「殺す……!」
炎司の目は、怒りに満ちあふれていた。それは炎司が来る数分前……
入江は無茶苦茶だった。茂のツルは燃やす。戯介の攻撃も対等に張り合い、入江の方が余裕だった。二人は苦戦するも何とか入江を拘束することができた。はずだった。気付いていたら、二人は殴られていた。
「何だこいつ……」
「“
聞こえたのは、その言葉だった。
「こいつらは強いんだぞ。一体どんなタネがあるんだ?」
「簡単な事だよ。刻を止めたんだ。ただそれだけの事だよ」
「そんな能力まであるのか……!」
「そうだな…。私も驚いたよ。そもそも何故能力が生まれたのか知ってるかい?」
炎司は敵の言葉に聞き入ろうとしていた。
「色々な仮説はあるが……、人は夢を見る。その夢が形になると言われている。それが能力だそうだ。一方、君のような動物、幻獣になる君は遺伝子の隅にその動物の遺伝子があるそうだ。だが、人間の中に幻獣の遺伝子はないはずだ。だから、敏正は悩んだ。やはり、実験体がいないとなあ……。」
次の瞬間、一瞬にして殴られた。炎司は血を吐いた。
(これがクロックか……見えなかった……!)
「この攻撃で立っているとは……、君はやはり、強いよ!」
炎司は自身を回復しつつ、入江の様子を伺っていた。数秒後、またもや、見えない攻撃に襲われた。
「ぐふっ……」
(痛ぇ……、でも、分かった!刻を止めているのは、およそ十秒程度…?その後、数分のインターバルを有している!その証拠に数を重ねて、攻撃をしている!)
炎司は考えた。そして、一つの結論にたどり着いた。
(あれしか、ないな……)
炎司は構えた。入江もそれに対して構えたが、炎司は何もしなかった。
(何をしているんだ?隙だらけじゃないか!)
入江は刻を止め、好きなだけ攻撃をした。
数秒後、炎司は血を吐きながらも、構えていた。その後も、何十発もの攻撃を受けながらも、炎司は構えていた。
(そろそろかな……)
炎司は微笑んだ。
「何故笑っている?お前の勝率は一%にも満たないぞ?」
「それは……、どう……かな……?」
すると、炎司の右腕が急に燃えだした。
「何だその炎は……!?」
「俺が構えたときから受けた攻撃を溜めておいた……」
「何と!そんな事まで出来るのか!」
炎司は腰を落とし、右腕に力を溜め放った。
「“
出した拳は、太陽の如く燃え上がり入江を炎に包んだ。電波塔の装置を破壊した。
炎司は入江に勝ったと思っていた。しかし、入江は死んではいなかった。
「まさか……、ここまでとは……。私の“盾”を破り、“ショック吸収”をも越える威力とは……。やはり、君は凄いよ!」
「クソ……」
「だが私達はもう闘う理由がないようだ」
炎司の攻撃は電波塔の装置を破壊したので、もう機能は停止していた。
「君とは又逢える気がするよ……」
そう言って入江は消えてった。
入江は、何かを思い出したように顔だけを出して、
「早く戻った方が良いよ」
入江は不気味に笑っていた。