この爆裂娘にヒーローアカデミアを!   作:ぽち丸

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すいません。
短い上に次回予告詐欺になっちゃいました。
今日中に戦闘訓練編を投稿します。


めぐみんと放課後

初日の体力テストを終えた放課後。

めぐみんは、教室で保健室に行っている出久の帰りを待っていた。

・・・待っていた、のだが。

 

「お前凄い個性だったな!あ、俺は切島鋭二郎!」

 

「ドッカーン!凄かったよねー!私、芦戸三奈!」

 

「蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。」

 

「俺、砂藤!」

 

「俺は上鳴電気!」

 

「私、麗日お茶子!」

 

「お、おおお?」

 

めぐみんはクラスメイトに取り囲まれていた。

めぐみんは中学随一のぼっちであった。

いきなりこのように取り囲まれるのは人生で初めての経験である。

まして、他人に個性を褒められる経験もない。

精々出久くらいだ。

何が言いたいかというと、めぐみんは一気に有頂天となっていた。

 

「ふっふっふ。我が個性、“爆裂”があの程度の物だとは思わないで欲しいですね。今日は撃つ前に体力テストで消耗してしまいましたし、ボールを爆裂させる訳にもいかずテンションが上がりきりませんでしたから。精々本調子の時の80%といったところでしょう!」

 

「おおー!マジ!?100%見てみたいな〜!」

 

「俺は見たと思うぜ?入試、F会場だったろ?」

 

芦戸が100%を見たいと騒ぎ、上鳴が得意げに言う。

 

「あの0ポイント敵を吹き飛ばしたの、お前っしょ?あー、紅魔だっけ?」

 

「おっと、これは失礼しました。うぉっほん!」

 

一度わざとらしく咳払いを挟み胸を張るめぐみん。

 

「我が名は紅魔恵。紅魔族随一の天才にして、個性“爆裂”を操りし者!どうぞ、めぐみんと呼んでください。ちなみに私が入試で撃った“爆裂”は上鳴さんの言っているその一発だけです。」

 

「一発!?一発だけで受かったん!?」

 

「フッ。我が個性は一撃必殺。二の矢など存在しないのです。」

 

思わず聞き返した麗日だけでなく、周囲のクラスメイトは目を見開いた。

物は言い様だ。

本当に二の矢は存在しないというかできない。

が、普通に受け取ると“一発あれば十分だ”というふうに聞こえるのだ。

断片的な情報だけ渡して嘘はつかない。

もしかしなくても詐欺師の手法である。

 

「凄いのねめぐみんちゃん。でもね、私思った事はなんでも言っちゃうの。あんなに威力が高いと、逆に不便な事も多いんじゃなあい?」

 

「うっ。痛いところを突きますね。それに関しては今後の課題といったところですね。」

 

「なるほどなー。強いってのも大変なんだな。ところで帰りがけ捕まえちまったけど、紅魔は時間大丈夫か?」

 

砂藤の言葉にめぐみんは抑揚に頷いた。

 

「ええ。人待ちをしてまして。ほら、一人保健室に行ってるでしょう?」

 

「ああ、緑谷だっけ?でもあいつカバンないぜ?カバン持って保健室行って、そのまま帰るんじゃね?」

 

「えっ」

 

上鳴の言葉に出久の机にを見ると、確かにカバンがない。

 

「意味もなく待ちぼうけするところでした。では、私はもう帰るとします。また明日お会いしましょう。」

 

「おう、またなー。」

 

めぐみんは上鳴達に見送られ、カバンを背負って教室を出た。

すると後ろから、パタパタと走ってくる音がする。

 

「めぐみんちゃん待って!駅まで一緒に帰ろ!」

 

「ああ、えっと。麗日さんでしたか。構いませんよ。」

 

「お茶子でいいよ〜」

 

「では、お茶子さんで。」

 

一緒に帰る。

これはもしや初の同性の友人なのではあるまいか。

表面上は澄ました顔をしているめぐみんだが、その実内面は荒れ狂っていた。

何か話題を振らなくてはつまらない奴だと思われてしまう!

 

「お茶子さんは、何か趣味とかお持ちですか?」

 

THE無難。

なんの面白みのない話題な上に、相手によっては会話が途切れかねない。

出久と出会うまで友人いない歴=年齢だっためぐみんからすれば、かなり頑張ったほうだ。

それに対しお茶子。

 

「趣味かー。うーん、節約?めぐみんちゃんは?」

 

キラーパス。

または弾丸ピッチャーライナー。

めぐみんの趣味など爆裂くらいである。

しかし、ここから話を続けるには話題を広げていかなくてはならない。

話題を広げるには、共感できる話題でなければならず。

ここで爆裂と答えようものなら、“ふーん“で終わってしまう可能性が高かった。

紅魔族随一の天才の頭脳が高速回転し、答えをはじき出す。

この間わずか0.05秒にすぎない。

 

「旅行計画を立てるのが好きです。旅行雑誌を見ながら、どこに行ってどこで泊まってと色々考えてるのですよ。特に最近は日本の秘境巡りの計画をたててます。実際には中々行けませんが。」

 

「おぉ・・!なんか素敵だねそういうの!」

 

ちなみにこの旅行計画は、爆裂スポットを探しているだけであり、万が一計画を実行に移した場合日本の秘境が次々と更地になること請け合いだ。

秘境を破壊する謎の(ヴィラン)”爆裂魔“として新聞に取り上げられる事間違いなし。

そんな表面上は平和に聞こえる物騒な話をしながら歩いていると、前方に出久とメガネ君を発見した。

麗日が走って二人を呼び止めた。

 

「おーい、お二人さん!駅まで?」

 

「君は無限女子!それに爆発女子!」

 

「麗日お茶子です!」

 

「紅魔恵です。めぐみんと呼んでください。それとあれは爆発じゃなくて爆裂です。間違えないでください。」

 

「飯田天哉君に、緑谷・・・デク君!だよね?」

 

「デク!!?」

 

「え、だってテストの時爆豪って人が『デクてめえー!』って。」

 

「彼は出久。まあ確かにデクとも読めますが。出久。爆豪とは知り合いなのですか?」

 

「うん。かっちゃんとは幼馴染なんだ。デクってのはかっちゃんがバカにして・・・」

 

「蔑称か。」

 

「名を侮辱するとは、許せませんね。私であれば言われた瞬間に”爆裂“しているところですよ。」

 

紅魔族は名を大切にするのだ。

実際、小学生の時にめぐみんの名を笑った男子が、”爆裂“とはいかないもののめぐみんの鉄拳で鼻を折られている。

そんな事をしているから友達が居なかったのだが。

 

閑話休題

 

「そうなんだ。ごめん!でも、デクって頑張れ!って感じでなんか好きだ、私!」

 

「デクです!」

 

「緑谷君!?」

 

「ちょ、いいんですか出久!」

 

「そうだ!蔑称なんだろ!?」

 

「コペルニクス的転回・・・!」

 

「コペ?」

 

今までの帰り道と比べると、騒がしくも暖かい。

友達との交流に、自然と頰がほころぶめぐみん。

まだまだ課題は多く、やるべき事、やらねばならぬ事は多いだろう。

でも、このクラスメイトとなら超えていける気がする。

未だ見ぬ雄英での3年間に想いを馳せ、俄然ヤル気が湧いてくるのめぐみんだった。

だが、めぐみんはまだ知らない。

雄英高校の洗礼は、明日にも行われることを。




次回:めぐみんと戦闘訓練
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