの見事な暗殺、心を縛る禁断の水の秘薬。そういったものを変幻自在に操り、列強国の間を素知らぬ顔で飄々と渡ってきたのが本来のトリステインだったのさ。だからそもそも正面切った戦争は苦手なんだよ」
と。
しかし今まさにその苦手な正面切った戦争をやっているという事実に、彼女は苦笑を隠せない。
……ところでひとつだけ、ツッコミを入れさせて欲しい。
お前ら、真面目に戦争しろ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シティ・オブ・サウスゴータ制圧戦は、トリステイン・ゲルマニア連合によって瞬く間に完了した。
さて、制圧したサウスゴータを拠点にするにあたり、両国による場所取り合戦が総司令部にて行われた。
揉めるかと思われたこの協議だが、しかし、
「我が国の戦争に義憤のもと援軍を派遣してくださったゲルマニアにせめて報いたく、是非水場の多い街の北方はそちらに」
と、ルイズによって場所分けが決定してしまった。
今回の戦争においてかなりの活躍をしており、さらにはアンリエッタ女王という後ろ盾を持つ彼女に、トリステイン軍側の司令官であるポワチエ卿は逆らえなかった。
そうして司令所から出てきたルイズに、隣にいたサイトが訪ねた。
「どうしてわざわざあんな指示を?」
基本、ルイズは無意味なことはしない。
己の利にならないことはしない、という意味でもあるが。
そんなルイズは、
「……勘だよ」
としかめっ面で答えた。
「どうも嫌な予感がするんだ。それと、この間から奇妙な感覚がしていてね」
顔を顰め、何かを忌々しげに見つめるような凶悪な目つきのルイズ。
「奇妙な感覚?」
「…………いや、忘れてくれ。自分でも馬鹿馬鹿しいんだ。真面目に話したくない」
「なんだよ、言えよ。笑い飛ばしてやるからよ」
歩き出そうとしたルイズを引き止め、サイトは真剣な目つきで彼女を促した。
こうでもしないと中々話さないことは、短い付き合いでよくわかっている。
しばしどう答えたものかとルイズは考えていたが、やがて意を決したように顔を上げる。
「……前にもこんなこと、なかったか?」
「こんなこと?敵地に攻め行って街を占拠することか?あるぞ?珍しくも……っと、これは俺の世界の話か」
「……気のせいだな。まったく、私としたことが初めての大規模な戦争で緊張しているらしい」
すこし疲れたような笑みを浮かべ、ルイズは自分達の天幕に歩き出す。
サイトも軽く肩をすくめると、それを追って歩き出した。
そして戦地に訪れた『降臨祭』、それにともなう休戦という僅かな安息が明けて――――――ゲルマニア軍の一部が突如として一斉に裏切り、トリステイン・ゲルマニア連合は崩壊した。
挟めなかったシーン
~ゲルマニア騎士団~
ロサイス陣中にて、サイトはルイズに連れられ、ハルケギニアでも有名なゲルマニア騎士団を見に来ていた。
「見たまえ、あれがかつてウチと散々やり合ったゲルマニア騎士団、“ツルギ”だ」
ルイズの示すその先、そこにはサイトにとって驚くべき存在があった。
岩を剥がして身につけているかのような茶褐色の鎧。
同じく岩壁のごとき大盾と、岩櫟のような剣。
巌が騎士に変じたかのようなこの一団こそ、帝政ゲルマニアが誇る魔導重装騎士団である。
彼らの身を守る『精霊石の鎧』は、様々な鉱物と、土の精霊石である『土石』を鎧に加工した物で、ハルケギニア最高の防御力を誇っていた。
特にメイジが着込むと、鎧の『土石』を核にし、自らを巨大なゴーレムのように変えたり、鎧の強度を上げたりすることが可能になる。
だがそれよりもハルケギニアを震撼させたのは、ゲルマニア皇帝が編み出し世に広めた『ブースト』である。
魔法の力を身体に直接取り込み強化する秘術で、人の身にはありえない腕力と体力を得ることができる。
もちろん魔法であるため、これが発動している間は『ブレイド』すら唱えられない。
これではともすればメイジとしての利点を打ち消してしまいかねない。
が、ここで活躍するのが彼らの鎧だ。
彼らは『精霊石の鎧』を着こみ、これごと『ブースト』をかけることで、並大抵の攻撃では倒すことなどできない騎士となる。
並みのメイジでは傷ひとつ負わせることすらできず、平民の兵士では言わずもがな。
