警察本部 零課   作:もののあはれ

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七十一 魚柱&海柱VSゼウス

 一方その頃、海柱の愛衣と魚柱の崚八は共に二体のゼウスと戦っていた。

 「何でお前がいるんだよ!」

 「良いでしょ!私の勝手でしょ?」

 あろうことか喧嘩を始めた二人は、近づくゼウスに気付かない。崚八は、思いっ切り顔面殴られる。が、崚八は、ビクともしなかった。

 「なんだその硬い殻は?」

 「蟹です」

 崚八は、蛸足をゼウスに巻き付ける。

 「蛸です」

 「こんな足、引き千切ってやる」

 ゼウスは、引き千切ろうとするが、引き千切れない。

 「俺らが行ったのは、能力の強化、覚醒だ」

 締め付けが強くなっていく。が、ゼウスは引き千切った。そのゼウスは、全身が黒くなっていた。

 「それが、お前の本気か?」

 そう言った途端だった。横を見ると、波が襲ってきていた。崚八もろとも流されてしまった。

 「俺まで流すこたぁねぇだろ!」

 「だってあんた、えら呼吸できるでしょ?なら良いでしょ」

 「そう言う問題じゃ……って、ゼウスは?」

 「私が流したわ。ったく手間を掛けて……」

 「これから本気出したっての。……!伏せろ!」

 水の中から出てきたのは、ゼウスだった。

 「あの水圧で……?」

 「我が呼んでいる。お前らに構っている場合じゃ無い」

 そう言ってゼウスは、炎司の方へ飛んでいってしまった。

 「追い掛けるぞ!」

 二人は、ゼウスの元へ向かった。

 

 一方その頃、炎司とゼウスは炎司の方が圧倒的有利だった。天叢雲剣を持った炎司は、黒いゼウスにとどめを刺そうとしていた。しかし、ゼウスは不気味に微笑んでいた。

 「何が可笑しい?」

 「数秒後、お前は死ぬ」

 「下らないな、負け惜しみか?」

 すると遠くの方から、金属片が続々と飛んで来る。

 「何をした!ゼウス!」

 「我が何故、雷を操れるか知っているか?

 我、ベストロンの開発第一人者、安藤比呂子先生は、教え子の水嶋海人と共にある偉業を成した。それが“物に能力を与える技術”だ。我が与えられた能力は、“雷神(ゼウス)”だ。我のクローンも、この能力で創ることができるのだ!」

 「一つ良いか?……何故お前は、安藤先生を殺した?」

 ゼウスが言った答えに炎司は、戸惑っていた。

 「安藤比呂子先生は、死んでなどいない」

 「どういうことだ!」

 「お前に教える必要ないだろ!どうせここで死ぬのだからな!」

 ゼウスにどんどん金属片がくっついていく。

 「我は、自分の意思でもう一つ能力を手に入れた!それが“|電磁石”だ」

 ゼウスは、大きくなっていく。何百体のベストロンを取り込んだゼウスには、腕が六本になり、まるで國崎敏正の様だった。

 「無駄にデカくなったな」

 「元は、ベストロンの破片だ。一つ一つが自分の意思で動くことができる。勿論我にも動かすことができるが」

 六本の腕の乱れ打ちが炎司を襲う。

 「“火鎌倉(ひがまくら)”」

 炎司は、難なくゼウスの攻撃を受け止める。

 「“日ノ型進火(しんか) 電光石火(電光石火)”」

 炎司の攻撃で、ゼウスの一本の腕が地面に落ちる。しかし、また動き出した。

 「まさか、こんな動きをするとはな……」

 四本の腕は、ゼウスによって、宙に浮いていた。

 「炎司!」

 そこにやって来たのは、柱たちだった。

 「みんな」

 「弁慶が溶かしたゼウス以外は、全部向こうへ行っちまった!すまない!」

 「炎司!」

 また名前を呼ばれた炎司は、声のする方へ振り返る。そこには、夢が立っていた。

 「負けないで!炎司!」

 「わかってるよ!」

 炎司は剣を収めて、目を閉じる。

 「頼むぜ、“九尾の狐”、“正義感(ジャスティス)”、素戔嗚尊!」

 炎司は、剣を構えた。

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