この爆裂娘にヒーローアカデミアを!   作:ぽち丸

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ルーキー日刊にランクインしてて目からエクスプロージョン出た。
頑張ります!


めぐみんと雄英入学試験

「エクスプロージョン!」

 

緑谷と出会った日から、めぐみんは毎日必ず海浜公園に足を運んだ。

晴れの日も

 

「エクスプローージョン!!」

 

雨の日も

 

「エクスプローーージョン!!!」

 

雪の日も

 

「プロージョン!」

 

風の日も

 

「ジョン!」

 

そして・・・

 

「エクスプロージョン!」

 

「・・・65点。風が強いせいか指向性の制御がぶれちゃったね。お腹にくる感じが弱いよ。」

 

「くっ・・・流石我がライバル・・・!妥当な点数といったところですね・・・!」

 

めぐみんは“爆裂”に指向性を持たせる練習をしていた。

今のままでは味方や、後ろに庇った市民に被害を出しかねないからだ。

また、毎日“爆裂”を見ている緑谷も、徐々に採点する余裕が出てきた。

というより、若干紅魔族の影響を受け始めて感性がズレてきているのかもしれない。

めぐみんが来るようになってから、緑谷はめぐみんが“爆裂”を使う時は避難がてら休憩し、“爆裂”し終わったら掃除再開。

めぐみんは“爆裂”の反動でダウンしている間はゴミ山から発掘された椅子に座って休みながら緑谷にアドバイスを送り、復帰したら飲み物を緑谷とオールマイトに差し入れて家に帰るというのが恒例になっていた。

なお、反動は大体1時間程度で問題なく動けるくらいに回復する。

食事を取れば回復速度もあがる。

 

「出久ー、そのゴミは逆手に持った方がいいですよ。その持ち方じゃ腕の筋を痛めてしまいます。」

 

「え、うん、ありがとう!」

 

紅魔族は潜在的に身体能力が高い。

また、頭の回転も早い。

スポーツ科学的な見地から出されるめぐみんの助言は、直感的な教えになりやすいオールマイトの教えの穴を埋める的確なものだった。

出久は最近では筋力だけでなく、体の動かし方も様になってきている。

ちなみに、一緒に練習を始めて1月たつころからめぐみんは緑谷を出久と呼ぶようになっている。

 

「あと一月で雄英入試ですか。このペースならギリギリ間に合いそうですね。」

 

「うむ。彼は間違いなく強くなっている。そして紅魔少女。それは君もだ。指向性の制御がだいぶ出来てきてるじゃないか。」

 

「当たり前です。私を誰だと思ってるんです?紅魔族随一の天才に不可能はっと出久ー、それ取ると崩れますよ。上のビデオデッキからいくといいです。」

 

「え、ほんと?ありがとうわぁ!?」

 

「あ、すいません見誤りました。」

 

「・・・紅魔少女。今のわざとだろう。」

 

「度胸付けですよ。出久はビビリすぎなんです。もっとメンタルを鍛えなければ。」

 

「そりゃあ君達紅魔族ほど強いメンタルの人間の方が少ないだろうしね。」

 

「わかってるじゃないですか。さて、そろそろ飲み物でも買ってきますよ。」

 

「いつもすまないね。」

 

「いいんですよ。オールマイトにお金は出してもらってますしね。私の練習にも付き合ってもらってるんです。この紅魔族随一のパシリに任せてください。」

 

近場の自販機に向かいながらめぐみんは考える。

ここのところの練習で目指したものは2つ。

1つは先程から言っている指向性だ。

今のところ、指定した地点を中心に爆発させる”ニュートラル爆裂“

指定地点前方に爆発が広がる”前方爆裂“

同じく上方に爆発する”上方爆裂“が成功している。

危険なので後方と下方は試していないが多分できるだろう。

精度も上々。

上空でやると風に煽られ若干ブレることもあるが、あと一月もあれば問題なく仕上げることができる。

もう一つが反動の軽減である。

恐らく”爆裂“の威力を下げることができれば、解決する。

単純に半分の威力で2発撃てるようになればいい。

筈なのだが、これが全く成功しない。

むしろ練習すればするほどに威力が上がっている節がある。

何故か。

頭では威力を下げるべきなのはわかっている。

しかし、感情が、プライドがそれを許さない。

”爆裂“

最強の攻撃個性。

威力を何故わざわざ下げなければならないのか?

