「総理大臣暗殺……?」
「そうなんだ。それを私達は阻止しなければならない」
「どうやってですか!」
「殺される前に、暗殺者を殺すか、総理大臣を厳重に警備するかの、どっちかだ」
「でも、明日総理任命のパレードじゃないですか!」
「だから後者は無理だね」
「だからって、暗殺者を探すなんて……!」
思わず語尾に力が入る。
「そうさ、パレードは東京周辺都市5kmの車でゆーっくり進むからね、いつでも狙える」
「じゃあ、パレードを止めさせれば……!」
「そんな簡単に言うな。パレードを中止したら、日本のどっかの原爆がドカンだ……だ」
「そんな……!」
「だから明日、新総理大臣をお護りするんだ」
「すいません」
夢は風間の話を割って入る。
「UMAを作った人は何が目的なのでしょう……?」
「簡単に言えば私的復讐だね。この国全体の」
「国全体……?」
「主犯の名は、
「まさか私達に復讐を……?」
「その可能性が高い」
「だからUMAは私のこと……」
俯いてしまった夢を見た風間は、
「狙いは君だけじゃないはずだ。それより明日、私達二人だけじゃ総理をお護りすることは困難だ……。だから」
そう言って風間は奥にある扉に目をやった。するとそこから四人のスーツ姿の男が現れた。
「この子達は、私の教え子でね。右から、
四人は軽く夢に会釈した。
「彼ら全員“最上業”を持っていてね、裕太郎が片手斧、拓海がメリケンサック、一輝がアサルトライフル、舜平が二丁拳銃だ」
「風間さん!」
「何だい?」
「“最上業”っていくつあるんですか?」
「“最上業”は作ることができるんだよ。“最上業”は本来、刀なんだ。それ以外は全て私達が作った」
「なるほど」
「それより、明日の作戦についてだが」
夢に緊張が走る。
「私と憾咲君は、車周辺の護衛兼暗殺者の捜索。残りの四人はパレード近辺を厳重に捜索。場所は君達が決めて良いよ。相手は、UMAを使うだろう。UMAには“最上業”しか効かないから、見つけたらすぐに撃て。良いね?」
夢たちは頷いた。
夢は心の中で安心していた。夢は昔から、見ず知らずの人と合わせるのは苦手だった。しかし、今回は、ほぼ単独行動のようなもの。
「じゃあ、明日、総理が国会を出たら、ミッションスタートだ……!」
夢は、風間の家を出た。そして、携帯を開く。夢は、國崎義正に電話をかけた。
『どうした?』
「急にごめんね。明日だね、パレード」
『そうだな!いやー、まさか本当に総理大臣になれるとはな!二〇二一年の憲法改正で、総理大臣の許可年齢が二十歳になるとはな……』
「そうだね」
「でも、総理大臣になれたのは、夢たちのお陰だよ!ありがとう!」
「ううん」
『それで何かあったか?』
「何か言おうとしたけど、忘れちゃった」
『じゃあ、思い出したら言ってくれ。じゃあな!』
ツーツーツーと電話の音は聞こえ続けた。
もしかしたら、明日義正が死ぬ。
そんな現実を受け入る覚悟ができないまま、明日を迎えた。