東方自己中~転生者は変わり者~   作:ライダ

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久しぶりに帰ってきました。またのんびり書いていきたいと思います。
つたない文かもしれませんがそれでも良ければおつきあいください。


Level1

【レベルアップ!】

 

聞き覚えのある音であり声だ。脳裏に響いたそれに気がとられているうちに俺は知らない場所に尻もちをついていた。

 

「え、どこここ?」

 

引きつり気味に出た声が現状の異常性をより鮮明に認識させた。確か俺はバイトが終わり家に向かっている途中のはずだった。乗っていたはずの自転車も消えている。

 

「ああだから尻もちを」

 

どうでもいいことを理解しながら立ち上がると広い湖が目に付いた、ってうそ!?

 

「ええ!?あの赤い館ってまさかあれ!!えええ嘘でしょ」

 

まさかそんなあれが紅魔館だなんてそんなわけがあるわけないし第一ピンポイントで霧の湖にでるとかありえないしこんな幸福があるなんて信じられないしああもうわけわかんないし

 

「ふぅぅ落ち着け俺冷静になれ」

 

そうだ俺は普通じゃない転生者だ。幻想郷の知識や他にも覚えていることはある。忘れていることもあるが幻想郷の、特に紅魔館のことは鮮明に覚えている。なにしろ夢でレミリアお嬢様にお前が必要だって言われたんだぞ。これはもう仕えるしかないだろ!たとえ俺の妄想だとしても一度は行っとくべきだそうするべきだ!!

 

「・・・うん全然おちつけてないな」

 

少し冷静になろううん。容姿端麗頭脳明晰の真逆を独走しているのが俺だ。つねにマイナス思考、無意味に終わり高確率で死ぬことを念頭に入れて行動するんだ。

 

「よしいこう」

 

最悪は想定したしここに居ても妖怪に襲われて死ぬ可能性が高いだけだ。日が高いうちに館まで行けばたぶん美鈴さんがいるはずだ。

 

「最高は何事もなく、最悪はチルノさんとかに殺されるか」

 

日が高いからレミリアさんは寝ている可能性も高いけどそこは待てばいいし部の悪い賭けじゃないはずだ。

 

 

運がいいのか悪いのか、俺は誰にも会うことはなく紅魔館までたどり着くことができた。

 

 

「正直チルノさんとか大妖精さんとかに会っても見たかったんだけどな」

 

大ちゃんの大ちゃんが本当に大ちゃんなのか気になるところではある

 

「そこで止まれそこの不審者」

 

「すいません」

 

邪な考えを気から読まれたのか不審者扱いされてしまった。ファーストコンタクトは最悪である。けれど初めて生で見れた紅美鈴さんだ。とてもじゃないけど直視できる姿じゃない綺麗すぎる!!

 

「聞いているのか!ここは紅魔館、人間が気軽に来ていい場所ではない」

 

「ありがたやありがたや」

 

「頭大丈夫ですか?」

 

いかん感涙極まって拝んでしまった。でも美鈴さんはやっぱり優しいんだな、こんな不審者心配してくれるなんて人間にはいなかった。

 

「すみません感涙極まってしまい。あの自分転生者でしてここで働かせてもらえないかと思い」

 

「やっぱり頭が」

 

だめだ自分で考えても頭がおかしい人だ。でもこの人たちに嘘はつきたくないしどうしようか思案していると美鈴さんから話しかけてくれた。

 

「えーと道に迷ったのならここをまっすぐ進めば人里に着きますよ」

 

「いやそうじゃなくてですね」

 

美鈴さんを説得するのに30分の時間を要した。

 

 

「へーそれじゃあ私たちのことは何でも知ってるんですか?」

 

「いえ何でもじゃないですね。日常は当然ほとんど知りませんし、どんな人がいるかとかどんな異変が起きるかくらいです」

 

それも確定じゃないと伝えると美鈴さんは笑って館内と連絡を取ってくれた。

 

いよいよ紅魔館内部に入れると思うと胸が苦しくなる。歓喜や緊張が入り混じっているのがわかる。初めての面接でもここまで胸が痛むことはなかった。顔色が悪いと美鈴さんが心配してくれたがここで引き下がるわけにはいかない。

 

「覚悟があるならいいです。お嬢様自ら見定めてくれるそうですので、中に入ったらメイドに従ってください」

 

「うぇ」

 

胸どころか心臓が痛み出した。想定内だけど限りなく最悪に近い形だ。レミリアさんに会えるのは嬉しいけど早すぎる。こういうのはもっと段階を踏むべきだと思う、まずは咲夜さんが先だと思うのだが。

 

「先ほどの情報は伝えてありますので気を落ち着けて望んでください」

 

「はひ」

 

最初の面接官をすっ飛ばしていきなり社長面接とか死ねる。会ったら精神的どころか物理的な死さえ起きかねない。美鈴さんの笑顔だけを脳裏に刻み俺は館の門をくぐることになった。

 

 

館の花壇が綺麗とかメイド妖精が可愛いとか、いくらでも目移りする物はあるはずなのにまったく視界に入らない。入る物は長い廊下と案内してくれるメイド妖精の後ろ姿だけだ。胸の痛みも一歩歩くごとに強くなっていく気がする。イタクテイタクテドウシマショウ。

