警察本部 零課   作:もののあはれ

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六十八 岩柱VSゼウス

 「九ヶ月って、矛盾しているぞ貴様」

 「まあ、矛盾だけどな、俺らは九ヶ月分周りより多く生きた」

 夢は一瞬意味が分からなかった。だがすぐ分かった。

 「能力……?」

 「おう。“遅延”っていう能力をある部屋に組み込めた。その能力はな、通常一時間を一秒に遅らせることができる。つまりは!タイムリミット六時間は、俺らにとって約九ヶ月だったってことだ!」

 「だからなんだ!たかが九ヶ月、そんな短期間で変われる訳ない!」

 そう言ってゼウスは、炎司に襲い掛かる。

 「“傲慢不遜(ごうまんふそん)”」

 炎司が右手を出すと、手から、炎を(まと)った獅子が現れる。ゼウスは辛うじて避けたが、左腕が風圧で吹っ飛んだ。

 「何だ、今の技は!?」

 「特訓の成果だよ。今頃みんなは、もう倒してるんじゃねえか?」

 

 ゼウスを吹っ飛ばした柱の一人、戯介。

 吹っ飛んだゼウスは、物凄い勢いで地面に叩きつけられた。

 「なんて力だ……!」

 「お前らにはわからねえよ。この力の源、守る力……」

 「だがお前は一回、我に負けてるではないか」

 「それは過去の話……。再戦と行こうや!」

 ゼウスは、キャノン砲を打つ。

 「“護れ”觔斗雲!」

 そこに現れたのは、黄色い雲、觔斗雲だった。しかし、以前と違う形だった。まるで縫いぐるみのように、二足で立っていた。觔斗雲は、モコモコな腕を使い、キャノン砲を受け止める。觔斗雲は、それをゼウスに投げ返した。ゼウスは避ける。

 「なんだそいつは。以前のようなただ飛ぶだけではなさそうだな」

 「俺は、この特訓で自身の技に磨きをかけた。その一つ、“守護神 觔斗雲”」

 觔斗雲は、ゼウスを圧倒する。

 「我が負けるとは……、ない!」

 ゼウスの背中から黒いボディが現れる。やがてゼウスは、全身黒くなった。

 「一分だ。一分でカタをつけてやる」

 ゼウスはそう宣言した。

 「じゃあ俺は、十秒だな」

 「何?無理に決まっているだろ!」

 そう言い、ゼウスは襲い掛かる。

 「“猿石(さるいし)”」

 ゼウスは、戯介を殴る寸前で動きが止まった。

 「う、動けない?」

 「猿石はな、かけた奴の動きを約十秒間、止めることができるんだ。ってことで……!」

 「“母猿断腸(ぼえんだんちょう)”」

 戯介は、伸びた如意棒を腕に巻き付けた。ギチギチと音が(きし)む腕をゼウスに目掛けて構える。

 「お前は、俺に敵わない」

 振り上げた腕は、ゼウスに直撃して、遙か上空に飛び上がり、勢い良く地面に叩きつけられた。

 ゼウスは、全身バラバラになり、動く様子も無かった。

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