警察本部 零課   作:もののあはれ

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三十一 全ての終わり

 あの大事件が終わり、残ったのは、歪な形の国会議事堂だけだった。

 事件後、すぐに警察が駆けつけた。事件の主犯の國﨑敏正は、警察によって逮捕された。國﨑の懐刀やヘラクレス、政府の役人は、半ば強制的だったため、見送られた。

 警察によって平静を保った日本は、夢の特効薬のお陰で、日本人はP3の能力を失った。日本国民は、戸惑いで選挙もできないまま、内閣総理大臣は、二年もの間、欠番のままだった。

 

 そして、事件発生から二年が経った二〇二二年。夢たちは二十歳になり、成人式を迎えていた。二年前は歪な形の国会議事堂も、半年前に再建していた。長々しい市長の話を聞きおわり、腕を伸ばす夢は、久しぶりに会う高校の同期を見つけた。

 「戯介!」

 「夢か?」

 「綺麗になっちまってェ!」

 夢は、振袖に化粧で二十歳には見えないほど妖美で綺麗だった。

 「くっそぉ!もう一回告ってやる!」

 戯介は、夢に恋をしていた。去年戯介は、夢に何回も告白をして、(ことごと)くフラれたいた。

 「もう、諦めて!」

 夢は、戯介に目くばせをした。

 「またやってるよ…!」

 後ろから、佐助に海人、弁慶がやって来た。

 「みんな!」

 「俺ら学校行ってないけどな…。英雄(ヒーロー)として呼ばれてよ…」

 海人が言った。

 「夢!」

 遠くの方から茂が、叫んできた。

 みんなだ。みんな元気だ。茂なんか(ひげ)を生やしている。

 「懐かしいね!このメンバーで会うの!」

 まだ二年しか経っていないのに、そう感じる。

 「皆さん、お揃いで…」

 そこに現れたのは、國﨑義正と横田一哉、國﨑笑里だった。

 國﨑は持ち前の冷静さとリーダーシップで二十歳になったと同時に異例の総理大臣に任命された。横田も、ボクシング選手となり、三冠にも輝いた。

 前々のメンバーが顔を揃えたのは二年ぶりだった。しかし、まだ一人いる。

 「俺たちのこと、炎司は見ててくれてるかな…!」

 「見てるよ、絶対に!」

 暗くなった場面を明るくしたのは、戯介だった。

 「よぉし、これから、飲みいくか!」

 みんながそれに賛同する。そして、みんなは歩き出す。

 

 「俺を殺したことにすんなや!」

 そうツッコミたがったが、それでは気づかれると思い止めた。その男は、夢たちを見ると、笑顔になり、夢たちとは逆の方向に向いて歩き出した。

 「まさか、夢にあんな勘違いさせるとはなぁ」

 炎司は、録音の時間制限があんなに短いと思わず、変なところで切れてしまった。

 あそこは“好き”ではなく、“隙”何だよな。本当は「夢、隙だらけだよお前は…!気を付けろよ」だったのにな。まあ。とにかく、無事ならそれで良い。

 「幸せになれよ、夢…!」

 炎司は、行く宛てなく、適当に歩いて行った。

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