警察本部 零課   作:もののあはれ

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四十 護衛作戦②

 夢は、義正の元へ走った。途中、襲ってきたUMAを倒しながら走った。もう見えるところに、義正を乗せた車があった。SPたちが必死になって義正を守っていた。

 「義正!」

 「夢か!なんなんだこいつら!」

 「そいつらに銃は効かない!これを使って!」

 そう言って夢は、義正にリボルバーを投げた。

 それを受け取った義正は、UMAに狙いを定めて撃った。瞬く間にUMAたちは落ちていく。

 「まさか、零課の経験がここで活かされるとはな……」

 「早く逃げて!UMAは必ずボスがいて、そいつが死ぬまで、ターゲットを狙い続けるわ!」

 「……なあ夢、ボスってあれじゃねえか……?」

 そこにいたUMAは、明らかに普通のUMAとは違っていた。より人に近い体と、奴が近付くと、気温が一気に下がる。

 「こいつ、倒せるのか……?」

 「私じゃ無理……。私の武器は熟練度っていうものがあって、持ち主が使えば使うほど、武器の炎の温度が上がるんだって、最初は100度で、最終的には1000度近くになるらしいの。UMAのボスを、氷鬼(ひょうき)って言うんだけどね。氷鬼を倒すのは、300度以上なんだけどね……。でも、私まだ100度ちょいだと思うの」

 「じゃあ、どうすんだよ」

 「だから、逃げて!私が何とかする」

 「何とかって……!」

 「良いから!」

 義正は、頷き

 「死ぬなよ……!」

 「当たり前よ!行って……!」

 そう言って、義正は、車に戻った。氷鬼も義正を追いかけようとする。夢はすかさず、撃った。

 「あなたの相手は、私よ!」

 顔をあげた氷鬼の目が不気味に光った。

 

 「……すぐに終わらしてやるよ……」

 風間は、刀を構えながら言った。

 UMAたちは一気に風間に襲いかかろうとする。

 「“風間流、不知火(しらぬい)”!!」

 目にも止まらぬスピードで、UMAは斬られていく。

 「やはり、すぐ溶ける氷じゃあ、手応えがないな」

 そう言って、風間は、夢の元へと向かった。

 

 夢が氷鬼に出会って、一分が経過した頃。

 「強い……!リボルバーが全然効かない……!」

 弾を撃っても撃っても、歩みを止めない氷鬼に恐怖を感じていた。

 遂に氷鬼は、夢の目の前に立った。

 「あ゛ぁぁ……」

 氷鬼は、右腕を振り上げる。思わず夢は、目を閉じる。

 しかし、中々、氷鬼の攻撃が来ない。恐る恐る目を開けると、道の横に吹っ飛んでいた。

 「大丈夫ですか?憾咲さん」

 そこにいたのは、奈良だった。

 「奈良さん……。ありがとうございます……」

 奈良は微笑んで、

 「礼を言うのはまだ早いですよ」

 そう言って、氷鬼の方に目をやった。氷鬼は再び歩き始めている。

 「奈良さんの熟練度は……?」

 「約500度です。500度だと“強炎化(きょうえんか)”というものが出来ます」

 奈良は、氷鬼の方を向き構えた。

 すると、奈良の持つアサルトライフルがどんどん赤く燃えていく。

 「“強炎化、紅蓮(ぐれん)”……!」

 奈良が構えると、銃口から炎が燃え上がった。

 「すごい……!これが“強炎化”……!」

 奈良が撃った弾は、氷鬼に当たり、氷鬼の胸元には大きな穴が開き、鈍い音と共に倒れた。

 アサルトライフルの炎は上空へ舞っていき、奈良は(ひざまず)いた。

 「大丈夫ですか!」

 夢は、奈良の元へ駆け寄る。

 「まだ、“強炎化”は慣れてないものでしてね」

 奈良は、立ち上がり

 「ミッション……、完了……!」

 

 間もなくして、風間たちが集結して、無事、総理大臣暗殺計画を阻止することができた。

 この計画で、奈良と仲良くなることができ、そのお陰で他の三人にも仲が良くなった。最近気付いたのだが、どうやら、あの四人と私は、同い年らしい。それもあって、私たちは、タメで話すことができた。まだ平和だなんて思っていない。しかしなぜか、安心していた。

 だがしかし、私は、まだこの先も大事件が起きることに気付くことはできなかった。

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