警察本部 零課   作:もののあはれ

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二十二 回想 救出

 大輝と西が結婚して、ある一人の子どもが生まれた。それが神楽灯(かぐらともる)だ。しかし、その子は能力は発現したが「古典型」だった。しかも、世にも珍しい幻獣種だった。

 子どもは、幼いときは能力のコントロールが悪く、下手したら、人を殺めてしまうこともある。だが、大輝たちはこのことを隠し、能力を“炎”として生活をしてきた。

 だが、灯が二歳のとき、誤って幻獣化してしまった。それが国にバレ、大輝たちはやむを得なく灯を政府に差し出した。

 そして、その三日後、政府が失敗作の殲滅をヘラクレスに命じた。もちろん、大輝は降りようとした。しかし、この作戦を逆に利用しようと考えた。

 (灯は、俺が守る…!)

 そして、殲滅作戦当日、大輝たちヘラクレスは離島へ向かった。そこで見たのは、おびただしい数の失敗作だった。全般が未成年で、成人は既に処分されている。こちらを見ると、威嚇をしてくる失敗作に大輝は胸を痛めていた。

 「必ず助けるぞ…!だいき…!」

 大輝は静かに頷くだけだった。

 島に着いた瞬間、殲滅作戦が始まった。入江や、郡谷は、目の前の失敗作を勢い良く吹っ飛ばしている。大輝は、周りの目を見計らって道を外れた。大輝の目的は一つ。灯を助けること。

 

 灯を探して、五分経過。度々失敗作に出会うが、どれも灯ではなかった。出会った失敗作は、殺す気も無く気絶だけさせた。

 もしかしたら、他のメンバーが殺してしまった?いや、こんな速さで行動してるわけがない。

 すると、無線から器一の声が聞こえてきた。

 『だいき!!』

 「見つかったのか!?」

 『早く来てくれ!灯くんが…!』

 大輝は、器一に言われた場所へと急いだ。

 

 そこには、灯と器一、更にはヘラクレスのメンバー、心田操太朗がいた。灯は炎をあげ、雄叫びをあげていた。

 「大丈夫か!」

 大輝は、炎で加勢した。

 「灯くん、こんなに強く…!」

 「子どもはある意味、加減を知らないからな…!」

 横から、心田が割って話してきた。

 「何で操太朗が…?」

 「心を読まれてしまった…!でも、操太朗も同意してくれた!」

 「私も元々は、この計画に反対だった。“大道寺博士との約束”もある…。だが、私は捕まるわけにはいかない…!」

 大輝たちは深くは聞かなかった。心田操太朗の考えは確実であることがわかっていたからである。

 心田操太朗は元科学者で、P3の実験にも参加していた。そして、大道寺の才能に惚れ、尊敬していた。P3が成功すると、強力すぎる能力が目覚め、ヘラクレスに勧誘された。

 「神楽君!この子を行動不能にすることは可能か!?」

 「多分できる!」

 「頼む!」

 大輝は、胸の辺りに丸い炎の球を作った。大輝はそれを灯に向かって投げた。投げた球は灯に当たり、灯はその炎に吸い込まれた。

 「後は、何とかやり過ごすぞ…!」

 「何をやってるんだ…!?」

 声がした方に振り向くと、そこには、入江與と郡谷凍斗がいた。

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