警察本部 零課   作:もののあはれ

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五十三 回想 消された記憶

 「たった三日じゃと……?」

 (やはり、神楽殿の力を受け継いだ子どもだ……!)

 それから、たった一週間で、“日ノ型”の全てを会得した炎司は帰省の準備をしていた。しかし、炎司は準備を止めた。背後に気配を感じたからである。

 「師匠……!」

 炎司は、日野を炎司と呼んでいた。

 「見るな、多分一人じゃ……!狙いは、天叢雲剣かも知れん。気を付けろ」

 すると、まるで海賊の船長のような身をした男が現れた。炎司たちは、身を構える。

 「初めまして、日野政人さんに、神木炎司さん」

 「お主は誰じゃ……?」

 「名乗りませんよ。どうせ忘れるんですから」

 その男の指パッチンをしたときから記憶が抜けていた。

 

 記憶を遡り終えた炎司は、目を覚ました。斬られた傷口が塞がっていた。炎司は、辺りを見回す。まず目に入ったのは、多くのUMAが炎司に襲い掛かろうとしていること。炎司は、天叢雲剣を手に取り、UMAを斬った。

 (俺の動きが速い……!“日ノ型”の感覚が戻ってる……!)

 炎司は、腕時計を確認した。それ程時間は経っていない。死後の世界では、数時間過ごしていた気がしたのだけれでも。力もいつもより湧いてくる。これは素戔嗚尊のお陰だろう。

 炎司は、気を引き締めて、再び走り始めた。

 一方、炎司が起きる数分前。

 風間や夢たちは、入江真緒のいる場所にいた。

 夢は入江に向かって、

 「入江真緒さん、あなたを逮捕します」

 「そっかぁ、あなた警察官だったわよね」

 「お前は、いずれ捕まるぞ!」

 大井が叫ぶ。

 「あらあら……。まさか総動員で来るとはね……!」

 入江は笑い出した。

 「何がおかしい!入江!」

 「実はね、今日本に、三千万のUMAや、氷鬼たちを日本へ行かせたの!」

 「な、なんだと……!」

 「今から行けば間に合うでしょうけどね!」

 風間は、

 「拓海、舜平、一輝、君達は、戻って、日本に行くUMAたちを食い止めてくれ!できれば裕太郎を連れていってくれるかい?」

 小山たちは頷く。そして、小山たちは戻るためにドアに向かう。

 しかし、そのドアから正木が現れる。

 「皓!」

 「何で正木君がここに……?まさか炎司が負けた……?」

 小山たちは、違うところのドアを目指した。

 しかし、そこから一人の男が現れた。

 「ねえ、風間。もう一つの“最上業”って何だか知ってる……?」

 「ああ、妖刀 ティーチだろ?……!まさか!?」

 「そう!その子は、妖刀 ティーチを持つ者よ!名前は、水口航平(みずぐちこうへい)。でも、すぐに名前は忘れるでしょうね……!

 入江は、不気味に笑っていた。」

 「なんだと、それは、厄介だな……!」

 「早くしないと遅れますよ?風間さん」

 そこに現れたのは、炎司だった。

 「何……!?お前は、僕の攻撃で死んだはず……!」

 炎司は、それを無視し

 「ああ!その海賊ハット!お前、俺の記憶消したやつだな!」

 「ええ!何で知ってるの!?」

 「ぶった斬る!」

 炎司は、紅玉を天叢雲剣にし、水口に斬り掛かる。

 「またこいつらの記憶消してやる!」

 「日ノ型“(ごく)・居合”!」

 気付いたら水口は斬られていた。

 (速過ぎる……!)

 炎司は、左手を水口に添えた。しかし、何も起きなかった。

 すぐに水口は起き上がった。ここぞと言わんばかりに、指を鳴らした。しかし、何も起きたような様子は無かった。

 「なぜだ……?なぜ記憶が消えない!」

 「俺の義手はな、能力を消すことができる。今の時代、そうそう使わねぇがまさかここで役に立つとはな!」

 ここにいる全員が思った。

 「反則級……」

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