ソードアート・オンライン〜戦闘狂兄弟が行く〜   作:赤茶犬

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遅れて申し訳ありません。
少々リアルが忙しくなっておりまして、投稿が遅れてしまいました。

IFが配信開始しましたね。
一応第四層クリアまでやりましたがなかなか面白いですね。サチが割と序盤から関わってくれて嬉しい限りです。


ファミリーと背教者

 

「へぇ、蘇生アイテムか」

 

兄が初めて知ったような声を出す。

 

「アルゴ、教えてないのか?」

 

「あア。どーせなら、しっかり裏を取ってからって思ってナ」

 

実にアルゴらしい言葉である。

俺たちは今、ホームにてテーブルを囲んで座っている。

面子は《ファミリー》のメンバー、風林火山のメンバー、そしてアスナの計15人である。

 

「で、蘇生アイテム自体は取りに行くのか?」

 

クラインが兄に聞く。

 

「んー、正直この面子なら余裕だと思う。そもそものレベルから言ってキリトとアスナのペア、俺とタナトスの別々のソロでも回復を満遍なく持ってけば倒せるレベルなのは間違い無いと思う。

そのくらい、俺たちのレベルは高い」

 

アインクラッド攻略組のブレインとして今まで支えてきた兄に言われ、俺たち3人は嬉しくなり、顔を見合わせる。

 

「ただ、それじゃ()()()()のためにならないからな」

 

と、兄が首を向けるのは《ファミリー》の新メンバーの連中である。

 

「俺は今回、俺とタナトス以外をサポート役に回してケイタたちにボスを討伐してもらいたいと思ってる」

 

「ええ⁉︎」

 

ケイタは驚きをあらわにする。他の元黒猫団の面々も不安そうな顔をしている。

 

「ぶっちゃけ、俺たち参加しない組の方が大変だしな」

 

キリトが俺はいいのか?とでも言いたげな目を兄に送る。兄は先を促す。

 

「つまり、おにーさんが言いたいのは他のギルドの連中が俺たちの邪魔をするかもってことだろう?」

 

「正解だ、キリト。今まで最強のソロプレイヤーとしてフィールド中を駆け回っていたキリト、オレンジ(犯罪者)プレイヤー狩りを行う際、そのマップを知り尽くしていないといけない俺たち兄弟。

それに加えてSAO随一の情報屋である《鼠》のアルゴ。情報戦でうちに敵う連中はまずいない。だから間違いなくうちは尾行されるだろうな。で、そうするとどんな連中が来るかだが、タナトス」

 

俺は言われてパッと出てくる攻略組の情報の洗い出しをする。

 

「んー、恐らくは聖龍連合の連中だろうな。ディアベルが中層プレイヤーの教育のために抜けた影響もあってだいぶあそこの風紀は乱れてやがる。雲雀さんがいれば嚙み殺すレベルで。

あとあり得るのは……キバオウんとこは今回参加しない言ってたし、ヒースクリフは?」

 

「団長も参加しないって言ってたわ。あ、そうそう『よくもうちのノーチラスを引き抜いてくれたな』って団長から伝言が」

 

「知らん、と伝えておけ。ノーチラスもユナと一緒にいる方が気楽でいいだろ」

 

話に出てきたノーチラスに意見でも軽く聞こう、と辺りを見回すが彼とユナの姿がない。

 

「あれ、あいつらどこ行った?」

 

「二人で湖へ釣りに」

 

風林火山の一人が腹立たしげに答える。会議云々よりリア充爆発しろの思いが強そうだ。

いや、あのバカ達会議中に何やってんだ。俺も現実世界戻ったら詩乃と釣り、うーん、カラオケでいいか。とにかく出かけたい。

 

まず告らなきゃだけど。

 

「連れ戻してこい。が、できるだけいい雰囲気の時に連れ戻してこい、いいな?」

 

「アイアイサー」

 

兄の号令と共に出動する風林火山。

俺とキリトとアスナとアルゴとサチは冷ややかな目で兄を見る。

 

「兄貴……」

 

「リアルに待つ女の子がいるお前やゲーム世界の方がリア充してるキリトはいいさ。

彼女いない歴equal年齢でもう俺は20だぞ⁉︎大学生にもなって彼女いないのはちと厳しいものがあるんだぞ!」

 

へー、と意外そうな声を上げるのはアルゴだ。

 

「意外だナ。おにーさんイケメンだから結構経験ありそうなものだが」

 

あ、兄貴にそれはN2級の地雷……。

俺が止める間もなく、兄はゲンドウポーズを取り、哀愁漂わせ喋り始めた。

 

「フッ、タナトスの両親に引き取られた時はスラム育ちの言葉の悪さが災いし、友達ができず、ある程度落ち着いてきたと思いきやタナトスとばっかり交流してきたせいでブラコンのレッテルを貼られ、貴腐人の方々からしか交流がなく」

 

この辺りでアルゴはやっちまった、といった顔を見せ、俺に救援信号を出してきたが俺は知らん。

 

