「何をやってるんだ…!?」
こいつらが現れなければ、灯は助かっていたはずだ。あと。あともう少しだったのに。
「お前達、悪いことしようとしてないよね?」
「そんなはずないだろ。さぁ、殺しに行くぞ?」
心田のアシストにより、その場を逃れた大輝たちは失敗作を殺していった。と言っても、先に入江や郡谷が殺してしまうが。
そして、失敗作を一通り殺した後、入江たちは止まった。
「私はね、思ったんだよ。私や凍斗、操太朗は気が合うのに、君達二人とは全然合わない。…だからね。今、殺す…!」
入江の腕はガトリングガンに変わり、大輝たちを襲った。
「神楽や武田の能力は貴重だ!みすみす殺すなよ?」
そう言うと、郡谷は不気味に微笑み、足から氷を発生させた。その氷は、大輝が相殺させた。
「クソっ!操太朗!お前も殺せ!」
心田は俯いていた。ブツブツと何かを言っていた。
「解け!神楽君!あれを!」
大輝は何も言わず、炎の球を解放した。炎の球から解放された灯は、雄叫びをあげた。その雄叫びで周りの木々が燃えた。
「何だこいつ…!凍斗!」
郡谷は、氷で灯を覆った。しかし、一瞬にして氷は溶けてしまった。灯は九本の尻尾を伸ばした。すると、灯の周りの木々は溶けてしまうほどの炎が舞った。
辺り一面が平地になった中、立っていたのは大輝だけだった。そして、その近くにいた武田と心田が無傷だった。大輝は、口から煙を吐き、手は焦げていた。あの時、大輝は咄嗟に自分の周りの炎を瞬時に吸収した。
渾身の一撃だったのか、灯は人の姿に戻っていた。
「灯!」
大輝は、灯の元へ駆け寄った。
「パパ…!ごめんなさい…」
「泣くなよ、灯!良いか?お前の炎じゃ、俺は死なねぇ!」
「パパ…」
「なるほど…!その子は君の子どもだね…?」
振り向くと、大輝と灯は宙に浮いていた。
「いち!」
大輝の着地と共に灯は武田によって、抱えられていた。しかし、遅かった。入江によって、刻を止められていた。悠々と入江は歩き、大輝と武田の能力を奪った。心田の能力を奪おうとしたとき、炎が舞った。
(クソっ!こいつ動けるのか!?)
そのとき、刻が動き始めた。
「能力が使えない…!?」
その後、入江や郡谷に死寸前までに追いやられた。
(これはヤバい…!)
そう思った心田は灯以外の者の脳を洗脳させ、五感を停止させた。
「いいかい?灯くん、今から言う通りに動いてくれ。」
心田は耳打ちをした。
「この作戦は、キミの行動力がカギになる。キミは神楽大輝君の子どもだからできることだ。…良いね?」
灯は泣きながら頷いた。心田は灯の頭を撫でた。
(僕から離れないでね…)
(“
そして、心田は、入江や郡谷の記憶をすり替えた。
入江たちの火傷痕は、大輝との戦闘によるもの。
入江は大輝に勝ったということ。
入江は能力を確認した。もちろん、“炎”も“武器化”もある。入江は心田に何も言わず、船へ戻っていった。
船で東京に戻ると、心田は、政府の人を押しのけてどこかへ行った。
「どちらへ…?」
「用事を済ます…!」
裏路地へ向かった心田は人目が気にならなくなると、“
「よくついて来れた…!よし、次は、キミは遠くへ行ってくれ。できるだけ人目がつかないところへ行ってくれ、そこで隠れていてくれ。必ず迎えに行く。良いかい?」
灯は静かに頷いた。
「すまない…」
そして再び心田は、灯に“
心田は、静かに歩く灯の見えるはずの無い背中を見て泣いた。
しかし、心田は、灯の元へと行けなかった。