警察本部 零課   作:もののあはれ

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六十一 召集

 「なあ皆、こんなときだけど、乾杯しないか?」

 海人が皆に問い掛けた。

 「今か……?」

 佐助が困ったような顔をした。

 「こんなときだからだろ?」

 横から、炎司が言った。

 「別に良いだろ?何だかんだ、久しぶりに集まったんだし……。頼めるか?海人」

 海人は頷いた。

 三分後、海人は、人数分のコップに酒を入れて運んできた。海人が全員に渡すと、炎司が挨拶をした。

 「えー……、色んなことがあったな!海人は科学者、戯介はサラリーマン、弁慶は動物保護団体員に、佐助は極道の道に……。まあ色々あったけど、集まれて良かった!ってことで乾杯!」

 カンッっと、気持ちの良い音と共に炎司たちは酒を一気に飲んだ。

 「……なんか不味くないか?」

 海人は、頭を掻きながら、

 「悪ぃ、薬入れちまった!」

 「はぁぁぁ!!??」

 ふと炎司は気付いた。体の中から湧いてくる力の存在に。

 「“戻った”んだな……?」

 「うおぉ!(とび)になれる!」

 佐助の右手が羽になっており、驚いていた。

 「これでベストロンに対抗できる……!」

 「まだ、戻りたてだかんな……。慣れが必要だし、五年前以上に力を上げなければベストロンに勝てない。とりあえず、僕の研究所へ来てくれ」

 そう言って海人は、車に乗るように促した。

 

 車に乗ってから約10分後。

 海人の運転する、と言っても自動運転の車は一般道を走っていた。

 すると、近くのビルが急に爆発した。

 「何だ急に!」

 炎司は、空を見渡す。そこには、複数体のベストロンがいた。

 「海人!あれ何のビルだ?」

 「あれは、ベストロンに対抗するための武器を作っているビルだ!」

 「……あんなデカいビル、そりゃ狙われるわ!」

 炎司はそう言いながら、車のドアを開けた。

 「炎司!何する気だよ!?」

 「肩慣らし!」

 そう言って、炎司は道路に飛び出した。炎を巧みに使って、炎司は空を飛んだ。

 「あいつ、空飛べるのかよ……」

 佐助が唖然としていた。

 ベストロンは、炎司に気付いたらしく、こちらに腕に搭載されたキャノン砲を撃ってきた。炎司は、それを物凄い勢いで避けていく。そして、蹴りを一発一体に入れた。

 しかし、ベストロンは微動だにしなかった。

 (硬ぇな……!)

 ベストロンは、アームハンマーを炎司に入れた。物凄い勢いで落ちていく炎司は、地面ギリギリに止まった。

 「強いな……!」

 すると、後ろの方から海人が何かを投げてきた。

 「風間さんから預かってきた!使え!炎司!」

 炎司が受け取ったのは、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)だった。

 「ありがとう!海人!」

 炎司は、すぐさま気を(まと)わせた。

 (この感じ!懐かしいな……)

 ベストロンは炎司に向かって、襲い掛かる。

 「日ノ型“(きわみ)・居合”」

 閃光のような攻撃は、一瞬にしてベストロンを真二つにした。

 「すげぇ……」

 「やはり変わらんな、炎司は」

 しかし、炎司はまだいた複数のベストロンにキャノン砲に撃たれてしまう。炎司は、ギリギリで避けるが、一つが右腕を擦ってしまった。

 (クソっ!やっぱ、回復出来ねーや、能力因子は戻んねーのか)

 すかさず海人の水の腕が炎司に伸びる。海人は、炎司の体を持つと、ベストロンに離れていく。

 「放せ!海人!」

 「駄目だ炎司!これで分かっただろ!?僕たちは、まだまだベストロンに及ばないんだ!」

 「やっぱり、あいつらを召集した方が良いのかな……」

 炎司は、こうなることが想像していた。

 徒陰の召集を、各地に潜む柱の招集。

 「あの“濃い奴ら”を集めるのか……」

 炎司は溜め息をついていた。

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