内容を分かりやすく努力したいと思います。
どうぞ!
学内対抗試合が第17小隊の優勝で終わりを告げたころ。
新たな行事がツェル二に近寄っていた。
都市対抗戦。2年に1度の周期で同じ性質を持つ都市同士で行われるセルニウム鉱山の保有をかけた戦い。実際はそれぞれの都市に生きる武芸者同士の戦いとなる。
いきなりだった。学内対抗試合が終わったばかりでのんびりしていたケプリはサイレンの音にびっくりした。これは近くに都市が近づいたことを知らせる音だ。これが鳴ると一般の生徒はシェルターを目指して移動する。
ケプリは生徒会長に呼び出された。
俺何かやらかしたかな。
いろいろ考えながら生徒会室のドアを開ける。そこには椅子に座ったカリアン、レイフォン、ヴァンゼ、フェリがいた。
フェリがいつもより怖い目でこちらを睨みつけてくる。
カリアンは相変わらず冷静だ。
『ケプリ君、君も座りたまえ』
椅子に腰を掛けるとカリアンが状況を説明する。
『いまツェルニに接近中の学園都市がある。名前が学園都市ファルニール。前回の都市戦の成績が2勝1敗。なかなかの強敵だ。今回の作戦はすべてヴァンゼに任せる』
カリアンに代わってヴァンゼが話を続ける。
『今回の作戦は第17小隊と第18小隊には都市外装備をつけて突入してもらう。だが、レイフォンとケプリはコンビを組んで2人で正面突破をしてもらう。後の者が援護をする』
「援護はいりません。後の者は守りに徹してください。俺たちが旗を取ります」
ケプリとレイフォンは外縁部にいた。目の前はファルニールがいる。
「戦声をするからレイフォンはいっきに進め俺もその後に続く」
『はい、そうしましょう』
レイフォンと簡単な打ち合わせを終わらす。
ファルニールとつながっている外縁部に5人の影が見える。
両学園都市の生徒会長が話し合いをしているところだ。
さらにもう1人大会派遣員がいる。
学園都市同盟、学園都市間で偏差が生まれないよう管理し同時に都市間の情報を売買を担当する組織。そこから送られた学生同士の健全な戦いにすべく監督する役割が大会派遣員だ。
話合いが終わり、それぞれが自分の位置に帰っていく。
「もうそろそろ始まる。準備はいいなレイフォン!気を抜くな!」
『はい、大丈夫です。先輩こそ気を抜かないでください!』
そして、始まりを知らせるサイレンが両学園都市から鳴り響いた。
ファルニールの武芸者が一斉に走る。
それに対して、ツェルニの武芸者は2人を前に置いて動こうとしない。
『なめられている!』
『いや、罠か?』
ファルニールの武芸者は呟くが足を止めない。
ケプリはようやく動いた。
「内力活剄の変化、戦声」
剄のこもった大声が空気を振動させる。
一瞬だが武芸者の動きが止まった。
レイフォンには一瞬で十分だった。レイフォンが蹴散らしていく。
それに態勢を崩した陣形に追い討ちをかけるようにケプリも蹴散らしていく。
ファルニールの武芸者はまるで歯がたたない。
2人の速度についていくことができない。
一方的な攻めにケプリはムカついていた。
「弱すぎるな!もっと強いヤツはいないのか」
『強いヤツがいないのはいいことじゃないですか。早く終わらしてしまいましょう』
そう言うとレイフォンは高くジャンプした。
ケプリもそれに続く。
「いっそう宝具を召喚して、いっきに旗まで飛ぼう」
『駄目です先輩。あれは強力すぎます。もし死亡者でも出たらどうするつもりですか』
「分かった。今回は使うのやめにしよう。だから早くこんなもの終わりにしようぜ!」
『じゃあ、さっさと旗をとりましょう』
中央にそびえ立つ旗を確認する。
屋根の上を移動しながら目の前に現れる敵だけを倒していく。
周りにいるヤツは無視して走る。
「あとちょっとだ!」
旗の近くには6人の姿がある。
あいつらがファルニールの精鋭たちか。
「期待させて貰おう!」
「俺は右の3人をやる。レイフォンは左の3人をやれ」
『分かりました』
短い会話を交わしてケプリとレイフォンは左右から攻める。
そして技も一緒だった。
『衝剄活剄混合変化、千人衝』
6人の武芸者は一歩たりとも動くことを許されなかった。
周囲からケプリとレイフォンの残像攻撃が襲いかかる。
数秒後にはすべてが地面に倒れていた。
『あっさり終わりましたね』
そう言いながらレイフォンは旗を手にした。
《ヴ~~~》
辺りに終わりを知らせるサイレンが鳴り響く。
「終わった~。今回は一方的な戦いになってしまったけど良かったのかな」
『いいんじゃないですか。今回ツェルニは負けてしまうと現在持っているセルニウム鉱山がなくなってしまいますから。何があっても今回は負けられませんよ』
「そうかな~。今回は一戦も負けないだろ!何しろ元天剣授受者のレイフォン・アルセイフがいるからな。いやレイフォン・ヴォルフシュテイン・アルセイフだったっけ!」
『先輩やめてください。もうその名前は捨てたんです』
「悪い悪い、冗談だよ」
「さて、戻ろうか!」
『今回の対抗戦負ける心配はなさそうだ』
生徒会室ですべてを眺めてたカリアンは呟いた。
ケプリは大切なことを思い出した。
「そういえば隊長たちとは結局会わなかった。気配すらも感じることができなかった」
『そういえばそうですね』
レイフォンも同じ事を考えていたようだった。
「いったいどこに!」
『今回の本当に良かったんですか』
『2人だけで対抗戦勝つなんてふざけているとしか思えません』
『これでいいんだ。おかげで今回ツェルニの武芸者の怪我の人数ゼロ人だ』
『しかし、これではリスクが高すぎると思います』
『いやこちらの方がリスクは低い。今いるツェルニの武芸者ではあの2人の周りにいるとかえって足でまといになってしまう』
ファルニールとツェルニの対抗戦はツェルニの勝利で幕を閉じた。
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