「やっとまともな女子に交流が始まったかと思うと生まれつきの合理主義のせいでなぜか変人扱い、大学にて少しモテ出したのかな、と思い始めた矢先に知り合った少女のちょっとした問題解決のための半同棲が変に誤解されロリコンのレッテルを貼られて、終いにゃ弟とその少女がいい感じになり始めて……それでもやっと!やっと、誤解が解け始めたってのに……このゲームに囚われて……」

 

最後の方は若干涙声になっていた気がする。

 

本当にいたたまれない。

 

その後しばらく兄をいたわり続けたのは言うまでも無い。

 

***

 

それからクリスマスまで、俺、アルゴ、そしてキリトの3人は動き回っていた。

モミの木の場所の大体の指定をアルゴがし、キリトと俺で回って持ち前のゲーム勘でどうにか絞り込めた。

恐らくはここなのだろう、と言う目星はついた。

そして運命の12月25日。

 

「う〜!緊張してきた〜!」

 

月夜の黒猫団お調子者担当テツオがピョンピョン飛び跳ねながら自分のほおを叩く。

 

「大丈夫だろ、なにせおにーさんと副団ちょ、じゃないアスナのお墨付きだろ?」

 

ノーチラスがテツオの頭に手を置きながら言う。

現在このパーティの平均レベルは57。大体攻略組の中堅ほどだが、その実力は上層にも届く。

兄仕込みの合理的かつ無茶ではない連携。キリト仕込みの個人個人の戦闘能力。

そして何と言っても俺の訓練によって備わった鋼の精神(時々目が死ぬデメリット付き)。

 

どのくらいの強さかといえば、攻略組でユニークスキル持ちのヒースクリフ、レベル爆上げマンかつ現実世界で喧嘩をよくしていて戦闘に一日の長がある俺に次いだ実力者であるキリトに全員でかかってやっとだが勝利まで持ち込んでいる。

レベル差は約15弱もあり、かつキリトは攻略組で随一の反射神経を持つ。

にもかかわらず、それを覆せたのは他でもない彼ら自身がお互いを信じているからなのだろう。

 

中でも伸びたのはサチとノーチラスだ。

ノーチラスは元々のセンスに加えて俺との戦闘訓練の結果、いやぁなタイミングで反射的に攻撃を繰り出せる、天然の鬼畜男となった。

本人に言うとキレるが。

しかし、サチの伸び方は異常の一言に尽きた。

彼女は最初は両手槍に転向しようとしていたのだが、結局片手剣と盾に落ち着いた。

さしずめどこかの白兎のように恋情からくる圧倒的な成長スピード。加えて師匠に抜擢されたのはかの最強ユニークスキル《神聖剣》の持ち主ヒースクリフ。

戦い方はまさにヒースクリフのような、質実剛健な戦い方となった。

 

ちなみにサチだけレベル60の大台に乗っている。

 

「……それじゃ、行こう!」

 

「「おお!」」

 

ケイタの掛け声に全員が答える。

モミの木の元へ向かっていった。

 

 

「……キー坊」

 

「なんだ?」

 

「「……俺(私)たち、いる?」」

 

「言うな」

 

***

 

シャンシャンシャン……。

視界端の時計が0時を知らせると同時、どこからか鈴の音が聞こえ出した。

俺たちはもみの木の天辺あたりからソリが現れ、そして何かが飛び降りてきた。

 

「上だ、退がれ!」

 

キリトの号令とともに数歩下がるノーチラス達。

そこにいたのは背丈はキリトの三倍はあろうか、人間型なのに腕が以上に長い。

明らかに精神がおかしい人のする表情に、目が紅く、そして不気味に煌めきヒゲがねじれながら腹まで届いている。

 

「な……子供見たら泣くぞ、これ」

 

キリトが思わず呟いたのは無理ない。

そのモンスター、《背教者ニコラス》はサンタクロースをモチーフにされているらしく、赤白基調の服に左手には大きな袋を持っている。

しかし、右手には大きな斧。

確かにこれは怖いと言うかもはや笑うしかないと言うか。

 

「っし、ケイタが指示を。ちゃっちゃか終わらせてクリパやるよ」

 

「分かった!」

 

戦闘が開始された。

 

***

 

彼らはそして、イエローゾーンにHPが少し入ったところでニコラスを倒した。

キリトたちは本当にやることがなかったのは言うまでもない。

 

「んで?蘇生アイテムは出たか?」

 

「……ん、残念ながら0になってから10秒の間だけ、みたいだね。タナトス、いるか?」

 

「いらないのか?」

 

モミの木のあるエリアの方にやってきたタナトスは若干浮かない顔をしていた。

アルゴが理由を聞こうとしたが片手で制される。

 

「他のみんなは?」

 

ノーチラスが聞く。みんなは顔を見合わせ、肩をすくめる。

別にいいか、といった感じのようだ。

 

「じゃ、ありがたく」

 

その後、クリスマスパーティがホームにて行われた。





サチとノーチラスが超強化。

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