南極の戦いが終わり、風間たちは、日本へ戻った。
帰国後、炎司は裁判に掛けられた。様々な情状酌量によって、禁錮五年だけですんだ。
「夢……」
「風間さん、ありがとうございます。炎司の情状酌量、風間さんですよね?」
「私は何もしてないよ。やったのは、大輔と、心田くんだよ」
「昔から気になってんですけど……、風間さんって何なんですか?」
「何なんって……。まあ、いいや。君はもう気づいているんじゃないか……?」
夢は、頷いた。
「僕は、警察官だった。大輔は私の後輩だった」
「でも、明らかに五十嵐総監の方が年上に思うんですけど……?」
「私はここ最近まで、氷の中に眠っていたんだ」
「え……?」
「私は、以前にも南極に訪れたことがあるんだ」
「え……?えぇぇ!!?」
私が三十八歳のとき。私が警察官になり、十八年目。私は、突然ある課へ飛ばされた。
それが、異形殺人捜査課。能力が発現した日本では、自身の能力を持て余す輩の出現により、犯罪が多発していた。犯罪課だけでは対応しきれず、この異形殺人捜査課ができた。
課の人数は僅か二人。私と当時三十七歳の五十嵐大輔。たった二人だけだったが、苦ではなかった。二人の仲は、署内一と称される程、仲が良いことで有名だった。
主に、五十嵐がブレーンとして、私が行動といった感じに捜査をしていた。
そんなある日。私が、五十嵐の指示で現場に向かったとき、現場で氷の化け物を見た。それがUMAだった。拳銃が歯もたたないと思い、応援を呼ぼうとしたとき、父親から教えて貰った剣技を思い出した。それが“風間流”だった。たまたま道で押収した日本刀を使って、撃退した私は、氷の化け物をUMAと名付け、本格的にUMAについて調べるようになった。
遂に私は、UMAの出所を突き止めた。それは南極であることが解り、私は、単独で南極に潜入。そこで入江真緒に会った。当時十八歳の入江真緒だったが頭脳も攻撃力も、桁外れだった。いとも簡単に倒された私は、氷づけにされ、海へ流された。
私が“奇跡的”に日本へ流れ着いたときには、十七年の時が経っていた。私が目覚めると、五十嵐は警視総監になり、P3なんぞ無くなっていた。
私は、名前も知らないあの女に憎しみを抱き始めた。そして、五十嵐のお陰で再び入江真緒に近づくことができた。
「これが私の今までの人生だよ」
「……だから、体が若いのですね」
「ああ……」
「ティーチはどうしたんですか?」
「急だね」
風間は、不意の質問に笑ってしまった。
「あれからは、使ってないよ。そもそも使う場面がないし、勇気もない。もう犠牲を増やしたくない」
「炎司……!」
「でも、君達似てるよね。まぁ、兄妹だからそうか……」
「え?炎司と私って、兄妹何ですか!?」
「知らなかったのかい?炎司は、それを知ったから、会うのが気まずいとも言っていたような」
「好きだったのに……!」
「ま、まあ、ブラコンってことで良いじゃないか。それより、裕太郎の様子を見に行こう!」
「そうですね……」
そう言って、夢と風間は病院に向かって歩き出す。
これで、やっと平和な世の中だ。後は、炎司を待とう。炎司が来れば、幸せな日々が。そう思っていた。でももう、新たな脅威は迫っていた。