いくらなんでもこれは厳しい。
相手は天剣授受者。さらに天剣まで持っている。
サヴァリス・クォルラフィン・ルッケンス。槍殻都市グレンダンの天剣授受者の一人。格闘術をベースにした流派ルッケンスの出身。ルッケンス秘奥『千人衝』『咆剄殺』を使いこなす。
シロネン・ノイエラン・アヌビス。グレンダンの天剣授受者。現在の天剣授受者の中では最強と目されているリンテンス・サーヴォレイド・ハーデンに続く最強と呼ばれる女性。部門は不明で女王に育てられた。グレンダンにあるほぼすべての技を習得した。
こんな相手を1人で戦うなんて結果は目に見えている。
考える暇も無くサヴァリスの姿が消えた。瞬間、殺気が真上から降り注ぐ。
前に転がるようにして移動したときにはすでにさっき立っていた地面は陥没している。
ケプリは、そちらを向く余裕は無い。
もうすでにさっきまでこちらを眺めていたシロネンが目の前まで迫ってる。
振り下ろされる幅広の長剣の形状をした天剣(ノイエラン)をとっさにエクスカリバーで受け止めようとするが相殺しきれない。威力に押されて後ろに飛ばされる。飛ばされた先にはサヴァリスがいた。二人はこれを狙っていた!?
「まずッ・・・!」
『外力系衝剄、剛昇弾』
サヴァリスの拳から巨大な剄弾が放たれた。
「衝剄活剄混合変化、金剛剄」
放たれた剄弾をとっさに活剄による肉体強化と同時に衝剄による反射で耐えたがあれを後3回ぐらい食らったら終わりだ。
これでサヴァリスとシロネンに挟まれた状態になった。
この二人の強さはさすがに想像以上だ。
『さすが女王が必要としているだけあって強いな。私たちのコンビネーションは天剣たちの中でもトップレベルだよ。カウンティアとリヴァースのコンビは矛と盾。私とサヴァリスは攻撃だけを求めている。さあ大人しく来てもらうよ』
ケプリはエクスカリバーを左手に持ち替え、右手で剣帯からダイトを抜いて複元。
「さあ、こい。お前たちにはここで死んでもらう」
サヴァリスとシロネンが同時に動いた。
2人は同時に打撃を放ってきた。
サヴァリスの蹴りをエクスカリバー、シロネンの剣をダイトで受けとめる。
『あら、ただのダイトで天剣が受け止められるとは私も衰えたのかしら』
シロネンの言葉に気をとられていて反応が遅れた。サヴァリスの逆足から放たれた蹴りは避ける余裕も無かった。わき腹にサヴァリスの足が食い込み、吹き飛ばされる。
建物の壁を4つ破壊して次の建物の壁にぶつかってやっと止まった。
「ヴぇッ」
口から血を吐き出す。
回復する時間も無く次の攻撃が来る。
『衝剄活剄混合変化、千人衝』
「まずい!逃げられない」
一瞬にして周りをサヴァリスの残像が取り囲まれ、全身にたたきつけられていくき意識がだんだん遠くなっていく。
『もう、やめろ!サヴァリス』
ケプリはついに意識を失った。
サヴァリスがケプリを肩に担ぎ上げる。
『さて、グレンダンに戻りましょう』
2人は外縁部に泊めておいたランドローラーでグレンダンに帰還した。
5日後
目を覚ますと見知らぬ場所にいた。
5畳ほどの広さの部屋で机とかが置かれている。
どうやらグレンダンに連れてこられてしまったようだ。
驚いたことに剣帯にはちゃんとダイトが3つある。
「どういう事だ」
考えていると声がかけられた。
《女王がお待ちです。王室間に移動してください》
「えッ!誰も見張らないのか」
《はい。私がついてます》
天剣授受者の念威操者、デルボネ・キュアンティス・ミューラが蝶型の念威端子越しにこちらを見張っている。
この人からは絶対に逃げられない。グレンダンの中での情報は全て握っているといっても過言ではない。
扉を開けるとそこには見覚えのある通路があった。
「まさかこんなところにいたとは」
ここは1度来たことがあった。女王に呼び出された時だ。
またここに来るとは夢にも思わなかった。
少し歩くととてつもなくでかい扉の前にたどり着いた。
「ここか~!!」
《さあ女王がお待ちだ》
扉を押すと重たい扉が開く。
一番に目に入ったのは椅子に座る女王。
そこまでは予想通りだった。
しかし、他は予想と大きく違った。
女王まで続く通路には天剣授受者が並んでいる。
手前から
サヴァリス・クォルラフィン・ルッケンス
リンテンス・サーヴォレイド・ハーデン
カルヴァーン・ゲオルディウス・ミッドノット
リヴァース・イージナス・エルメン
カウンティア・ヴァルモン・ハーネス
バーメリン・スワッティス・ノルネ
ルイメイ・ガーラント・メックリング
トロイアット・ギャバネスト・フィランディン
シロネン・ノイエラン・アヌビス
ハイア・ヴォルフシュテイン・ライア
デルボネを除いてほとんどの天剣が集まるとはよっぽどのことじゃない限りありえない。
『くそウザッ』
この様子だとだいぶ待たされていたことだろう。
ついに女王が口を開く。
『さて集まったな。ケプリ・スカラベ。お前にはエアリフォスを与える』
エアリフォスはカナリスさんの天剣だ。てことは死んだのか!
「なぜ」
疑問をぶつけると予想もしてなかった言葉が返ってきた。
『理由は簡単よ。今、天剣は12人揃っていない。天剣はすべて揃わないと意味が無いの』
厭きれた。まさかこんな事情のためにここまで連れてきたって言うのか。
『もちろん強制ではケプリも納得しないでしょう。そこでチャンスを与える。この天剣を持って私を倒せたら帰ってもいいわよ。ただし負ければ天剣を握ってもらう』
笑みを浮かべる女王を引き気味で見る。
「いいですよ」
場所 外縁部
2人が向き合って立っている。
1人の後ろには10人の天剣たち。
『始めるわよ』
声が響き終わると同時に両者は動く。
ケプリは天剣を復元。刀の形に復元された天剣が女王の蹴りを受け止める。
今の女王の初撃を防げたのは奇跡だ。あのスピードは次元が違う。
10mのからたった一歩で距離を詰めてきた。
次の一撃は食らってしまうだろう。
せめて抵抗だけでもすることにしよう。
「こい、エクスカリバー」
これなら・・・
今から一発かましてやろうっと考えたが、先に女王に動かれていた。
『終わりね』
声が聞こえたのは後ろから。
だが反応することも許されなかった。
容赦なく女王の放った蹴りがわき腹に食い込む。そのまま宙を飛び地面に叩き落された。
もう体が言うことを聞かない。
「ただの蹴りだけでこのありざまか」
『どうやら決着がついたようね。約束通り天剣を握ってもらうわよ』
天剣か~っ!!!
俺が持つとは夢にも思わなかった。
ケプリの新たな物語が始まる・・・
一応これで終わりにしたいと思います。
今までありがとうございました。
また続きを投稿するかもしれません。