警察本部 零課   作:もののあはれ

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四十七 聖剣エクスカリバー

 イギリスに着いてから、早三時間。

 イギリスのカフェで、夢は溜め息をついていた。

 「何で全員に聞いても、“ない”しか答えないのよ……」

 「そもそも聖剣エクスカリバーって空想上の物ですもんね」

 「そうなの!?」

 夢は、正木を見た。

 「聖剣エクスカリバーは、アーサー王伝説に出てくる剣で、アーサー王以外抜けなかった剣だったそうです」

 「お嬢ちゃんたち、何かお探しかい?」

 店の店主が声を掛けてきた。

 「実はですね、剣を探しているんです」

 「剣……?名前は……?」

 店主は、首をかしげる。

 「……聖剣エクスカリバー……」

 「それなら、あるぞ……?」

 夢と、正木は、店主を見た。

 「見たいか……?」

 夢と正木は頷いた。

 夢と正木は店の地下倉庫へ向かった。

 「うちの先代が、アーサー王伝説が好きでよ。どっかの商人から買ったらしいぜ。何も岩ごとついてる」

 「欲しいのなら、あげるよ。あいにく俺は興味がないからな――」

 

 「そう言われて、ありがたくもらったけど、重すぎるよ!夢も持って!」

 正木は、夢に押し付けようとした。

 「私はか弱いの!ここは男のあんたが持ってよ」

 すると突然、悲鳴が聞こえた。

 「夢!あれって!」

 「UMA!?こんなとこにまで!?」

 「当然っちゃあ当然かもね……!」

 UMAはゆっくりこちらへ向かってきている。

 「いちにさん……。何体いるんだUMA!?」

 「見た感じ百はくだらないわ!」

 「クソっ!」

 「あんたは逃げなさい!」

 「この距離だったら、近距離より、長距離の方が武がある!多分UMAの狙いは、この聖剣エクスカリバーだと思う!だったらあんたは逃げなさい!」

 「でも、一人であんな数……!」

 「バーカ、私を誰だと思ってるのよ……?」

 そう言って夢は、UMAに発砲し始めた。

 「早く行きなさい!」

 正木は走りだした。

 (ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい……!)

 正木は、自身の過去を振り返っていた。

 正木は昔から気が弱く、いつもいじめられていた。そんな自分を変えたいと思って、自身を鍛え、風間の元へ来た。自分自身でも変われたと思っていた。しかし、そう簡単には変わることができなかった。結果がこれだ。

 夢の声が聞こえた。かなり苦しそうな声だった。正木は振り向いた。

 夢が、UMAに捕まっていた。

 「夢!」

 正木は走ろうとした。しかし、足が止まった。

 (僕が行ってどうする?どうせ捕まって終わりだ。……だからと言って、このまま逃げるか?逃げても、いつかは捕まる。……僕はどうすれば……!)

 正木は、ある人から言われたことを思い出した。

 「あなたは強いわ……!なんてったって私が見込んだ男だもの!」

 正木は、聖剣エクスカリバーを手に掛けた。なぜだが、抜ける気がした。正木は、走り出す。と同時に、剣が岩からどんどん抜けていく。

 抜けた剣は()びていてボロボロだった。

 「何で!?何でこうが聖剣エクスカリバーを……!?」

 正木は、光に包まれる。数秒後、光から出てきた正木は別人だった。錆びだらけだった聖剣エクスカリバーは光のように輝き、正木は光る鎧を身に(まと)い、顔は自信に満ちあふれていた。

 「僕の名は……、正木皓だ!」

 正木は、夢の元へ駆け寄った。

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