警察本部 零課   作:もののあはれ

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七十二 火柱VSゼウス

 「みんなに頼みたいことがある。俺が、気を溜めているときは、少しの身動きがとれない。だから、溜まるまで、コイツを食い止めてくれ」

 みんなは頷く。

 「行くぞ!」

 戯介が、叫んだ。

 「無駄だ」

 そう言って、ゼウスは、四本の腕で襲う。

 「炎司を護れ!觔斗雲!」

 觔斗雲は、ゼウスの拳を受け止める。もう一つの拳が襲い掛かる。

 「“暴食の罪(ボアシン)”」

 弁慶が召喚した豚によって、拳が食べられる。また、もう一つの拳が襲い掛かる。

 「手再現!“シャコガイ”!」

 手がシャコガイになった崚八は、拳を受け止める。

 「合技!“海風の逆鱗”」

 もう一つの拳を、佐助と愛衣が受け止める。

 「舐められたものだな」

 全員が受け止めていた。拳は呆気なく破られる。柱全員が吹っ飛ぶ。

 「炎司に近寄るな!」

 しかし、拳は聞く耳を持たず、炎司の方に飛んで来る。

 夢は、頭を押さえ立ち止まる。

 『お願い!私の弟を助けてあげて!』

 「誰なの!」

 夢は叫んだ。

 『私は、天照大神(あまてらすおおみかみ)。素戔嗚尊の姉よ。お願い!素戔嗚尊を助けて!』

 「私には無理よ!」

 『思い出して!あの“異形の人間”を倒したときのことを!』

 「異形の人間……?もしかして、國崎敏正のこと!?ってことは、あのときのあの出来事は、貴女のお陰なの……?」

 夢は、あのときを思い出す。

 大きな扇を仰いだときに、國崎敏正は、分裂したことを。

 「もしかして、ゼウスにも出来るの?」

 『わからない……。けど、助けるのはそれしか無い!お願い!』

 夢は、胸に手を当て頷いた。

 「こちらこそ、お願い!」

 すると、夢は光に包まれる。そして以前の様に、(きら)びやかな着物姿になった。手には、大きな扇。

 そこで気付く。炎司が危ないことを。

 「炎司(おにいちゃん)!」

 夢は、扇を仰ぐ。起きた風は、腕に当たると死んだように、地面に落ちていく。

 「“神風(かみかぜ)”」

 「貴様!」

 「炎司(おにいちゃん)には、手を出させない!」

 ゼウスは、能力を駆使して四本の腕を一本の腕に変えた。

 「まずは、お前からだ!」

 「“光の壁(またたき)”」

 光の壁がゼウスの攻撃を止める。

 (私、強い!いける!もしかしたら、いける!私コイツに勝てる!)

 夢は、扇を構える。ゼウスは、再び腕を四本に戻し襲い掛かる。

 夢は、扇を振りかざそうとした。が、それが出来なかった。扇は消えて、着物姿もいつもの警察の制服に戻っていく。

 「時間、制限……?」

 夢は、(ひざまず)く。ゼウスの拳は、夢に向かう。夢は、死を覚悟し目を閉じる。

 「“日ノ型 奥義 炎華龍蘭(えんかりゅうらん)”」

 炎司の天叢雲剣を振りかざすと同時に、周りが暗くなり静かになる。天叢雲剣は、燃え上がり、暗闇の中に光り輝く雷の様に光り輝いた天叢雲剣は、ゼウスに直撃する。

 ゼウスは、金属片を落としていき、燃え出す。

 「神木……!炎司ィィィ!」

 ゼウスは、腕を伸ばす。が、ゼウスは、力尽きた。

 「風間さんの仇……!」

 炎司は、しばらくその場に立ち止まった。

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