警察本部 零課   作:もののあはれ

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四十三 回想 生存

 「……準備はできた。さあ、話してくれ」

 炎司は、一口お茶を飲んだ後に、

 「風間さんに“天叢雲剣”の調達頼まれた後に――」

 

 あの大爆発事故があったとき、炎司は、生きていた。

 それは二年も前に遡る。

 炎司自らロケットを破壊したことにより、核原子をもろに浴びた炎司は、ほぼ全身に重度の火傷を負い、瀕死の状態であった。

 そのときに、助けてくれたのが風間であった。

 風間は、全力で炎司の治療を続け、意識が戻るまでに回復させた。

 炎司は、ゆっくりと目を開ける。

 「ここはどこだ……?」

 「やっと起きたか……!」

 「お前は……?」

 「私は、風間雄大だ。君は、神木炎司君だね?」

 「俺はそこまで有名人に……。今何年だ!?」

 「落ち着け神木君!今は、二〇二壱年の十二月だ。そして、君の左腕は……!」

 炎司は、左腕を見た。そこには、あるはずの左腕がなかった。

 「え……?」

 「落ち着け……!今のままショックに陥ったら、死んでしまう!」

 「なんだ、ないんだ」

 風間は、スッ転んだ。

 「え?驚かないのか?」

 「まあ、過ぎたことだし」

 (なんたる器の大きさ……!)

 「でも、その腕じゃ不便だろう?……これを見てくれ」

 風間が見せたのは、義手だった。

 「君用に調整されている。これならきっと……」

 「いや、それより」

 炎司は、顔つきを変えて

 「目的はなんだ?」

 風間は、全てを話した。

 「俺は、どうすれば?」

 「私と一緒に闘ってくれば良いんだ」

 「……わかった。俺はまずは……?」

 「この刀を見てくれ」

 風間は、そう言って“最上業”を見せた。

 「これは最上業と言って、UMAを倒す武器だ。しかし、世界にそれは四つしかないんだ」

 「俺なら作れるのか?」

 「ああ」

 「わかった」

 「君にはもう一つ頼みたいことがある」

 炎司は、首をかしげた。

 「君に真の最上業をとってきて欲しい」

 「お使いかよ……」

 「いや、君に使って欲しい」

 炎司は、また首をかしげる。

 「君は、天叢雲剣を持つ器だ。君ならいける!……だが、思った以上に、UMAが強かった。だから君に風間流の全てを教える」

 「風間流……?」

 「風間流は、今から約四百五十年前、安土桃山時代にできた剣術だ。元々はある一つの型から生まれたんだが……。この剣術は、この真刀 夜桜と共に私に受け継がれてきた」

 「そんな大事なもん、俺が継いで良いのかよ?」

 「私は、あいにく諸事情があって、子どもがいないからな」

 「それなら、よろしく頼むよ」

 「じゃあ、これを」

 そう言って風間が渡したのは、木刀だった。

 「まずは気の使い方から……。と言っても、気を扱うのは早くても一週間必要なんだが……」

 風間は、炎司を見た。すると、炎司はいとも容易く木刀に気を(まと)わせていた。

 「こうか?」

 (まさか、これ程の才能とは……!)

 風間はこの瞬間、炎司に全てを託そうと確信したのであった。

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