警察本部 零課   作:もののあはれ

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八 大黒柱

 觔斗雲に乗って三十秒、およそ一キロ離れた「徒陰」のアジトへついた夢と戯介は、徒陰の鳶に出迎えられた。

 「遅かったじゃねぇか、猿」

 「うるせぇ、叢雲鉄やべーかんな?」

 「知らないわ」

 鳶が戯介にツッコんでる。

 「お、夢ちゃんじゃん。おひさ!」

 「え?どちら様ですか?」

 「おいおいキツいぜ、夢ちゃん!」

 そう言って鳶にペストマスクを外した。外すと鳶は、同じクラスの服部佐助(はっとりさすけ)だった。

 「これでわかる?」

 「まさか貴方が鳶だったとはね」

 「まぁな。そんなことより、クラスメイトの顔見に行くか?」

 私は、迷った。私のせいで死んでしまったクラスメイトに会う権利などない。私は悩んでいると、

 「早く行ってやれよ!みんな待ってるぜ?」

 私は鳶に腕を掴まれ、強引につれてかれた。

 大きな鉄扉の向こうには、私のクラスメイト含め学校の生徒がそこにいた。

 (な、なんで……?)

 そこには、徒陰の龍と焔がいた。

 「あぁ、憾咲か」

 「何で皆生きているの?」

 「それは、俺たちの能力だ」

 「なにそれ……」

 「俺と龍には、回復能力がある。特に龍の能力は……」

 話をしている途中に、徒陰のボスと思われる人が話し掛けてきた。

 「やはり来てくれたか、憾咲さんよ」

 (やはりこの人は強い。何なのよこの人……)

 「歓迎しよう、炎司。今日は楽しくやろう」

 「そうですね、師匠」

 「え……炎司って……」

 「そういや、自己紹介がまだだったな。俺の名前は焔。またの名前を神木炎司だ。よろしく」

 「焔って、貴方だったの!?」

 「気づかなかったのか?」

 彼は、学校の時とは見せなかった笑顔を見せた。

 (何私はドキッとしているの!冷静を保たなくちゃ!)

 「ちょっと良いかしら?」

 「なんじゃ?」

 「貴方は何者……?」

 「わしはこの徒陰の大黒柱、大道寺政宗(だいどうじまさむね)じゃ。日本で初めての実験成功者だ」

 「え、え?じゃあ、貴方が一番最初の成功者?」

 「そうじゃ。わしの能力は“千里眼”あらゆるものが見える。勿論未来もじゃ」

 「じゃあ、予言って貴方の能力って事?」

 「そうじゃ、わしの予言は絶対必ず当たる」

 (凄い……。これが徒陰の強さ)

 大黒柱と話していると、隣のクラスの草木茂が話し掛けてきた。

 「まさか憾咲が警察官だったとはな」

 「ま、まぁね。でも、私は警察官っていう感じじゃないんだけどね」

 「どういう事だ?」

 彼は首をかしげた。

 「“憲法第零条”は知っているでしょ?」

 「あぁ、このP3が出来てから生まれた新しい憲法だって授業でやった。たしか『一 生まれた子どもは一ヶ月以内に能力を役所に申請する。二 個性型の能力発動による暴力は厳重に処罰する。三 原則個性型の能力発動を禁ずる。』って感じだったよな?」

 「よく覚えてるわね。そう。それで、私たちは警察官の上層部ぐらいしか知らない組織零課に配属されている。零課の名前の由来も憲法第零条から来ているわ」

 「つまりは暗部って事だな」

 「そういうこと」

 私たちが話していると、大道寺さんの声が聞こえた。

 「君たちはこれからしばらくここで安静にして貰う。だから今日から君達は徒陰だ。私達は君達を歓迎しよう。仲間内の秘密はなしにしよう。今から徒陰がどのようにできたのか話す。これから先に密接に関わってくる」

 私は、さっきより真剣な大道寺さんに冷や汗をかいてしまった。

 「今から明かそう。徒陰の秘密を」




 大道寺政宗能力“千里眼”
 ・鳥や動物の目を借りてどこまでも見える事が出来る。未来すらも見ることができる。「徒陰」の大黒柱。P3の最初の成功者。実は凄い人。
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