話では大砲や火のトライアングルスペルの直撃にも耐えたとか。
ゲルマニアのメイジは幼いころからこの『ブースト』を学び、いつの日か『精霊石の鎧』を王から賜るために日々剣技を磨いているという。
しかしこの『ブースト』、ハルケギニア自体では流行っていない。
何故なら、まず『精霊石の鎧』の製造はゲルマニア皇帝が一手に握っており、製法を他国に漏らせば一族郎党死罪となっているうえ、ゲルマニア人の誇りの拠り所であるため彼らも現物を厳重に管理しており、手に入らない。
次に、『あんな成り上がりの田舎者どもの魔法なぞ誰が使うか!!』とのこと。
主に後者を理由に流行らなかったのだ。
こうして『空のアルビオン、陸のゲルマニア』と呼ばれるほどの魔導歩兵を彼の国は揃えたのだった。
ちなみに、ルイズの言った“ツルギ”とは軍所属の兵団で、これとは別に“オオダテ”という近衛騎士団が存在する。
「……」
「どうかしたのかい?」
「いや……偶然なのかな?連中の着込んでる鎧、俺の世界の『クリスタルの武具』に似ててさ」
「『クリスタルの武具』?脆そうな名前だね」
「いやいや……『クリスタル』っつーのは、『原初の力』とかって意味で使われてんだけど、まぁ俺の世界の文明の元を作った莫大なエネルギーの塊で……とにかく、そんなスゲェエネルギーの一部を取り込んでる武具のことを『クリスタルの武具』って呼ぶんだよ」
「ほぉ……で、それはすごいのかい?」
「現存する物でも数百年前のモンだけど、それでもちょっとした魔法や銃弾程度余裕で跳ね返すし……サシで戦ったら絶望しかないって言われてる。俺は……どうだろ?戦ったことないからわからん。味方だったしな」
「ほっほぉ!!興味深いな……君は持ってないのかい?」
「持ってねぇ。武家とかが家宝として受け継いでるような代物だからな。新しく作れるモンでもないし。レプリカとかなら流通してっけど重くてよ。俺のスタイルに合わないから他の奴に渡した」
「ふむ、残念。だが彼らが何故その装備に似ているか、私にはわかるぞ」
「マジで?」
「OFF COURSEだとも。これは『帝政ゲルマニア』建国にかかわる歴史なのだがね?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今ある『帝政ゲルマニア』は、もとはと言えば単なる一地方都市国家で、名前も今の首都名である『ウィンドボナ』だった。
『ウィンドボナ』は肥沃な土地を有し、とても豊かな国だったが、東のほうから版図を広げてきた別の都市国家に呑まれようとしていた。
その強大な都市国家『ローマ』からの使者がとうとう宣戦布告を持ってきて、帰っていった日。
ちょうどその日に、『ウィンドボナ』の門前に奇妙な集団―――百人余りの、ほとんど裸のような大男たち―――が現れた。
どうも助けを求めているらしく、どこからかの難民のようだった。
都市長は彼らをきっと自分たちと同じくローマに故郷を滅ぼされ、追い立てられてきたどこかの都市国家の民だろうと考えた。
罠かとも考えたが、その割に彼らは本当に窮している様子で、さらに言うならあれだけこちらを馬鹿にしていた連中が、今更そんな罠を使うとも思えなかった。
それゆえ都市長は彼らを迎え入れた。
迎え入れて驚いたのは、彼らの肉体の大きさであり、彼らの体についた筋肉であった。
人でありながらまるでオーガのごとき肉体。
彼らなら並みの盗賊や猛獣に後れを取ることはないだろうと考えた都市長は、援助の代わりに、避難の用意をしていた民を連れて南に下るよう頼んだ。
いったいどこから来たのか知らないが、ここももう危ない。ローマの連中はもうすぐここにも来る。
だから彼らを連れ、もっと南へ逃げてくれ。奴らはこの地を焼き払い、好き勝手な街を新たに造ることだろうよ。
……私か?
私は……ここを守らなければならない。ここは我々の国、侵略者なんぞに渡してなるものか。
だが民草は無力だ。奴らは強大でこちらは貧弱だ。勝ち目はない、服従しても未来はない。
ゆえに我々が残って時間を稼ぐ。どうか君たちは彼らとともに逃げ延びて―――――え?
ふふ、そうだな。そんな奇跡が起きれば……ん?何かなその角笛は?
