ソードアート・オンライン〜戦闘狂兄弟が行く〜   作:赤茶犬

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今回も遅れてしまい申し訳ありません。

赤鼻のトナカイ最終回。
あの二人が出ます。




棚坂兄弟と犯罪者

 

 

ノーチラス達が背教者ニコラスと戦っている頃と同時刻。

 

俺と兄はやってきた聖龍連合のメンバー10人を圧倒的力で蹂躙した。

俺と兄のレベルは73と70。レベルだけで言えば攻略組のトップに立っている。

そんな相手を前にして、聖龍連合はなすすべもなく敗れ去った。

 

「ふぃー。意外と楽チンに終わったな」

 

俺が片手剣を鞘にしまいながら兄を見ると、なにやら怪訝な表情をしている兄がいた。

 

「そこにいる男、出てきたらどうだ?」

 

「おっとぉ、バレちまったか」

 

そこにいたのは黒いブーツに細身のパンツ。アーマーも黒で全身が黒ずくめの男。

頭には頭陀袋を模した黒のマスクをかぶり、目の部分に開かれた穴から覗かれる視線は、らんらんとこちらを見据えていた。

 

頭上にあるカーソルは、見慣れた緑ではなく、鮮やかなオレンジ。

 

オレンジ(犯罪者)プレイヤー。

 

「……誰だ、てめえ」

 

兄がその男に言う。

男が笑った気がした。

その時。

 

「ッ!危ねぇ兄貴‼︎」

 

兄貴を突き飛ばし、投擲用に腿にホルスターをつけていたナイフでそれを受け止める。

それは極細の剣。

 

「エストック……?」

 

エストックを持った男は黒ずくめの格好ではなかったがドクロを模したマスクをつけ、赤い小さな目が光っていた。

彼もまた、カーソルはオレンジ。

 

「ほう、よく、気がついたな。面白い、ヤツだ」

 

背中合わせで兄と敵を見据える。

二人を見る瞬間、俺たちは悟った。

 

こいつらは、ただのチンピラオレンジプレイヤーじゃない。

 

と。

 

「ヒヒッ、これはこれは、天下の《ファミリー》トップ2のお二方じゃあありませんか?せっかくだし自己紹介しましょう……」

 

二人は袖を捲り、腕を露出させる。

それはタトゥー。

漆黒の棺桶に、蓋にはニヤニヤ笑う目と口が描かれ、ずれた隙間からは白い腕が出ている。

 

 

 

「俺たちは《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》。俺は団長のジョニー・ブラック」

 

「副団長、ザザ」

 

 

 

「どうぞ、よろしくお二人さああああああああああああん‼︎」

 

叫びながら切りかかってくるジョニー・ブラック。

そのナイフ捌きに、迷いは感じられない。間違いなく、俺たち兄弟を殺しにきている。

 

「っ⁉︎クソッタレが‼︎」

 

「shit!」

 

それぞれ片手剣と短剣で応戦する俺たち兄弟。相手に迷いが見られないことから、俺たちは若干不利となっている。

普通ならばここまで押されることはないはず。

俺たちは間違いなく、攻略組の中でも最強だ。

なのに押される。それは単にレベルの差だけではなく、

 

「なんって、戦い方だよ……!」

 

エストックの猛攻を捌きつつ、俺はこぼす。

アスナのような速さや、武器自体にもそこまで攻撃力はない。事実、パーカーで防御は完璧にできている。が、的確に俺のパーカーの覆われていない部分、そして戦いの最中にわずかにできた袖の隙間まで狙って攻撃を加えてくる。

むしろ防具に覆われてさえいなければ攻撃が通るというシステムの穴を知っていることが驚きだ。

兄の方をちらりと見ると、ジョニー・ブラックのその戦い方は戦闘の考え方が俺に酷似していた。

ナイフを投擲し、防がれたところを新たなナイフで刺す。

それも防がれれば第三、第四のナイフが待ち、その間に投擲したナイフを回収、投擲を繰り返す。

的確に手数で押し、その中で相手の嫌がることを加える。

相手の思考を読み、殺す。

あの兄の思考を読みつつ、ジョニー・ブラックは攻撃を加えていた。

 

「嘘だろ、おい……っとぉ、危ねぇ」

 

