「パパー!どこに行くの?」
トムは、トムの父親の背中に問い掛けた。
「ん?そうだな……、うん!正義のヒーローかな!」
「えぇ!!パパすごーい!」
「そうだな!でも良いか?
トムは、首を傾げる。
「ハハッ、そうだな、必要なのは、勇気だ!じゃっ、行ってくるよ……」
その後、父は二度と帰ってこなかった。大きくなって知ったことだけど、父は戦争に行っていた。生還兵から聞いた話だと、最期まで戦場にいた人たちを逃がしていたそうだ。トムは、それから心の中のヒーロー像を封印していたのかも知れない。なのに……。
「折角の
「どうせ捨て駒だろ?」
「言っておくが、気絶していても命令は絶対。我が命に従え僕共。Eternalを殺せ」
兵士たちは、蛸足を引き千切ろうとする。
「嘘だろ?神経だぞ……?動けるなんて……!」
しかし、兵士たちは蛸足を引き千切ることが出来ない。すると一人の兵士が、懐からサバイバルナイフを取り出し、体を切りつけ始めた。
「おぉ、自身の体を切ってまっ二つにして抜けると言うことか!考えたな」
「よせ!」
「駄目だ!僕が何とかする!“
弁慶は、兵士たちに手を向けた。
「兵士からナイフを奪え」
すると、兵士たちの持っていたナイフが、一瞬にして弁慶の足下に落ちた。
「スゲぇ!」
佐助が叫ぶ。
「そんなもの……、こいつらは素手で胴体を引き千切ろうとしているぞ?」
「させねぇ!」
(炎司!ごめん!私が、オーディンに背を向けたばかりに!)
「所詮人間は、弱い生き物だ!」
「そうだよ!でもな、その分必死に生きようとしている!
どくん。トムの胸で何かが高鳴る。思い出したのは、父の言葉。トムはこのとき、動けるような気がした。
「アオーーーン!!」
「トム!」
雄叫びを上げながらトムは、蛸足を引き千切る。体からは毛が伸び、みるみる内に体は大きくなる。
「やっぱりトムは“
トムは、大きく口を開ける。トムの口は、雲を超す大きさだった。
「クソッ!避けきれない!」
オーディンは槍を構えたが、噛み潰されてしまった。
「スゲぇ!」
再び佐助が叫ぶ。
トムは、口から鉄屑を吐き出す。鉄屑は、放電しながらドロドロ溶けていた。
戦いが終わった。皆がそう思っていた。しかし、トムは人間に戻らない。それどころか、トムは、炎司に向かって大きな口を開ける。
「ぉ、おいおいおいおいおいおいおい!」
炎司は、トムに食べられる。炎司は、トムの上唇を押さえ必死に抵抗していた。
「目ェ覚ませ!トム!」
段々トムの口が落ちていく。そのとき海人が叫ぶ。
「炎司!左手!」
炎司は、左手を見てはっとする。炎司は、左手の義手でトムの能力を消した。その瞬間、トムは人型に戻った。
「悪ぃなトム。助かったぜ」
そう言って、炎司はトムを担いだ。