警察本部 零課   作:もののあはれ

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四 体育祭決勝

 体育祭は只今、午後に入り掛かろうとしていた。夢は現状を義正に報告した。義正は溜め息をしていた。

 午後の部は、トーナメント戦。トーナメントの配分は、

 憾咲夢vs鏡崎未来 蝶田羽vs阿瀬操操 草木茂vs伝田雷希 という感じだった。

 夢は初戦だった。間もなく選手が登場するという放送が流れている。夢は勝っても負けてもどっちでも良いと思っていた。

 そう思っていると、自分の名前を呼ぶ声が聞こえたにで、なんとなくステージへと上がった。相手は鏡崎未来。能力は鏡にまつわる能力らしい。私は、手首を回しながら準備体操をした。相手は目を閉じて深呼吸をしている。

 「間もなく、トーナメント初戦が開始します。まずは、憾咲夢さん。転校生ながらにも予選トップです。

 続いて、鏡崎未来さん。前大会同様頑張って下さい……。それでは第一回戦……。スタート」

 鏡崎はコングと同時に夢目掛けて走ってきた。夢は走ってくる鏡崎に思いっ切り殴った。しかし夢のパンチの威力は自分自身に返ってきた。

 (なるほどこれが彼女の能力か。だが、私の能力の前では無意味!)

 私はあらゆる武術の攻撃をした。彼女は戸惑いながら、避けている。が、一つの技がかすり、彼女が倒れてしまった。その拍子に手から鏡が落ちて割れてしまった。彼女の顔が青ざめていくのが見ててわかった。彼女の隙を見つけ私は彼女を押さえ込んだ。すると、彼女の口から

 「ま、参ったわ……」

 その声を聞いた審判が私の方に手を挙げた。私は勝ったらしい。何とも普通な闘いだった。

 そう思いながら、入り口へ戻った。五分後、次の試合が始まっていた。私は興味が無かったので、休憩も兼ねて睡眠を摂っていた。起きると、決勝間近だった。

 決勝は三人でのバトルロワイヤル。水の上に浮いている競技場の上でバトルを行い、一番最後に残っている人が優勝だそうだ。決勝に残ったのは、蝶田羽、草木茂。

 どちらでも優勝して貰って構わないが、一応こっちにも零課としてのプライドがある。なので本気を出せて貰う。

 「いよいよ本大会も終盤、決勝です。

 改めて、選手を紹介します。まずは、憾咲夢さん。圧倒的な実力を見せつけ、転校生ながら、決勝出場です。続いては、蝶田羽さん。得意の飛行で頑張って下さい。そして、最後の出場者は草木茂くん。三年連続優勝を目指して頑張って下さい。それでは、決勝。スタートです」

 夢は何だか緊張していた。相手の能力を見ずにここまで来てしまったので、障害物走で見たぐらいしかわからないのだ。なので詳しくは分からない。

 だが、焦る心配はない。

 始まりのゴングが鳴った。

 私は予測出来なかった。決勝メンバーの中に鬼才がいることを。

 私は本当に負けてしまったのかと思った。

 気付いたときには、私の体にはツルが巻かれている。私は草木茂の事を舐めていたようだ。彼はかなり強い。強すぎる。私は零課としてのプライドが傷つけられた気がした。

 「今回も優勝は、草木茂です。おめでとうございます」

 拍手と歓声が耳障りでしかなかった。

 体育祭の結果は、一位が草木茂。同時に勝敗が決まったため私と、蝶田羽は同率二位だった。夢は表彰の時ずっと下を向いていた。夢は立ち直ることが出来なかった。最悪な体育祭は幕を閉じた。その後は、振休があり学校が休みだった。

 夢は義正や一哉にいじられ吹っ飛ばした。が、二人はそんなには飛ばなかった。夢を見かねた二人は何かを思い出したように、言った。

 「ボスが呼んでいる」

 と。




 草木 茂能力“ツル”
 ・自身の体をツルに変えることが出来る。また、本当のツルと一緒に使うことでより頑丈になる。鉄分、野菜、日光を浴びることで硬くなる。天気が悪いと、体調を壊す。
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