総理大臣任命式当日。
夢は、一睡もできなかった。もしかしたら、今日、義正が殺される。そう思うと、いてもたってはいられなかった。
「大丈夫かい?憾咲君」
風間の声で夢は現実に戻された。
「そんな緊張しなくて大丈夫だよ。必ず助かるよ」
夢は頷いた。それと同時に無線から、小山の声が聞こえた。
『総理が出発した』
そう告げられた。夢は覚悟を決めた。
「やるか」
夢は力強く頷いた。
パレードは今のところ、順調に進んでいる。民衆もこれといった行動はしていない。
パレードも終盤に差し掛かり、このまま何もないと思っていたが、無線から声が聞こえた。
『こちら、大井。上空に多数のUMA発見。直ちに排除に向かう。総理の周辺を注意せよ』
夢は、上を見上げた。それに気付いた人も上を見上げ悲鳴をあげた。
「なんて数なの……!」
「気圧されるな!君にはリボルバーがあるんだ!」
「拓海、裕太郎!総理の援護を頼む!」
『了解』
「ったく、どこが暗殺よ!」
夢は、腰からリボルバーを引き出し、UMAに向かって撃った。
見事、当たった。
弾が当たったUMAは、魂が抜けたように地面に落ちた。そして瞬く間にUMAは、蒸発してしまった。
夢は、次々にUMAを倒していく。しかし、一体が夢の攻撃から抜け出し、近くにいた子供に近づいた。UMAは液体となり、子供の口から入っていく。
「おかあ……さん……!」
子どもの体から、氷がどんどん現れていく。遂には、顔以外が氷で埋め尽くされていた。
夢はUMAの左肩を狙って撃った。見事、弾は命中した。
「痛い!」
(子どもにまで、ダメージがあるの!?)
「無理に撃つな!寄生者にまでダメージがある!憾咲君は、警察に危険区域の拡大を!その少年は私がやる!」
夢は、警察無線で連絡をとった。
風間は、剣を抜き出した。
「“
すると、UMAの周りに火柱が立った。
「UMAが人に寄生した場合、人の皮膚を通して氷を作り出す。毛穴から氷を発生させ、人の体に
UMAは、子どもから離れたところにいた。子どもは母親の元へ駆け寄る。母親は子どもの手を握り、さっさと逃げていった。
UMAは、雄叫びをあげた。すると、複数のUMAたちが雄叫びをあげたUMAの元へ寄っていく。すると、UMAたちは液体となり周りのUMAたちと混ざり合っていった。
氷に戻ると、UMAは、普段の三倍近くもの大きさになり、二足歩行だった足は、四足となり、腕が四本になっていた。
「その体では、蒸発速度が早くなるんだよな。憾咲君!援護射撃を頼む!」
「はい!」
夢は構えたが、上空から、UMAがどんどん降りてくる。
「憾咲君!やはり私が一気に片付ける。君は総理の元へ!」
「はい!」
夢は、走りだした。
「……すぐに終わらしてやるよ……」
風間は刀を構え直した。