よろしければお楽しみください。
【ガシューン】
頭の中で響く音、まさに気分は負け犬そのものだ。レミリアさんの突然の攻撃を避けることもできずまともにくらった俺は無能らしく森の中を人里目指して歩いていた。
「はぁぁ・・・げほっ ああー痛い、心も体もいたいです」
【ガシャット!】
無能なのは理解してるからいい。この結果も想定の範囲内、生きてることを踏まえれば最高の結果ともいえる。でもレミリアさんの期待にそぐえなかったことが何より悲しい。あの別れ際の表情など二度と見たくないと思うほど失望感にあふれていた。
「あそこで転んででも避けれられてたら何か変わってたんかな」
【ガシューン】
それはそれで生存から死亡に変化しそうだったけど、レミリアさんの退屈しのぎになれたんだったらそれでも良かったのかもしれない。
「そういえば咲夜さんの姿を見なかったけど買い物にでも行ってるのかな」
【ガシャット!】
片づける咲夜さんのことを考えれば被害が少ない今回もいい結果だと言えるか。死体の掃除とか俺だったらやりたくないし。うんそう考えることにしようそうしよう。
【ガシューン】
「うるさいわ!!」
ガシャガシャガシャガシャうるさいにもほどがある!頭どころか腹にまで響きそうだ。外に出てから延々と頭の中に響く音は最初は痛みの気晴らしになった。でも延々と続けばただの嫌がらせだ。いい加減に静かになってほしい。
「うう、しかし不気味だな」
音に気をとられて気付かなかったが夜の町よりも明らかに怖い。森の中なんて初めて歩いたけど同じ景色ばかりで不気味だし目がゲシュタルト崩壊しそうだ。もしかして妖精に化かされてるとかあるかな?それだったら光の三妖精を希望する。
ガサッ
「ひっ!?」
妖精か?でも三妖精は音を消せるからそれはないし
「ゲゲ、エサダエサダ」
「ああはいはい死ぬ死ぬ」
まあそんなもんだよな!走って逃げれるかどうかなんて考えている暇はない。俺は一目散にその場から逃げだした。
「フッフッフッ」
「ニゲロニゲロ、ソノ畏レガカテトナル」
言われなくても逃げるわ!食われるんだったれせめてルーミア姉さんに食われたいわい!!
「タイリョクノナイニンゲンダ」
「ギィ!?」
速度が鈍っているのがばれたと思ったら、後ろから何かを振り切った音が聞こえるとそのまま地面に転がった。腕が痛むと思ったら引っ掻かれたような大きな傷から血が流れ出していた。
「デブに体力求めるとか!」
「チ、コザカシイ」
とっさに投げた土が目に入ったのか妖怪が怯んだ。その隙に逃げ出そうとしたのだが
「!? うそ だろ」
今度は横なぎに吹き飛ばされ木に叩きつけられた、よく吹き飛ばされる一日だ。一体じゃない可能性も十分あったけど最悪のパターンだ。
「・・・・・・死ぬ」
幸運と不幸は同じだけあるっていうけどそのツケがいっぺんに回ったんだろうか?二体だと思っていた妖怪はそれ以上確認できるだけでも十体はいる。
【ガシューン】
【ガシャット!】
うるせえっつうの、俺の頭は壊れたテープレコーダーでも入ってんのか。
「オレノエモノダ」
目を擦りながら歩いてきた妖怪は不愉快にも涎をまき散らしながら近寄ってくる。
【ガシューン】
【ガシャット!】
「ゾウモツハオレノモノダ、オマエラハノコリデガマンシロ」
「アア」 「ハヤククワセロ」 「ハラガヘッタ」
好き勝手いいやがって、お前らレミリアさんと比べたら全然怖くないからな!月とすっぽん蟻と象以上の差があるからな。
「ヒザガワラッテイルゾ」
「武者震いですし!!」
「ジャクシャハシネ!」
俺に向かって振り下ろされる鋭利な爪、体はまだ動く今度こそ動けば避けら【ガシューン】
「うるさいバカやろぉぉぉ!!」
「チッ」
タイミング逃して貫かれると思ったが、避けるどころか大の字に転んだため俺の頭上を爪が通かすることになった。
「ムダナテイコウダ」
【ガシャット!】
最後まで!!?ガシャガシャ言うならベルトとガシャットよこせやぁぁぁぁ!!!!