彼らは何を思ったのか、角笛を吹いた。
するとどこにいたのか、二千を超える軍勢が姿を現し、都市の前に陣を構えた。
そして難民の一番前にいた大男が言った。
騙すような真似はしたくなかったがこちらも満身創痍でな。しかも状況も全くわからん状態で、かくなる上は捨て身で目についた都市を襲うつもりだった。まぁその前に交渉を、と思って来といて正解だったよ。
アンタに言われて気づけた。俺達は奴らと同じ畜生に堕ちるところだった。
正直に言うよ。頼む、俺たちに食料と安息をくれ。
そうすりゃ俺達がそのローマって奴らから、いや、例え世界の終りが来ようとアンタらを守ってみせる。
都市長が見る限り、後ろで陣を敷く彼らはボロボロで、しかし手傷を負い、餓えてなお生き足掻こうとする獣のごとき重圧をかけてきていた。
断っても状況は悪くなるだけだろう。
脱出する民の分を除いても、彼らに渡す食料は十二分にあった。
……その豊かさが侵略者を招いたわけだが。
それにローマの連中が来るまで二週間はかかる。それだけあれば満身創痍の彼らも戦えるだろう。
一緒に戦ってくれるとは奇特な連中だが、一部は脱出する民についてくれるように落ち着いたら頼もう。
今は彼らも興奮しているようだから聞く耳持つまい。
そう考え、都市長は承諾した。
そして三日後。
『ウインドボナ』の前に、精強にして頑強な、巌のごとき騎士団が完全復活していた。
驚くべきことに彼らは一人一人がオーガのような鉄の肉体を有し、さらにそれを見たこともない武具で強化していた。
その腕力は一撃で地を割り、その脚力は千里を走るとまで言われた。
そしてついに『ローマ』の軍勢一万二千が姿を現すと、彼らはまず都市の前に山と積まれた丸太の杭を、“脇に抱えた”即席の
さらに山から取ってきた一抱えもある岩をどんどん投げつけ、ローマ軍を混乱の底に叩き落とした。
今まで絶大な力をふるってきたローマ軍の竜騎士とフネは、彼らの持ち出す長弓の連射に次々撃ち落とされていった。
そして彼らは最後にそれぞれ巨大な武器を振りかざして突撃し、ついにはローマ軍を壊滅させた。
これがハルケギニアにおいて最強と呼ばれることになる騎士団、『ゲルマニア重装騎士団』の誕生の瞬間だった。
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「―――――と、まぁこんな感じの歴史があってだね」
「ふーん。で、それが何の関係があるんだよ?」
「忘れたのかい?この世界には時たまイレギュラーが混じるということを」
「あ」
「『場違いな工芸品』。異世界から何故か紛れ込んでくる兵器。それは時に人間もろともやってくる。シエスタの祖父のようにね。つまりかつてこの世界に突如現れ、世界を圧倒した彼らは、その武装か、はたまた彼ら自身を『兵器』としてこの世界に紛れ込んできたのではないか?」
「何でだ?」
「え?」
「何でこの世界は異世界からそうほいほい何かが転がり込んでくるんだ?そんなの俺らの世界でもなかったことだぜ?かつては『死と生の狭間』からバケモンを呼び出して使役してた頃もあったらしいが、それだってたぶん『俺らの世界』を構成する一部のはずだ。何でこの世界だけ?」
「ふぅむ……考えたこともなかったな。んー、神ならぬこの身では真実などわかりようもないが、『そういうものだから』としか言えないんじゃないかな?それに、ひょっとしたら我々の世界と君たちの世界は、いやさ異世界同士というのは意外と隣り合っているのかも知れない。それに君は今『死と生の狭間』から化け物を召喚していたと言ったが、それが君の世界の一部と何故言い切れる?もしかすると全ての世界は死後の世界で繋がっていて、召喚していたのは君たちよりもっと強い異世界の一般市民だったのかも知れないのだぜ?」
「んぁー、頭がこんがらがってきた。」
「まぁ気にするようなことでもないさ。さしあたって気にするべきは、彼らの力を手にする方法と、この戦争のことだよ」
そう言って二人はその場を後にするのだった。
後書きのターン!ドロー!!
今回露骨な伏線張ってしまった……反省…。
でもこうでもしないと出せなかったんですよね。
回収は、難しい。タイミングが全てだ。
ゲルマニア騎士団ですが、彼らの鎧はお察しの通りクリスタルの鎧を参考に作られたものです。
『ブースト』も玄武の話から着想を得て完成しました。
オリジナルのクリスタルの鎧は近衛が着ています。近衛はかつての玄武の民の家系で、他国侵略を戒めていました。
だからこそ代替品を求めたわけですが。
『ローマ←ロマリアじゃね?』なんてツッコミをする悪い子はしまっちゃおうねー。
防人は独自設定ですが、実際いたと思ってます。首都陥落して軍隊に囲まれて負け戦必須なのにそれでも降伏せずに戦うって、それ愛国以上の何かを竜に持ってなきゃ無理だろうと。
ちなみに作中の防人たちはサイトくんに容赦ないレベルで槍術を叩き込みました。乱世ですし、村の唯一の生き残りでしたから。
山猫母さんはまったく気にする必要はないです。出ないんで。そういうものとして流しましょう。でもストーリーにはちょくちょく絡んでるんですよ。それもあちこちに。
死んだ竜ってのは五星龍やバクライリュウのような高位クラスの竜です。
ジュリオとの閑話をはさみたかったのですが……断念しました。
彼のキャラが掴みづらくて……もしかしたらこっそり追加するかもしれません。
そうそう、ゲルマニアのメイジの杖は、子供のころは鉄アレイで、成長すると剣を与えられます。
人によっては剣以外の武器になりますが。
ですので、はい。
感想欄で突っ込まれましたが。
キュルケはミサカ状態です。美しい肉体美ですよ。
でもちゃんと二つ名は『(自称)微熱』です。安心ですね!
もしこのほかに『~~ってどうなってるの?』という質問がありましたらお気軽にどうぞ。
感想お待ちしております。