警察本部 零課   作:もののあはれ

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二十六 岩柱VS横田一哉

 <国会へ行ってから、二十分が経過>

 

 草木が入江を倒した後、戯介は“キングカズヤ”こと横田一哉との肉弾戦を繰り広げていた。

 その数およそ二千発。戯介は、息を切らし拳が赤くなっていた。一方横田は、息切れ一つも無しに余裕の表情を醸し出していた。

 (こいつ…、やっぱり硬ェ…!それ以上に何だこの体力は。無限なのか…?)

 「どうした!威力、スピードが落ちているぞ!もっと、俺を楽しませろ!」

 戯介は、防御の甘かった場所に拳が入り、打ちっぱなしのコンクリートに吹っ飛んだ。

 (痛ゥ…!)

 戯介は髪の毛をむしり、息を吹きかけた。息で舞った毛は、瞬く間に自分そっくりな分身へと化した。十以上いるであろう分身は、横田へ襲いかかった。

 毛分身は、本体の強さを五とすると、毛分身は三程度。一定のダメージを受けると煙と化すが、それほどやわじゃない。そんなはずなのに、横田が一回攻撃するだけで毛分身は消えてしまう。

 「俺を誰だと思ってやがる!男子総合格闘技無差別 XXX(トリプルエックス)級絶対王者だぞ!?知らねぇわけではあるまいし」

 

 男子総合格闘技無差別級XXXとは、このP3が生まれてできた試合である。

 X、XX、XXXと別れており、国の軍隊をも参加する試合であり、その中で、高校生が優勝するのは異例であった。横田は、この試合まで平凡な生活をおくってきたが、急に戦闘に目覚めたらしい。

 

 「強ェな…」

 「もっと楽しもーぜ!」

 「いや、もうケリをつけよう…!」

 戯介は、胸の前に拳をぶつけた。

 「“幻獣化(オリジン)”」

 戯介の体は、みるみるうちに大きくなり毛深くなった。

 「それが、本当の姿か!」

 横田は構えた。

 「行くぞ!」

 戯介の拳は、横田に放たれた。しかし、横田は華麗に避けた。その威力は向こうの壁にヒビを入れた。

 「“Ⅶ(セブン)”」

 横田は、右ストレートを戯介に当てた。真正面に受けた戯介だったが、ビクともしなかった。

 「ほほう…!Ⅶ(セブン)でもビクともしないのか!」

 次の瞬間、横田の腕が見たことない形になった。

 「本気でいく!」

 横田のパンチをくらった戯介は、二メートル程吹っ飛んだ。

 (重ェ…。何より、硬ェ…!)

 「これが、俺の最高硬度“Ⅹ(テン)”だ!」

 これが、こいつの本気か。やはり「國﨑の懐刀」だけある。

 「俺も、もう少し本気を出そうかな…!」

 「何を言っているんだ!下らん!」

 しかし、次の瞬間横田は、足が震えだした。

 「何だこの感じ…。経験したことねぇ…!」

 戯介は、牙を剥き出し、着ていたパーカーはビリビリに破け、毛が生えてても分かるぐらいの筋肉が出ていた。

 (これは、人だけで味わえる恐怖じゃねぇ…!)

 「どっちを選ぶ…?逃走か、敗北…」

 横田は構えたが、足がガクガクに震えていた。

 「い、いやだ…」

 「“王猿(キングコング)”」

 戯介の一振りは横田の天高く打ちつけ、天井ごと無くなった。

 「情けねぇ…」

 

 横田一哉(おうだかずや)能力“硬質化”

 ・自身を硬くすることができる。Ⅰ(ワン)からⅩ(テン)までもの硬さを持っている。ちなみにⅩはダイヤモンドぐらい。

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