警察本部 零課   作:もののあはれ

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四十九 南極にて

 「南極にですか……?」

 「もうこれ以上犠牲を出すわけにはいかないんだよね。だったら、もうボス戦で良いんじゃないかって思うんだよね」

 「残り二つの“最上業”は……?」

 「一つは、こちら側にあるんだ。もう一つは、海底で探すのが困難なんだ。だから、向こう側に“最上業”が行っている確率は低いと思うよ」

 「メンバーは……?」

 「そんなの総動員に決まってるじゃないか」

 「寒さ対策は……?」

 「それは、水嶋君が何とかしてくれるそうだ」

 部屋に沈黙が訪れる。沈黙を破ったのは風間だった。

 「決行は、明後日。準備が出来次第、行こう」

 夢は頷いた。

 夢が帰った後、炎司と海人が出てきた。

 「帰ったのか?夢」

 海人が言った。

 「会う気にならねえのか?」

 炎司は、誤魔化すように

 「腕の調整頼む」

 「またかよ……」

 (どうして炎司は、夢に会いたくないんだ……?)

 風間は、少し考えたが、答えが見るからずすぐに諦めた。

 

 翌々日、いよいよ決戦が始まろうとしていた。

 風間たちは、海人が作った、飲めば最大一ヶ月寒さに耐えることの出来る液体を飲み、ダイバースーツに身を包み、船に乗った。

 船に乗ること、一週間。南極に着いた風間たちは、早速入江真緒のいるであろう基地に歩み始めた。歩くこと約一時間。以外と近くにあった。基地の全長は、吹雪で見ることが出来なかったが、かなり大きいことがわかる。

 大きな門を開けると、中は薄暗くなんだか不気味だった。中へ入っていくと、小山が何かを言い出した。

 「静かすぎる……。敵に入られたっていうのに、全然敵が現れない……?」

 「留守なんじゃね?」

 高橋が言った。

 「だったら、好都合。この基地ごと吹き飛ばそう」

 大井が冗談気味に言った。すると、突然物音がした。全員が足を止める。

 すると、壁からUMAがどんどん湧いてきた。

 「ようこそ!私の基地へ!歓迎するわ!」

 UMAがこちらに近づいてくる。夢たちは銃を構える。

 「私のショーを楽しんでね!」

 入江は不気味に微笑みながら消えていった。

 「入江!」

 「風間さん!今は目の前の敵に集中して下さい!」

 夢が叫ぶ。

 「……クソっ!」

 風間は、刀を構える。

 「“風間流、陽炎(かげろう)”」

 水中のワカメのようにゆらゆら揺れる斬撃がUMAを倒していく。それに続いて夢たちも撃ったり、殴ったりとUMAを倒していく。

 UMAが減ってきた頃、奥の方から物音が聞こえた。物音の方を見ると、そこには、氷鬼がいた。

 「氷鬼がこんなに……!」

 すると、奥の方から高橋の叫び声が聞こえた。夢は高橋の方を見る。

 高橋を腕を抑えて倒れていた。腕を斬っていたのは、なんと正木だった。

 一同は、時が止まったように動けなかった。

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