警察本部 零課   作:もののあはれ

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四十八 正木皓

 「まさか、こうがアーサー王……?」

 正木が夢の元へ駆け寄る。UMAは、四、五体で襲ってくる。

 「さすがにそんな数……!」

 正木は、剣を構え、UMAに向かって

 「“流星(シャイニングスター)”」

 流星のような斬撃は、UMAたちを真二つにしていく。

 「凄い……!あれが正木皓……!」

 正木は、どんどんUMAを倒していく。そして、夢の元へ着く寸前に、氷鬼が現れた。見たことのない氷鬼だった。

 「そいつは、“総理大臣暗殺”のときとは格が違うわよ?」

 声の元へ振り返ると、入江真緒がいた。

 「どこにもいるのね」

 夢がツッコんだ。入江はそれを無視して、

 「そいつは、東連のときの大氷鬼魔のクローンだけど、強さはそいつの方が上よ!」

 大氷鬼魔は、雄叫びをあげた。すると、周辺のガラスは粉々に砕け、辺りは凍り始めた。

 「そいつを倒すことはあなたたちには不可能!せいぜいあが……」

 「“王の一撃(キングスラッシュ)”」

 遮るように言い放ったその言葉で、大氷鬼魔は真二つになった。

 「え……?」

 入江は口を開け、呆然としていた。

 「こんなもんか?大氷鬼魔。退屈凌ぎになりやしない」

 「まさかここまでとは……!」

 冷気と共に入江は消えてしまった。

 正木は、(ひざまず)いた。夢は正木の元へ駆け寄る。

 「大丈夫!?」

 正木は、手を立て

 「大丈夫」

 と言った。

 やがて、町は温度を上げ元に戻った。

 

 「まさか聖剣エクスカリバーをこうが抜くとはね!ビックリしちゃった!」

 「僕も驚いちゃった!」

 それから夢たちは、すぐに日本に戻りった。日本行きの飛行機を待っているとき、夢の携帯に電話が掛かってきた。

 (ん?義正……?どうしたんだろう)

 夢は、少しの不安を抱きながら、電話に出た。

 「夢……」

 微かに震える声に益々不安が募る。

 「どうしたの……?」

 勇気を出して言った言葉が帰ってくるのに少し間があった。

 「茂が……!茂がUMAに殺された……」

 夢は、携帯を落とした。それに気付いた正木が夢を心配する。

 「大丈夫か?なんかあったのか……?」

 「茂が殺された……」

 夢は、空港にかかわらず大声で泣き喚いた。

 

 日本に着いた夢は、義正に言われた場所に向かった。

 そこには、義正を始め、茂に関わっていた人たちがいた。義正が夢に気付く。

 「夢……」

 「茂は……!?」

 義正は、棺に指を指す。夢は、おぼつかない足取りで棺へ向かう。

 そこには、顔が白くなった茂がいた。それを見た瞬間、夢は瞳から涙が溢れ出た。

 「……クソっ!仇討ちだ!」

 戯介が叫ぶ。

 「ダメ!」

 夢が戯介を止める。

 「どうしてだよ!俺は気が済まねえよ!みんなもそうだろう!?」

 「待ってくれ……!」

 そこに現れたのは、風間だった。

 「風間さん……!」

 「誰だよ、夢」

 「私は、UMAに詳しい人だよ」

 「そのUMAって何なんだよ!」

 海人が問いたてた。風間は、ここにいる全ての人に、これまでの出来事を全て話した。ある人は俯き、ある人は泣き出し、ある人は拳を壁に叩きつけた。

 「じゃあ俺たち、UMAと戦うことが出来ないのかよ……!」

 「だから私に任せて!私に守らせて!」

 「夢にばかり迷惑掛けられるかよ……!」

 「……もうこれ以上大切な人たちを死なせたくないの……!」

 そう言って、夢は待合室を飛び出した。そして、大声で泣き叫んだ。

 「憾咲君……!」

 振り返ると、そこにいたのは風間だった。

 「私はどうすれば良いんですか……?」

 「君は、強くなれば良い。強くなって、入江真緒を捕まえよう。良いかい?夢」

 夢は、頷いた。袖で涙を拭い立ち上がった。

 

 茂の葬式を済ませた夢は、風間の家へ向かった。

 「風間さん!今日は何を!?」

 「今日は夢、南極に行く」

 「え?」

 あまりに突然に言われて、夢は、固まってしまった。

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