翌日朝五時。
一番早く起きた炎司は、ジョギングを始める。ロシアの朝は寒い。日本の朝とは訳が違う。炎司は、自身を燃やしながらジョギングを続けた。走ってから約十分経過したときだった。朝早くの公園にトムがいた。トムは、何故だか四つん這いになっていた。
気付くとトムは、小さな犬になっていた。ふと、トムが炎司の方に振り返る。
目が合った。
「嫌ァァァァ!」
公園の木に止まっていた鳥が羽ばたいた。
「お前、能力持っているのか……?」
「まさか見られるとは……!そうです。私は能力を持っています」
「でも、何で?能力を持つのは日本人だけだろ?」
「実は私、ハーフなんです、ロシアと日本の。私の本当の名前は、
「もしかして、駆け落ちか?」
「はい。第二次世界大戦後に、父は日本にやって来ました。そこで出会った母に恋に落ち、結婚をしました。
P3が出来た頃、日本は、外国人を一人の残さず、国外へ追放しました。勿論父も対象でした。しかし両親は中々帰郷せず、母がP3を摂取した後に、ロシアに二人で向かいました。その後、私が生まれて今、二〇二五年では、元気な二十一歳ということです」
「なるほどな……。色々大変だったんだな」
「そうでもないですよ?私が能力を皆見せなければ、少しがたいの良い男の子ですからね」
「能力は何なんだ?」
「わかりません。でも多分、“
「今日の戦いに参加するのか?」
「はい、一応。生まれ育った国ですから……!」
「よろしく頼むぜ!」
「はい!」
そして時は経ち、正午数分前。トムを含め九人と、ロシアの軍隊。数はおよそ数百。
「夢、大丈夫か?」
炎司は、夢に話し掛ける。
「うん……」
「怖いのか?」
「ううん。何だか胸騒ぎがするの。嫌な予感がするの」
「心配性だな」
そう言って炎司は、夢の頭をわしゃわしゃとかいた。
(俺も、何だか嫌な予感がする……。的中しないと良いが)
「炎司!」
「どうした、海人」
海人は、書類を炎司に見せる。
「これ、オーディンの能力書だ。オーディンの能力は、“
「それだけは、避けたいな」
「炎司、そろそろ……!」
トムが、炎司に言った。
「よし。これから、巨悪と立ち向かう。もしかしたら負けるかも知れない。だが、良いか?俺たちがついている」
話を聞いていなかった人たちが静まり、炎司を見る。
「俺たちEternalが何とかする。……背中は任せたぞ」
軍隊は、Eternalに敬礼をしたのであった。