炎司は、消された記憶が呼び起こされて、炎司は消された記憶を辿っていた。
それは、八岐大蛇を倒した後に遡る。
炎司は素戔嗚尊と別れた後、出雲大社を出ようとしたが、あまりの疲労で倒れてしまった。仕方なく炎司は、出雲大社の外れで夜を明かすことにした。
深い眠りにつく前、草の激しく擦れる音に目を覚ました炎司は、周りの光景に呆然とした。
そこには、人間ほどの大きさをした猿が、四、五匹程いた。
「え……?何々!?」
猿は、炎司めがけて襲い掛かる。
(クソっ!疲労が溜まって動けねぇ!)
そう思ったとき、赤く光る刀を持つ老人が前に現れた。
「ったく、あんな八岐大蛇ごときでそんなになるとは、情けない!」
その老人は、手に持つ刀で、猿をばったばった切り倒していく。猿は逃げ、難を逃れた炎司は息を吐いた。
「そこの者。名前は……?」
「神木炎司……」
「ったく、人違いをしてしまったな、その赤毛は、神楽一族だと思ったんが……、近頃は、良くそういう色の若者がおるんじゃよな……」
謎の老人が林の奥に戻ろうとした。
「あ、俺、神楽です」
「いやいや、そんな馬鹿な」
謎の老人は、振り返った。
「いや、俺、神楽灯です」
「父の名は……?」
「神楽大輝……」
すると、謎の老人は炎司に向かって
「お持ちしておりました!神楽殿!」
「な、何なんだあなたは!急にかしこまって!」
「申し遅れました!
「誰……?」
「はい!私、以前に神楽大輝殿に命を救うて貰い、御恩をお返ししようと、お持ちしていました!……立ち話もなんです。私の家へ御案内します!」
「別に、タメで良いよ?目上の人に敬語使われると、気まずいから」
「じゃあ、一つ言わせて貰う」
(急だな、オイ)
「お主の動きには無駄がある。お主は風間流を使っているが、風間流はいちいち構える必要がある。だから、二手、三手が遅れてしまう。そもそも、風間流はある一つのものから派生した。それが、儂の使う“日ノ型”だ」
「日ノ型……?」
炎司は、首をかしげた。
「元々あったのは、“日ノ型”。そこから派生したのは、“風間流”と“光の型”の二つだ」
「何で、二つに派生したんですか?」
「権力争いだな。一人は、力だ、もう一人は速さだとか、言っていたそうだ」
「俺は、どうすれば……?」
「気はどこまで使える?剣に
炎司は、言われたとおりに気を剣に纏わせた。
「ほほう、中々やるな……。剣はいつから?」
「三日ちょい」
「は?」
あまりの驚きに日野は、木に頭をぶつけていた。