 

「ここでお嬢様はお持ちです」

 

「はい、ありがとうございます」

 

一礼するとメイド妖精は業務に戻るのか飛び去ってしまった。

いいなあ飛べるの

 

扉に向き合うとさらにプレッシャーが圧し掛かる。胸が痛い頭が痛い吐き気がするでも会いたい会ってみたい。落ち着け深呼吸だ。容姿は最悪、服装は半袖ズボンの一般服、とても面接に臨む格好じゃない。

 

「・・・・・・さあ命を賭けろ俺。脳裏に姿を刻み込め」

 

覚悟を決め扉を3回ノックした。ちなみに2回はトイレだから気を付けろよな。

 

 

「入りなさい」

 

「しつれします」

噛んだ死にたい

 

「あなたが美鈴の言っていた男ね。最初に尋ねておくけど、あなたはここがどんな場所で私が誰かは知っているわね」

 

「はい、紅魔館の当主レミリア・スカーレットさまです。どんな場所なのかは理解しているつもりです」

 

「ふーん」

 

まじまじと俺を眺めてくるレミリアさん。見ているだけで魅了されそうだが、それよりも心臓を握りしめられているような感覚が酷い。能力で運命を見られているのか、どのように片づけるかどちらを悩んでいるのだろうか。

 

「一応聞いておくけど、あなたはここで働きたいのよね」

 

「はい」

 

「命の保証なんてないしあなたに出す給料なんてないわ、それでもいいかしら」

 

「構いません。紅魔館で働ける、あなた方に忠誠を誓えることだけで私は幸せです」

 

今までにないくらい言葉がスラスラでる。自分の本心は全て語ってしまった。あとはレミリアさんの御眼鏡にかなうかどうかだ。

 

「忠誠心は見事とだけ言っておきましょうか」

 

「ありがとうございます」

 

褒められて嬉しいが正直自分の発言が気持ち悪い。初対面の人間が忠誠を誓うとか何か裏があるのかと勘繰るし、なにより俺にそんなこと言われて嬉しいだろうか?逆の立場だと普通に気持ち悪いです。

 

「さて、じゃあ軽い試験でもしてみますか」

 

「え・・・!?」

 

レミリアさんがそう言い手を軽く振ると数発の光弾が向かってくる。見えるだけでも奇跡だけど予想の範囲内ではある。ただし

 

「ぉげぇ!!」

 

躱せるとは言っていない。ほぼ棒立ちのまま腹部に直撃し後方のドアまで吹き飛ばされた。体に風穴が空くかとも思ったがそこまでの威力はなかったらしい。やっぱりレミリアさんは優しいなぁ。

 

「無能に様はないわ。さっさと消えなさい」

 

「ごぉ・・・申し訳あり ませ ん しつれいします」

 

俺は不様にも地べたを這いつくばりながら一礼し部屋を出た。暫く立ち上がることは出来なかったが悔し涙だけは出続けた。

 

 

 

 

早起きは三文の徳って言うらしいけど嘘ね。地べたに這いつくばりながら部屋を後にする男を見るとそう思わずにはいられない。美鈴から連絡を受けて退屈しのぎになると思ったけど余計不満がつのっただけになった。

 

「あのーお嬢様」

 

「美鈴、だれが門を離れていいと言ったのかしら」

 

まったく、このこがこんなだから余計なネズミが入り込んでくるのかしら。

 

「す、すみません。でもさっきの人が泣きながら出て行ったので気になってしまって」

 

「あんな無能気にしても仕方ないでしょう」

 

大の男が情けないったらないわね。

 

「そ、そんなにですか。確かに強くは見えなかったですけど、お嬢様と戦って生きてらっしゃるんですよね?」

 

「あれを戦いとは言わないわ。私からしたら挨拶みたいなものよ」

 

本当は徐々に力を見極めるつもりだったのにたったの一発で戦闘不能、これじゃそこいらの子供と変わらないわ。

 

「そうなんですか?珍しい気をしていたからお嬢様も喜ばれると思ったのですが」

 

「・・・・・・まあ確かに最初は面白そうとも思ったわ。運命が全く見れなかったからね」

 

「それって結構すごいことなんじゃ」

 

「見れないってだけじゃ何にもならないでしょ、このイライラあなたで晴らそうかしらね」

 

「仕事に戻りますぅ!!」

 

まったく忙しないわね。でも運命が見れないことだけは本当に気になる。あの博麗の巫女でさえ干渉できるかは別として見通すことはできた。それが全く見れないってことはもしかして何か能力を持っていた?それか無能を偽っているかだけど・・・少し早まったかしら。

 

「ま、気にしても仕方ないわ。縁があればまた会うこともあるでしょう」

 

私の試験に反応だけはしていた様子だったし運が良ければ生きられるでしょう。

 

 

 

 

「死ぬ」




主人公はイケメンじゃないです。不細工です。

そんな男が次から変身します。それが耐えられない人はブラウザバック推奨です。
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