警察本部 零課   作:もののあはれ

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五十九 風間雄太

 南極の戦いが終わり、風間たちは、日本へ戻った。

 帰国後、炎司は裁判に掛けられた。様々な情状酌量によって、禁錮五年だけですんだ。

 「夢……」

 「風間さん、ありがとうございます。炎司の情状酌量、風間さんですよね?」

 「私は何もしてないよ。やったのは、大輔と、心田くんだよ」

 「昔から気になってんですけど……、風間さんって何なんですか?」

 「何なんって……。まあ、いいや。君はもう気づいているんじゃないか……?」

 夢は、頷いた。

 「僕は、警察官だった。大輔は私の後輩だった」

 「でも、明らかに五十嵐総監の方が年上に思うんですけど……?」

 「私はここ最近まで、氷の中に眠っていたんだ」

 「え……?」

 「私は、以前にも南極に訪れたことがあるんだ」

 「え……?えぇぇ!!?」

 

 私が三十八歳のとき。私が警察官になり、十八年目。私は、突然ある課へ飛ばされた。

 それが、異形殺人捜査課。能力が発現した日本では、自身の能力を持て余す輩の出現により、犯罪が多発していた。犯罪課だけでは対応しきれず、この異形殺人捜査課ができた。

 課の人数は僅か二人。私と当時三十七歳の五十嵐大輔。たった二人だけだったが、苦ではなかった。二人の仲は、署内一と称される程、仲が良いことで有名だった。

 主に、五十嵐がブレーンとして、私が行動といった感じに捜査をしていた。

 そんなある日。私が、五十嵐の指示で現場に向かったとき、現場で氷の化け物を見た。それがUMAだった。拳銃が歯もたたないと思い、応援を呼ぼうとしたとき、父親から教えて貰った剣技を思い出した。それが“風間流”だった。たまたま道で押収した日本刀を使って、撃退した私は、氷の化け物をUMAと名付け、本格的にUMAについて調べるようになった。

 遂に私は、UMAの出所を突き止めた。それは南極であることが解り、私は、単独で南極に潜入。そこで入江真緒に会った。当時十八歳の入江真緒だったが頭脳も攻撃力も、桁外れだった。いとも簡単に倒された私は、氷づけにされ、海へ流された。

 私が“奇跡的”に日本へ流れ着いたときには、十七年の時が経っていた。私が目覚めると、五十嵐は警視総監になり、P3なんぞ無くなっていた。

 私は、名前も知らないあの女に憎しみを抱き始めた。そして、五十嵐のお陰で再び入江真緒に近づくことができた。

 

 「これが私の今までの人生だよ」

 「……だから、体が若いのですね」

 「ああ……」

 「ティーチはどうしたんですか?」

 「急だね」

 風間は、不意の質問に笑ってしまった。

 「あれからは、使ってないよ。そもそも使う場面がないし、勇気もない。もう犠牲を増やしたくない」

 「炎司……!」

 「でも、君達似てるよね。まぁ、兄妹だからそうか……」

 「え?炎司と私って、兄妹何ですか!?」

 「知らなかったのかい?炎司は、それを知ったから、会うのが気まずいとも言っていたような」

 「好きだったのに……!」

 「ま、まあ、ブラコンってことで良いじゃないか。それより、裕太郎の様子を見に行こう!」

 「そうですね……」

 そう言って、夢と風間は病院に向かって歩き出す。

 

 これで、やっと平和な世の中だ。後は、炎司を待とう。炎司が来れば、幸せな日々が。そう思っていた。でももう、新たな脅威は迫っていた。

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