警察本部 零課   作:もののあはれ

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四十一 東祭連合会

 総理大臣暗殺計画を阻止して、三日が経ったある日。風間の家に見慣れない人がいた。

 「この人は……?」

 「新しい仲間だ!名前は、正木皓(まさきこう)。よろしく頼むよ。ちなみに“最上業”は、タガーだ」

 「よろしくお願いします!憾咲さん!」

 「……夢で良いよ。よろしくね!」

 その後、いつもの四人がやって来て、会議となった。

 「君達を呼んだのは、他ではない。UMAの件について有力なことがわかった」

 周りがざわついた。風間の咳払いで再び沈黙となった。

 「この件は、日本及び他国ですら支援のないということだが、さすがにそれは、金銭的に辛いと思う。能力があったとしてもだ」

 「政府外の組織が関わっているということですか?」

 「そのことなんだが、進展があった。以前から頼んでいた、あらゆる組織の金の動きを監視して貰った。そこで総理大臣暗殺の少し前ににある組織の金の動きに大きな変化があった」

 「その組織は……?」

 夢は、恐る恐る聞いた。

 「東祭連合会(とうさいれんごうかい)。東日本を牛耳っている極道ってやつだよ」

 「東祭連合会……。あの東連ですか!?」

 「そうだよ」

 「どうするんですか?」

 正木は、聞いた。

 「直接行くしかないね。それとも、麻薬の疑いで警察署に連れて行くとか?」

 「……そんな簡単に言わないで下さい」

 「とにかく、疑いがある以上、調べなければいけない。いいかい?」

 全員頷く。

 「でも、どうやって容疑を認めるんですか?」

 「認めるというか、お金は、直払いなんだよね。そこを突くって感じかな」

 「誰が行くんですか?」

 小山が聞いた。

 「できれば、隠密にこと済ませたい。憾咲君。君だけでも良いかな?」

 「私だけですか……?」

 「勿論私達もサポートする。お願いだ」

 「風間さんがそう言うなら……」

 「ありがとう、憾咲君!」

 

 と言われて来たものの、やはり極道の家に一人は辛い。死にに行くようなものだ。そうブツブツ言ってる間に着いてしまった。

 家は、無駄に広く和風な玄関に、黒服を来た二人の男が立っている。

 「あのー……」

 「あぁ?」

 「組長さんに会いたいのですが……?」

 「テメェ、何もんだ?鉄砲玉か?」

 「一応、警官です……」

 二人のヤクザは、夢の腰元にある拳銃を見て

 「マルボウか?」

 「ち、違います」

 ヤクザとちょっとしたいざこざをしていると、戸の向こうから、

 「どうした?さっきから、客か?」

 その人は、指にごつい指輪を沢山はめた男がいた。

 「何だお巡りさんがどうして、ここに?」

 「ちょっと組長さんに用事がありましてですね……」

 「……わかりました。できれば手短に。こちとら忙しいもんで」

 そう言われ、夢は門をくぐった。

 「あんた、名前は?」

 「憾咲夢です」

 「憾咲さんか、よろしく。俺の名前は、神宮政人(じんぐうまさと)と申します。参謀をやらさせて頂いてます」

 「は、はぁ」

 ヤクザの人に、敬語を使われると、なんか気まずい。

 「こちらの部屋に組長が居られます」

 夢は、恐る恐る扉を開けた。そこには、白い(はかま)を着た人がいた。おそらく、組長だろう。

 「こんにちは、東祭連合会会長兼大門組組長、大門繁郎(だいもんしげろう)さん」

 「ああ、どうも、お初にかかります。大門と申します。ささ、そこにお掛けになって」

 夢は、すぐそこにあるソファに腰掛けた。

 「ご用件は何でしょうか?」

 「この東祭連合会がUMAの開発に関わっているという疑いがあります」

 組長は首をかしげ、

 「ユーマ何ぞ知りませぬ。もしそんな噂があるのなら、錦林組でしょう」

 「錦林組……?」

 「昔から、金遣いが荒くてね、手を焼いてるんですよ」

 「組長さんは……?」

 「今は不在ですよ。場所は、知りませぬ」

 「そうですか……。ありがとうございました」

 そう言って、帰ろうとしたところだった。

 突然、扉が開いた。そこにいたのは、神宮さんだった。

 「神宮さん?」

 「おお、政人か。その人を送ってやれ」

 すると、神宮は、懐から拳銃を抜き出し、

 「すまねぇ、オヤジ」

 そう言って、大門の眉間に弾を当てた。

 「え……?」

 「ったく、変なことを警察に言わないで下さいよ。大門のオヤジ」

 神宮の後ろから出てきたのは、白いスーツを着た男だった。

 「初めまして。私は、東祭連合会直系錦林組組長の錦林凜造(にしきばやしりんぞう)と申します」

 夢は、足の震えが止まらなかった。それは、錦林がいたことではない。殺されると思ったからでもない。その横に、入江真緒がいたからだ。

 顔は知らない。しかし、本能がそう言っていた。

 「その女、どうするの?」

 女は、冷たい声で言った。

 「軽く東京湾に沈めるよ」

 「なら良いんだけど」

 そう言って、女は黙ってしまった。

 「さ、じゃあ行こっか」

 (ヤバい!このままじゃ、死んじゃう!誰か!助けて!)

 「ちょっと待ったぁぁぁ!」

 (あ、この声は……)

 「夢が心配で来たけど、なんじゃこりゃぁ!」

 「“与える命(ギブライフ)”」

 女がそういった瞬間に、壁が生き物のように動き、正木を捕まえた。

 「こいつも追加」

 

 「あなた、助けに来るって言ってたよね?」

 「はい!心配で!」

 「じゃあ、なんであんたも捕まってんのよ!」

 このときのゆめは、あまりの正木の馬鹿さに呆れていた。

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