あの大事件が終わり、残ったのは、歪な形の国会議事堂だけだった。
事件後、すぐに警察が駆けつけた。事件の主犯の國﨑敏正は、警察によって逮捕された。國﨑の懐刀やヘラクレス、政府の役人は、半ば強制的だったため、見送られた。
警察によって平静を保った日本は、夢の特効薬のお陰で、日本人はP3の能力を失った。日本国民は、戸惑いで選挙もできないまま、内閣総理大臣は、二年もの間、欠番のままだった。
そして、事件発生から二年が経った二〇二二年。夢たちは二十歳になり、成人式を迎えていた。二年前は歪な形の国会議事堂も、半年前に再建していた。長々しい市長の話を聞きおわり、腕を伸ばす夢は、久しぶりに会う高校の同期を見つけた。
「戯介!」
「夢か?」
「綺麗になっちまってェ!」
夢は、振袖に化粧で二十歳には見えないほど妖美で綺麗だった。
「くっそぉ!もう一回告ってやる!」
戯介は、夢に恋をしていた。去年戯介は、夢に何回も告白をして、
「もう、諦めて!」
夢は、戯介に目くばせをした。
「またやってるよ…!」
後ろから、佐助に海人、弁慶がやって来た。
「みんな!」
「俺ら学校行ってないけどな…。
海人が言った。
「夢!」
遠くの方から茂が、叫んできた。
みんなだ。みんな元気だ。茂なんか
「懐かしいね!このメンバーで会うの!」
まだ二年しか経っていないのに、そう感じる。
「皆さん、お揃いで…」
そこに現れたのは、國﨑義正と横田一哉、國﨑笑里だった。
國﨑は持ち前の冷静さとリーダーシップで二十歳になったと同時に異例の総理大臣に任命された。横田も、ボクシング選手となり、三冠にも輝いた。
前々のメンバーが顔を揃えたのは二年ぶりだった。しかし、まだ一人いる。
「俺たちのこと、炎司は見ててくれてるかな…!」
「見てるよ、絶対に!」
暗くなった場面を明るくしたのは、戯介だった。
「よぉし、これから、飲みいくか!」
みんながそれに賛同する。そして、みんなは歩き出す。
「俺を殺したことにすんなや!」
そうツッコミたがったが、それでは気づかれると思い止めた。その男は、夢たちを見ると、笑顔になり、夢たちとは逆の方向に向いて歩き出した。
「まさか、夢にあんな勘違いさせるとはなぁ」
炎司は、録音の時間制限があんなに短いと思わず、変なところで切れてしまった。
あそこは“好き”ではなく、“隙”何だよな。本当は「夢、隙だらけだよお前は…!気を付けろよ」だったのにな。まあ。とにかく、無事ならそれで良い。
「幸せになれよ、夢…!」
炎司は、行く宛てなく、適当に歩いて行った。