1発撃つと終わりだから。

ならばどうする。

そうだ。

一撃必殺。

1発の威力を高め、一発に魂を込めるのだ。

1爆入魂である。

やはり威力を捨てて2発など邪道。

究極の一撃で全てを吹き飛ばしてしまえばいい。

何度考えても同じ結果に至るので、めぐみんは考えるのをやめた。

Don’t think explosionだ。

考えるな、爆裂しろ。

至言である。

 

そして、充実した時は瞬く間に過ぎ去る。

1月が流れ去り、雄英入試を迎えた。

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

「ここが雄英高校ですか・・・!流石に大きいですね。」

 

大きいものと見るや即座に“爆裂”させたくなるめぐみんだが、流石に今“爆裂”を使ってしまうと実技に差し障りが出る。

ぐっと堪えて、校門を潜った。

と、正面に見覚えのあるもじゃもじゃが目に入る。

 

「おはようございます、出久。無事に来たという事は、終えたんですね。流石は我がライバルです。」

 

昨日の時点で既に殆どの海岸線を蘇らせていた出久。

今日の早朝に終わらせると言っていた。

無事にここにいるという事は、全て終わらせたのだろう。

なお、めぐみんは朝は行っていない。

オールマイトとの約束で早朝は爆裂できないうえ、今日は本番だ。

使う訳にはいかなかった。

 

「め、めぐみんさん・・・!どどど、どうしよう!」

 

「・・・?何かありましたか?ベタですが受験票忘れとかですか?オールマイトに言えば5分もかからず持って来てくれるのでは?」

 

「そうじゃなくて!さっき、女子と喋っちゃった!」

 

「・・・ほう。それは私に喧嘩を売っていると見てよろしいですかね?」

 

ナチュラルに女子カウントされていないめぐみん。

尚、これは感性が変わっているめぐみんとの接触には慣れたものの、一般的女子とほぼ話した事が無かったからテンパっているだけであり、めぐみんが男子枠に入っている訳ではないことを明記しておく。

あえて枠をつけるなら紅魔族枠と言ってところだ。

その後もじゃれあいながら会場入り口まで向かっためぐみんと出久。

受験番号が離れていたため、入り口で別れた。

めぐみんの席は端から二番目。

右隣りがひと席だけ空いている。

特に気にせず座って開始を待っていると、少しして男子生徒がやってきた。

 

「後ろ、失礼する。」

 

「ああ、どうぞ。」

 

声をかけられたので顔を上げると、烏のような顔の異形型の男子だった。

 

「ほう。濃い闇の気配がしますね・・・!」

 

「むっ。お前もまた、深淵を望むものか。」

 

暫し見つめ合い、お互いにふっと微笑むと同時に手を差し出し握手をした。

なにやら通じ合うものがあったらしい。

 

「あなた、名前はなんと?」

 

「俺の名は・・・む?試験が始まるようだな。」

 

「おっとそのようです。自己紹介はまたの機会に。」

 

ちょうどそのタイミングで、プロヒーロープレゼントマイクが会場に入ってきた。

彼の説明を簡略化するとこうだ。

街を模した会場で10分間。

会場には1〜3ポイントのロボットが配置されており、それを破壊、ないしは無力化することでポイントゲット。

その合計値を競い合う。

なお会場にはお邪魔虫の0ポイントのロボも居るのでそれは避けた方がいい。

 

(なるほど・・・。しかし嫌に戦闘能力を求める試験ですね。ヒーローになるうえで重要なのはわかりますが、個性によっては絶望的にすぎます。ロボット自体の戦闘力はたいして高くはないと言ったところですかね。武器持ち込みオーケーという事は、ある程度は生身でも破壊できる程度の強さしかないのか。はたまた別の加点要素があるのか。)

