警察本部 零課   作:もののあはれ

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五十七 闇なる覚醒

 「闘いは、何年ぶりかな……」

 國崎は、両手を床につける。氷は、ボロボロに砕け、手のような形になった。

 その手は、風間に襲い掛かる。

 「“風間流、不知火”」

 風間の放った攻撃は、氷の手を溶かし、國崎に命中した。しかし、國崎は腕を分解し、すぐに修復させた。

 「バケモンかよ……!」

 風間の背後に郡谷が現れた。風間は、振り返ろうとしたが、遅かった。

 「“氷衝撃(アイスバーン)”」

 風間は、吹っ飛ぶ。

 「風間さん!」

 「お前の復讐心はそんなものか!風間ァ!?」

 「……憎い……!憎い憎い憎い憎い憎いィ!!!」

 そのとき、彼方の方から剣が飛んできた。その剣は、風間の横に突き刺さる。

 「これは……!妖刀 ティーチ……?」

 「なぜなの!?剣が人に共鳴したってこと!?」

 入江真緒は、驚きを隠せなかった。

 「噂で聞いたことがあるが、妖刀 ティーチは人の復讐心に反応すると聞いたが……」

 「嘘でしょ!?私の復讐心よりもあいつの方が復讐心が強いってこと!?」

 「侮らない方が良いよ、真緒ちゃん。奴の復讐心は、“十七年”分だからね」

 (あいつらに勝つ方法はこの剣しかない!すまないな、夜桜……!)

 風間は、妖刀 ティーチを握った。すると、風間の体に黒いモヤモヤが(まと)わり付いていく。

 「ぐ……!くっ……!うわあぁぁぁ!!!」

 風間は黒いものに包まれた。その禍々しさは、ここにいる者に死をかきたたせた。

 やがて、黒いものは消え中から、風間が出て来た。

 しかし、風間は以前の風間ではなかった。人の原型は留めておらず、腕や足が歪な形となっていた。

 「風間さん……?」

 夢は風間に声を掛ける。風間は振り返ったが、その目には白目で、それだけで、もうダメなんだと確信した。

 風間は、剣を海に向けた。すると海から物凄いスピードで一隻の船が現れた。その船の帆は破け、船体は穴だらけだった。

 その船は、氷をかき分け國崎の元へ寄っていく。國崎は手をかざした。瞬く間に船は砂のように、サラサラと舞っていった。

 「まさか、あいつが呼んだのか……!」

 入江が振り向こうとした瞬間だった。そのときには、風間は真後ろにおり、思いっ切り入江は地面に叩きつけられていた。その衝撃波に近くにいた人たちも吹っ飛んでいった。

 風間の次の標的は、夢になっていた。風間は、夢に向かって斬り掛かる。思わず夢は目を閉じる。しかし、斬られた気配がない。恐る恐る目を開けると、炎司が剣を受け止めていた。

 「炎司……!」

 「逃げろ、夢……!こいつは風間さんじゃねえ……!早く逃げろ!」

 夢は、遠くへ逃げていく。

 「どうしたんですか風間さん、こんなのに呑まれちゃったんですか……?」

 風間は、ピクリとも反応しない。炎司は風間の剣を振り払い、距離を置く。

 「君の復讐心は凄いな。私も全力でいかせて貰う。凍斗、與」

 郡谷と入江は、何だろうと思い國崎に近づく。二人の頬に國崎の手が触れた。

 次の瞬間、二人を含め三人の体は飛び散った。國崎の体は歪に大きくなっていく。

 「マジかこいつ……!仲間を分解して、融合させやがった……!」

 國崎に体には、二本の腕と共に、四本の腕が付いていた。

 「さあ、始めようか」

 「お兄ちゃんをどうしたの!?」

 「安心しなさい。死んではいない。ただもう原型に戻すことはできないよ」

 「約束が違うじゃない!」

 「約束……?何のことかね……?」

 「許さない!國崎ィ!」

 入江真緒は手を巨大な氷の手に変え、襲い掛かる。

 「君も良い能力なんだけどね……。今の私には、いらない」

 そう言って入江は、ボロボロ皮膚が砕けていき、崩れていった。

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