「よそ見、余裕だな」

 

スラム育ちで暴力に染まらされた兄とその兄に喧嘩のやり方を教わり、圧倒的強さを持っていた俺。

その二人にすら肉薄するほどに彼らは強かった。

 

「ヒュー、さすがに強いねぇ‼︎」

 

「初の、殺しは、貴様らに、すると決めていたが」

 

「ああ、こりゃ引いたほうがいいかね……?」

 

オレンジプレイヤー二人は焦っていた。予想外の強さにリアルであれば間違いなく冷や汗をかいていただろう。

そのため、二人は撤退を考えるが。

 

それを良しとしないのがオレンジ狩りプレイヤー、《ファミリー》の兄弟である。

 

背中合わせに立っていた俺たち兄弟。

俺は猫耳フードをかぶり、兄もポンチョのフードをかぶる。

これにより、肌の露出を最低限までなくし、防御力を上げるとともに俺のパーカーの効果である敏捷上昇のバフが俺にかかる。

 

……こいつらは危険だ。

 

なら、殺してでも止める‼︎

 

 

「「It's show time!!!」」

 

 

「「‼︎⁉︎」」

 

驚く二人に次々にナイフを俺が投擲する。

避けと防ぐことを同時にしないと剣一本では防ぎきれないスピードで投擲する。

 

「くっ‼︎」

 

ザザが防ぐその隙に一気に距離を詰める。

 

エストックの突きを避け、背後に回り込むと体術スキルを使った裏拳で思いっきり顔をぶん殴る。

吹っ飛ばしたその時間を使い、ナイフを回収。片手剣を抜刀。そのままソードスキルを発動させながら斬りかかる。

 

兄はその短剣を使い、ジョニー・ブラックの攻撃を次々にいなす。

ジョニー・ブラックの攻撃を短剣の側面を使い、うまく軌道をずらす。

冷静に、冷静に。

それに比例するようにジョニー・ブラックは激昂していく。

先ほどまでの余裕はどこにも見えず。

 

「このっ!このっ!このぉっ!」

 

そして単調になったところを冷静に避け、背後に回る。無茶な体制から、それでも放ってきたソードスキルをパリィ、吹き飛ばす。

体勢が崩れたところに叩き込むようにソードスキルの構えを取る。

 

 

 

殺った!

 

 

 

二人が思ったその時、一人の男が乱入してきた。

顔は見えなかったが長髪を束ねた男がザザとジョニー・ブラックを掴む。

俺たちを挟み撃ちしていた構図は、いつの間にか逆転していたのだがそれが裏目に出た。

 

青白い光が二人を包む。

 

「‼︎させるかあ‼︎」

 

俺は突撃のソードスキルを繰り出す。

 

届く……その瞬間に転移結晶により彼らは転移してしまった。

 

バランスを崩した俺はそのまま雪に突っ込む。

兄はソードスキルをギリギリでキャンセルし、呆然と立っていた。

 

「クソッ‼︎あんな奴らを野放しにさせるなんて……‼︎」

 

「怪我ないか、タナトス」

 

兄は俺の元へしゃがみこむ。

兄の目は何かを決意した目だった。

 

***

 

その後、キリト達と合流した俺たちはクリスマスパーティに興じた。

 

パーティ自体はかなり楽しかった。

アスナと俺が自分で言うのもなんだが絶品料理を振る舞い、キリトにサチとアスナがあーんしようと動くのを旧黒猫団と風林火山の面々が阻止する。

 

そして俺がギターを弾き、ユナと歌が好きだというサチが歌を歌った。

 

赤鼻のトナカイ。

 

明るい気分になるはずがその歌声は俺たちの心に染み渡り、俺たちはその歌声に聞き惚れた。

ノーチラスは泣いていた。

 

思いっきり俺と兄は楽しんでいた。

 

 

先ほどの一件を、忘れないように心に留めながら。

 

心に、暗雲を残したまま。





と言うわけでついにザザとジョニー・ブラック登場。
タナトスはともかくPoHまで翻弄するザザとジョニー・ブラック。
噛ませにしても良かったのですがどうせなら強化させてしまおうと言うことで。

評価、感想等頂ければ幸いです。
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