 

ふと横を見ると先程の烏少年が立ち上がったところだった。

 

「私はF会場のようです。あなたは?」

 

「Dだ。」

 

「別ですね。では改めて自己紹介を」

 

烏少年は首を横に振ったあと、ニヤリと笑った。

 

「次は教室でまみえよう。その時でいい。武運を祈っているぞ。」

 

それだけ言うと、さっさと背を向けて行ってしまった。

 

「か、かっこいいじゃないですか・・・!」

 

紅魔族的にはかなりツボだったようだ。

さて、更衣室で制服からピンクのジャージに着替えてからバスでF会場までやってきためぐみん。

周りを見渡してみても、見慣れたもじゃもじゃは居なかった。

どうやら別の会場のようだ。

軽くストレッチをしながら作戦について考えるめぐみん。

先程の予想の通りなら、生身でもある程度はポイントを稼げるだろう。

殴る蹴るでロボットを破壊できなくても、最悪他の受験者が破壊したロボットのパーツでも拾って振り回せば良い。

時間ギリギリまで生身でポイントを稼ぎ、最後に固まっているところを“爆裂”する。

これが一番効率が良いはずだ。

しかし、そこで引っかかってくるのが別の加点要素である。

あくまで憶測だが、この試験はロボットから得られるポイントとは別に加点要素があると思われた。

そもそもこの場は試験。

自己アピールの場でもある。

いかにこの試験を通じて試験官たるプロヒーローにアピールできるかが大事だ。

つまり、紅魔族的に言えばかっこよく目立てば良い。

最高かよ。

 

(私の個性は、撃つ前に体力を消耗すると威力が下がってしまいます。となれば、生身で戦うなどナンセンスですね。やはり一撃必殺で行きましょう。作戦変更ですね。)

 

『ハイ、スタート!』

 

「えっ」

 

『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんてねえんだよ!賽は投げられてんぞ!』

 

プレゼントマイクの言葉を受けて、受験者達がゲートに殺到する。

めぐみんはそれを後ろから静観していた。

 

(私の作戦上スタートダッシュは重要ではありません。ゆるりと行きましょう。)

 

他の受験者が掃けてからゆっくりゲートを潜るめぐみん。

まずは高所を取るのが肝要だ。

近場で高いビルの屋上を目指す。

 

「内装までしっかりしている上にエレベーターまで動いてますね。ここまでする意味があるんでしょうか・・・?」

 

無駄に高いクオリティの建物を進み、屋上へ。

高みから周囲を見渡すと、受験者達が各々の個性でロボットと戦っている様子が見てとれた。

ゲートに近いあたりを中心に多少散っているようだが、この広大な会場だ。

奥の方には結構な数のロボットが手付かずで残っていた。

 

(より目立つには終盤に全てを掻っ攫うのがベスト。美味しいところを持っていくのは紅魔族の本懐です。今は静観しつつ、周りの受験者の様子でも・・・おっ?)

 

めぐみんの目に止まったのは、両手から爆発を起こしているガラの悪い男子。

小刻みに爆発し、飛び回りながら次々とロボットを破壊していく。

強力な個性なうえ、よく使いこなしていると言えるだろう。

 

(ですが、小爆破も良いところですね。ここは同じ爆発系の個性持ちとして、格の違いを見せつけてやりましょう!)

 

ビルの淵でバッと仁王立ちになり、右手を前に掲げるめぐみん。

大きく息を吸い込み詠唱を始めようとする。

その瞬間、辺りに振動が響いた。

危うくビルから落ちかけたがなんとか踏み止まったようだ。

 

「な、何事ですか!」

 

地響きの正体は、今めぐみんが居るビルと殆ど同じ大きさの0ポイントロボットだった。

 

「フィールドを所狭しと暴れると言っていたのでテッキリ数が多いのかと思っていましたが。こう来ますか!」

 

