正規軍特殊工作部隊ペルグリン・ファルコン隊(通称PF隊)は情報部と協力しての反撃急襲、撃破を命じられる。
そんな彼らの行く先には多数の困難が予想されることから、各所に援護要員が配置されていた。
覇王翔吼拳があっても違和感がない、つまり銃火器が蔓延る世界。
あるじゃん、メタルスラッグ!
俺の名は坂崎百太郎。
正規軍特殊部隊の潜入工作員で、偽装班に属する捕虜のプロだ。
階級は准尉。
最近反乱軍に対する攻勢を強める正規軍のため、先んじて潜入するのが我々の役目。
危険な役割だが、やりがいのある仕事でもある。
偽装班の仕事は多岐に渡る。
同じ偽装捕虜でも、武装を隠し持って突入部隊へ物資援助を行う者。
敵組織の内部情報を把握して伝える者。
そして我々のように、身一つで突入部隊に随行して直接的な支援を行う者がいる。
俺の上司は一文字百太郎。
数々の伝説を持つ偽装捕虜のプロフェッショナルで、階級は大魔王。
あの領域に立つ事が百太郎班全員に共通する夢でもある。
ちなみに、百太郎班と言うのは通称で正式な部署名じゃあない。
だが偽装班に属する百太郎の眷属たちを総称しており、我々の誇りとなっている。
さて、俺は准尉だが百太郎としての実績は中々のものであると自負している。
まあ百太郎の名乗りを許されてる時点でそれなりの実績はあるのだが。
俺が扱う気の源は極限流。
カラテと言う、東洋の神秘を極限まで高めた技を扱う流派を受け継いでいる。
中でも覇王翔吼拳。
これで俺は百太郎を許された。
歴代伝承者たちには敬意を表さねば。
覇王翔吼拳は全身を巡らせた気を一点に集中させ、特大の気弾として放出する極限流における奥儀の一つ。
それでも百太郎大魔王の波動の力には及ばない。
なにより、敵を感知し追尾する技なんて全くだ。
いつだったか、反乱軍に超科学の宇宙人が協力していたことがあった。
一人乗りの小型機とは言え、その宇宙船を一撃で撃ち落としたのだ。
これには敵味方全てが驚愕したもんだよ。
俺も、集中した虎煌拳でなら小型宇宙船は落とせる。
だが追尾能力はない。
どう頑張っても理解の一端すら掴めなかった。
だから俺は自分の持ち味を磨くことにして、今は覇王翔吼拳んで一掃する方向で修業を重ねている。
なお、百太郎大魔王は波動の力だけじゃない。
銃火器は持たないが、近接戦でも華麗な旋風脚で敵を薙ぎ倒す。
こちらも疾風脚などで対抗するも、まだまだ遠く及ばない。
実戦も含めて修行あるのみだ。
とは言え我々はあくまで支援部隊。
先行潜入したからと言って、派手に暴れては作戦に支障をきたしかねない。
自分の役割に誇りを持ち、やりがいを持ちつつ淡々と任務を遂行しよう。
なに、ちゃんとやってれば結果は後から付いて来るさ。
* * *
私は正規軍開発部に所属するエリート開発員。
反乱軍による世界的な軍事クーデターを抑えるため、高性能小型戦車を開発した。
その名はメタルスラッグ。
今では派生した様々なスラッグがあるが、その原点は私が開発したものだ。
いや、別に自慢したい訳じゃない。
ただ事実を…、こう言うと完全に嫌な奴だな。
本当にそんなつもりはないんだ。
むしろ、私が言いたいのは愚痴に近い。
メタルスラッグは高性能。
これは間違いない。
敵の銃弾も2発程度なら耐えられる。
しかも小さくバネもある。
機動性も十分だし、主砲のキャノン砲弾に角度自在のバルカン砲も備えている。
お陰で、技術が漏れて反乱軍の戦車にも性能が反映されたと聞いた時は頭を抱えたものだ。
