警察本部 零課   作:もののあはれ

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五十一 死後の世界

 炎司は、ゆっくりと目を開ける。覚ましたのは良いものの、そこは、先程いた基地の薄暗い場所ではなく、辺り一面花が咲いており、空は真っ白な場所だった。炎司はすぐに理解した。

 ここが死後の世界なんだと。

 炎司は何となく歩いてみた。するとすぐに大きな扉が現れた。炎司はその大きな扉を開けようとしたが、勝手に開いた。大きな扉を通ると、そこは、普段の町と何ら変わりなかった。ただ違うのは、街に色がないことだった。

 炎司は、再び歩き始めた。すると、そこには会えると思っていなかった人に出会った。

 草木茂と大道寺政宗だった。

 「茂……!オヤジ!」

 草木と大道寺は、振り返る。草木はすぐに駆け寄る。大道寺は涙を浮かべ、ゆっくりとこちらにやって来た。

 「炎司……?俺てっきり、炎司は二年前に死んでるかと……」

 「わしが来たときから今日まで、会ってなかったから、まさかとは思っていたが……」

 「俺は、殺された」

 草木と大道寺は、驚いた。

 「炎司が……?」

 「俺、まだ死ぬわけにはいかねえんだ……!俺がいないと何だがいけない気がする」

 大道寺は、炎司の肩を持ち

 「そうじゃ!炎司お前は、間違えなく人々の柱となっている……!だが、ここは死後の世界。折角じゃ。お前に会わせたい人がおる」

 そう言われて、炎司は、大道寺について行った。

 かなり歩いたとき、大道寺がある一人の男に指を指した。そこには、自分と同じ赤い毛で目元がそっくりな人がいた。炎司はその人が本当のお父さんだということが何となくわかった。

 気配で気づいたのか、その人がこちらを見る。その人も気づいたのだろう。物凄い勢いで、こちらに走ってきた。

 「灯!!」

 そう言われて、気づいたら思いっ切り抱きしめられていた。

 「大きくなりやがって……!」

 炎司は何だが笑みがこぼれてしまった。

 

 「話は、大道寺さんから聞いてたからな!スゲぇな、灯は!」

 「全部、オヤジのお陰だよ」

 「何だがわしも照れるな」

 みんなで笑い合っていた。

 「ねえ、お父さん?」

 大輝は、首をかしげた。

 「何だ?灯」

 炎司は、

 「元の世界に戻る方法は無い?」

 大輝は、手を顎にあてながら

 「ほぼ無いだろうな……」

 「ほぼってことは、あるかもしれないってこと……?」

 「まあ、これは噂だから知らないが、神様直々に許しを貰えれば、戻れるという噂を聞いたことがある……」

 「神様……?」

 炎司の頭の中に一人の神様が思い浮かんだ。

 (知り合いがいる気が……)

 すると奥から、人たちが(ひざまず)いていく。奥から長い髪をなびかせ、後光が輝く人が現れた。

 「久しぶりだな、炎司!」

 「もしかして、スサノオ?久しぶりだな!」

 「スサノオって、素戔嗚尊か!?」

 草木は、口をあわわして跪いた。

 「知り合いなのか……?」

 大道寺も大輝たちも驚いている。

 「炎司、お主は戻った方が良い!我が許す!」

 「ありがとう!スサノオ」

 「我の力も、くれてやる!存分に使うが良い!……ん?」

 素戔嗚尊が頭を掻きながら、炎司に言った。

 「炎司、お主の記憶内に忘れられている記憶があるぞ」

 「忘れられた記憶……?」

 「そうじゃ。八岐大蛇と闘った後に……。話すと長くなるな、蘇らしておこう!」

 素戔嗚尊の両手が炎司の頭に触れる。

 その瞬間、記憶が呼び起こされた。

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