ガキン!!
「ああ?」
「グ、キサマアジナマネヲ」
人体をついたとは思えない音と共に妖怪が爪を抑え後ずさりする。よく見ると爪にはひびが入って周りの妖怪もざわめきだしている。腹的にボヨンはあってもガキンはあり得ないだろと、腹部を見るとさらにありえないベルトが巻かれていた。どうやらこれが攻撃が弾いてくれたようだ。そして手にはあのゲームがある。
「よ、よりにもよってなんで せめて完全に身体再構成してくれるやつならよかった!」
デブに変身とか誰が得するのか。なにかの程度の能力?それともレミリアさんのおかげ?大穴で紫さん?
「ツギコソマヨウナ!」
って考えてる場合じゃない!レベル1ならまだいいよな。俺は地面を転がりながらなんとか攻撃を躱しゲームを起動した。
【マイティアクションX】 【ガシャット!】
【レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!アイムアカメンライダー】
音声と共にゲームフィールドが広がり視点が変わる。少し視界が心配だったけど杞憂だった、はっきりくっきり驚いてる妖怪が見える。しかし初変身転がりながらとか視聴率とれなそうな番組だな。
まあ人間の姿がいきなり変わったら誰でも驚く俺でも驚く。
「コケオドシダ」
「うわ!?」
妖怪の攻撃を腕を組んで阻むと逆に妖怪の爪が壊れる結果に終わった。
「ざまぁ」
「グオオォォ」
立ち上がって妖怪を殴りつけると近くの木まで吹き飛んだ。まるで別人のような動き、力にに自分でもびっくりだ。レベル1とはいえさすがのスペックだ。
「オマエタチヤレ!」
「「「オオオオオオ!!!」」」
指示に従い一斉に向かってくる。普段だったらゲームオーバーだったがライダーのスペックを舐めてはいけない。見た目と違い素早い動きができるようになった俺はブロックを足場にジャンプしてその場を離脱し距離をとった。
「ハンマープリーズ!」
【ガシャコンブレイカー!】
俺の意思と連動してかガシャコンブレイカーが現れ俺の手に納まる。なんか感動である。
「いくぞオラぁ」
【ヒット!】【ミス!】【ミス!】【ヒット!】【ミス!】【ヒット!】【ヒット!】【ヒット!】【ヒット!】
最初こそ空振りしたものの何回か振るにつれ当たるようになってきた。妖怪も一撃で沈むことはなく何度も打撃を与えるうちに何体かが爆発した。ちょっと物騒だけど死体が残るよりは精神衛生的にいいな。
「これで一気にいく」 【高速化!】
ブロックを破壊しアイテムの力でフィールドを駆け巡り最初の妖怪以外は全員倒した。
「キ、キサマエサノブンザイデ!!」
「窮鼠猫を噛むって言うだろ。残念だけど俺の生涯を捧げる相手は既に決まってんだ、お前はここで終わりだ」
【ガシューン】 【ガシャット!キメワザ!マイティ・クリティカルフィニッシュ!】
「くらえやバカやろぉぉ!!」
「グアァァァァ!??」
脳天めがけて振り下ろした一撃は相手をばっちり捉え、同じ妖怪とは思えないほどの大きさの爆破音と共に爆散した。終わったと同時に緊張が解けたのか変身も解除され仰向けにぶっ倒れてしまった。
「ゲームクリアだこんにゃろう」
一気に疲労が襲いかかってきたのか指一本動かない。肺も苦しいし切られた腕も叩きつけられた場所も相当痛い。辺りを相当騒がせたんだから動かないとやばいのにそれどころか意識を保つことすらきつい、血を流しすぎたのかな?
「・・・ずいぶん派手に暴れたのね」
なんか声が聞こえるけどもう無理だ。せめて人間か良性の妖怪であることを願いつつ意識は途切れた。
主人公は能力もちです。変身できたのはそのおかげです。