それが後の性能向上や、派生スラッグの開発にも繋がった訳だが。
問題はそこじゃない。
いや、そこにも繋がるが。
一文字百太郎と言う者を御存知だろうか。
特殊部隊に属する潜入工作員なんだが、これが非常識の塊なのだ。
ちょっと訂正。
非常識の始まりだったのだ。
事の起こりは今から数年前。
反乱軍がクーデターを起こし、特殊工作隊が突入して鎮圧の一助を成した時だ。
当時少尉だった例の百太郎。
後手に回る対応に業を煮やしたのか、コイツは先行潜入する偽装捕虜を買って出た。
敵の目を欺き、後から来る工作隊の援助を行うと。
それを聞いた時は驚いたよ。
自殺行為だと。
潜入工作はいい。
それが工作員の仕事だし、色々助かってる面もある。
偽装捕虜もいいだろう。
工作の一環として出来る事は多々あるはずだ。
しかしだ。
武器の類は没収され、身一つで捕縛された状態からどう援助を行うのかと。
パンツの中に火薬でも仕込むのかと冗談交じりに思ったものだ。
事実は小説よりも奇なり。
あの百太郎とかいう奴は、何とその手からビームを放つのだ。
気弾と言うらしいが、これがそこらの砲弾よりも強い。
どれくらい強いかと言うと、メタルスラッグが1発でスクラップ処理されるほどだ。
メタルスラッグに向けて撃たれた事はないが、敵の戦車でそうなのだから間違いあるまい。
戦慄した。
コイツは人間なのかと。
その後、奴は幾多の戦場で同様の功績を上げ続けた。
やがて上層部は大魔王の階級を与える。
何だ大魔王って。
それは階級なのか。
などと思ったが、どの部署の誰も何も言わなかったから私も何も言わなかった。
組織に必要なのは右に倣えだからな。
さて、百太郎は大魔王になった。
何やら良く分からないが、ひとまずそれはいい。
問題は百太郎が増えた事だ。
どういうことか分からないだろう?
私だって良く分からない。
ただ現実に、特殊工作部隊偽装班に百太郎名義の兵士が増えたのだ。
よく見るとファミリーネームが違うから、別人なのは間違いない。
つまり奴に憧れた存在たちと言うことか。
それなら分からんではない。
軍にミーハーを持ちこむのはどうかと思うものの、士気高揚と言われればそれまで。
敢えて喧しく言う事でもない。
さて本当の問題はここからだ。
百太郎シリーズの中に、極限百太郎と呼ばれる存在が居る。
本名は坂崎だったか板崎だったか忘れたが。
コイツがとんでもない。
他の百太郎が一文字百太郎を小粒にした感じだとする。
コイツの場合、粒は粒でも大粒にした感じなのだ。
良く分からない?
じゃあもっと簡単に言おう。
極限百太郎が放つ気弾は大きくて、放射線上に物が無くなる。
意味が分からない?
そのままだ。
一文字百太郎の気弾は一撃で戦車を壊す。
極限百太郎の大きな気弾は戦車を破壊し吹っ飛ばす。
この違い、分かるだろう?
分からないなら君はもう末期だ。
諦めてくれ。
そのような訳で、百太郎は危険なのだ。
さて、私の胃薬代はどこに請求すればいいのかね?
部長か?元帥か?
大魔王に請求などしたら私が吹っ飛ばされる。
私はメタルスラッグを開発したエリート開発員。
だが百太郎の気弾に耐えうる装甲を求められても困るのだ。
正直、無理だ。
どっちでも?
どっちでもだ!
俗に言う一発ネタ。
気弾の威力は捏造。
原作キャラがまともに出て来ないのは仕様です。
ちゃんと書ければ書きたいですが、とりあえず短編にしてみました。
私は『X』を一番やり込みましたが、『3』こそが名作だと思います。
そして百太郎を上手く扱える人を尊敬します。