警察本部 零課   作:もののあはれ

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二十八 狐の覚醒

 「能力を分解だと…?」

 炎司は、眉間にしわをよせ言った。すると心田が

 「國﨑は昨日、入江によって能力を二つ得た。その一つが“分解”。触れた対象物を分解することができる。そして、もう一つは…」

 「知る必要無いだろ…?」

 次の瞬間、床がボロボロに崩れ落ちた。

 「何だこれ!?」

 國﨑が手をかざすと、ボロボロだった床がみるみるうちに棘に変わり、炎司たちを襲った。

 「心田さん、これ本当に“修復”ですか…?」

 「國﨑は、“分解”と“修復”を合わせ持つ新しい能力“オーバーホール”…」

 「心田さんは、下がってて下さい。俺がやります…!」

 「頼む」

 炎司は、國﨑の前に立った。

 「せいぜい、私を楽しませてくれよ…!」

 炎司は構えた。

 「ここじゃあ、手狭だな…」

 そう言って、國﨑は右手をかざした。その瞬間、総理室の壁がボロボロと崩れ落ち、そのかわり、床がどんどんと広がっていった。

 「どうだ、少しは動きやすくなったか」

 國﨑がまばたきをした瞬間、炎司は國﨑の背後を獲り、首筋にチョップをした。しかし、チョップをしたはずの炎司が吹っ飛んだ。

 「痛ゥ…」

 國﨑の背中には、腕が四本生えていた。

 「“複製”も面倒だな…!」

 國﨑の能力は、“複製”。自身や周りのものを複製することができる。

 「能力を複数持つということを教えてやろう!」

 國﨑の六本の腕が全て地面についた瞬間、地面が崩れた。それと同時に地面がくっついた。地面はこれを繰り返し、龍のような形になった。

 「“分解修復(オーバーホール)”…!」

 國﨑の作った龍は、炎司を襲った。炎司は幻獣化したが、敵わず炎司は人型に戻り吹っ飛んだ。炎司は、地面に強く体を打ちつけ、立つのもままならない状態だった。

 (何だあの精密さは…!昨日得た力でこんな操作できんのか…!)

 「お前は、弱いな…。だから、大切な人を守ることができないんだよ!」

 國﨑の龍は、遠くにいた大道寺と心田を吹っ飛ばした。大道寺と心田は、別々の方向に吹っ飛ぶ。大道寺は、運悪く國﨑の目の前に倒れ込む。

 「良いか焔、弱いとこうなることを教えてやる!」

 國﨑は、大道寺に手を当てた。次の瞬間、大道寺の上半身が吹っ飛んだ。至る所に血は吹っ飛び、内臓はそこら中に落ちていった。

 「オヤジィ!」

 炎司は、大道寺のもとへ駆け寄り大道寺を回復しようと試みた。しかし、大道寺は回復する気配がなかった。

 「一度分解したものは、修復でないと戻らない…!これで思い知ったか…!焔ァ!」

 「黙れ」

 炎司の一振りで、國﨑が飛んでいく。國﨑も防御はしたが、骨が折れた。

 (何だ今のは…!?)

 「まさかここで、覚醒するなんて…!」

 心田がそう呟いた。

 「何だその力は…!」

 「よくも、よくもオヤジを…!」

 炎司は雄叫びをあげた。その雄叫びと共に、炎司の周りにヒビが入り、気が辺りのものを吹っ飛ばした。

 「あんな能力、見た事がない…」

 「実はね…」

 横から心田が、割って入ってきた。

 「実はね灯くんには、もう一つの能力があるんだ…!父親に神楽大輝から受け継がれた正義の心…!その名は“正義感(ジャスティス)”…!」

 「何だと…!」

 彼の背中には、炎のマントがかかっていた。

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