他の受験者はとにかく0ポイントロボットから離れる為にゲートの方に逃げ出している。

先程の爆破男子含め、少数が0ポイントロボットを避けつつ戦闘を継続しているようだ。

では、作戦変更である。

あれだけでかい的が出てきたのだ。

しかもぶっ壊してなんの問題も無い。

あれを吹き飛ばせば良いアピールになるだろう。

というか、この際アピールとかもはやどうでもいい。

あれだけの極上の的を用意されて“爆裂”を我慢できようか!否、否である。

御誂え向きに、0ポイントの後ろに人はおらず、1〜3ポイントがずらずらと連なっている。

これはもう神が”爆裂(やれ)“と囁いている気がした。

再び仁王立ちし、右腕を前に力強く突き出す。

0ポイントは、真っ直ぐめぐみんの居るビルに向かって進んできていた。

 

「私に挑むということですか・・・!良いでしょう!意思なき哀れな木偶人形よ!我が力の前に平伏すがいい!」

 

すっと大きく息を吸い込む。

 

『黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!』

 

不思議と響くその声に、ある受験者は足を止めた。

ふと頭上を見ると、ビルの上で0ポイントと対峙している女子が居るではないか。

無論、めぐみんの事である。

 

「おおーい!危ねぇぞ!」

 

思わず叫ぶも、彼女はこちらを気にする素振りすら見せていない。

 

「くそっ!」

 

その男子は猛然とめぐみんの居るビルの外付け非常階段をかけあがり始めた。

 

『踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!』

 

0ポイントが腕を振り上げ、受験者達から悲鳴があがるなか、めぐみんは不適に笑っていた。

 

(私今凄い目立ってる・・・!私今めちゃくちゃかっこよくないですか!)

 

圧倒的自己陶酔により、緊張感は薄れ、めぐみんのポテンシャルを最大まで引き上げていた。

 

『これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃個性、エクスプロージョン!』

 

轟音、轟音、轟音。

0ポイントが後方の1~3ポイント及び、ビルを巻き込んで吹き飛ばされる。

この5ヶ月の成果でほぼ完璧となった指向性爆裂が、未だかつて無いほどの威力の"爆裂"となって襲い掛かった。

その圧倒的威力、暴力に受験生達は足を止め、呆然と立ち尽くす。

爆風と爆焔が晴れた後には、巨大なクレーターと崩れたビル、大量のロボの残骸が残るのみ。

非常階段を駆け上がっていた男子も、思わず足を止める。

 

「なんだよ・・・俺が行く必要なかったじゃねえか。」

 

それでも屋上は既に目と鼻の先。

これ程の実力を持っているあの女子に声をかけてみよう。

どうせもう試験も終わる。

今からじゃポイントも稼げないだろう。

そう考えた男子は再び階段を登る。

すると、屋上で先ほどの女子が倒れているのが目に入った。

慌てて駆け寄る。

 

「おい!大丈夫か!」

 

「あ、なたは・・・?」

 

「俺は鉄哲徹鐵!それよりどうした!?破片でも当たったのか!?」

 

「おお・・・逆から呼んでもてつてつてつてつですね・・・。」

 

「いや、逆から読んだらつてつてつてつて、じゃなくて!どうしたんだお前!?」

 

めぐみんは淡く微笑むと、

 

「私は・・・ここまでのようです・・・。もう、目が、霞んで・・・。」

 

「おい、しっかりしろ!」

 

鉄哲はめぐみんを胸に抱き上げた。

 

「今先生方のところに連れて行ってやるから!」

 

「ああ・・・出久・・・あなた、を・・・」

 

「おい、しっかりしろって!なぁ!」

 

空に向かって伸ばされていためぐみんの手が、がくりと落ちる。

 

「おい!目を開けろ!おい!!」

 

「ぐぅ・・・」

 

「って寝てるだけかよくっそおおおおおお!!」

 

『試験終了ー!!』

 

こうして、めぐみんの雄英試験は終了した。




常闇君好きです。

長さは大体一話5000~6000文字くらいになりそうな感じですね。
原作でしっかり描写されていた部分は多少省き目で進行します。

次回:めぐみんと体力テスト
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